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"REVERBERATE" -LONG JACKET- 反響する服


REVERBERATE


REVERBERATEの中で、数シーズン継続して展開される"LONG JACKET"
生地は細かい織りのコットンツイル。
ソツがなく、ガサツに扱っても問題ない素材。
よく言うコットンツイルよりは、気持ち上品でウールにも見えなくはない、くらい。
相も変わらず、吊るしてみた時の視覚的情報は少ない。

襟は大きめ、肩も大きめ。
だが、まぁ、特段目立つような感じでもない。

大きめのフラップポケットに、取り付けられたことがわかるようなステッチが浮き出ている。
これも同型色なので、特段目立って見えるような物でもなかろう。

ただ、こういった違和感の一つ一つが反響して、着用した際に大きな違和感を産むことになる。

今シーズンは、肩幅を少し狭く、袖山を気持ち下にパターンを変更。
継続して展開されている「完成品」だと思っていたが、時代の感覚や微妙な空気の変化に対応してマイナーチェンジするデザイナー、星さんの敏感さが感じられる。

やはり、
「アンバランス」
さの中に
「これで収まってる」
ように思わせる妙な説得力のあるバランスが感じられる。

「お父さんのジャケット着てきたけど、妙にハマってるみたいな感じをイメージしてます〜」

と、伝えてくれた星さん。

確実に大きいはずの身幅、長いはずの着丈。
前にしっかり振られた袖と、全体に対して少し短い袖丈がそうさせているのだろうか。
体の動かしづらさやダボついて衣擦れの音が気になるようなことは一切ない。これがすごい。

立ち仕事や動き回る仕事をする人なんかは、すっぽりおおってガサツに扱えるこのジャケットは機能的にももってこいだろう。
それ故にか、同業の方にはすこぶる人気。
立ち姿も美しいから、店頭でスッと背筋を伸ばしているイメージは自然に湧く。

襟の絶妙なカーブ、吊って見たときにシワなく綺麗にスッと前に出ている袖。
星さんのAIばりの正確なパターンメイキングと、AIでは出せないであろう着用者に対する微細な配慮、バランス感覚が両立されたジャケット。

"REVERBERATE"の服を初めて見た印象は「無機的、工業製品」
だった。
着て、触れて、話してみるごとに、
「(実は)思想と哲学と、人への想いが詰まった、心を動かしにくる有機的な服」
であることに気づいた。

文章で伝わるかな。難しいかもしれない。
おそらく、僕は星さんのパターンの凄さを頭では全く理解できていない。
心では、わかってるつもり。

ただ、着やすくて、日に日に「いいな」の発見が増えて、反響して、その魅力が増していく一着であることだけは間違いない。

ちなみに、"REVERBERATE"は直訳すると"反響"を意味する動詞である。


REVERBERATE



菊池健斗



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