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BLESS n°(ブレス) - N°73 KW APARTMENT CORNER BLANKET 余白を埋める過剰

BLESS n°

混み込みした感じというか、生活感があることの方が好きだ。
綺麗なレストランよりも小汚い居酒屋。
整理整頓されたバーより、客が常に一人二人立ち上がっているくらいの酒場の方が落ち着くのである。

そう、どうも、生活の中に「余白」大きいと、僕はそれに耐えきれずにソワソワしてしまう。掃除が苦手なんじゃなくて、自分の中では秩序だってるんだって。そういうコスモもあるんだよ。本当だって。

今、お店に所在なさげに、マルト・スタムの椅子の上にかけられている BLESSのブランケット。
毎シーズン定番でリリースされているため、このブランケットに関しては目にしたことがある人も多いだろう。

サイズは150cm×200cm

でかい。狭い店内では撮影に困る。

言ってしまえば「でかい布」であるけれど、
布なので畳んでしまえば小さくなるし、なんやかんや「余白」を埋める役割としてはピッタリ。逆に、何かを隠したい時にバッとそこにかけたりもできる。
僕の部屋にもこのブランケットがあって、大して広くもない男子独り暮らしの部屋で所在なく転がしっぱなしになっていたが、最近「人をダメにするソファ」をお迎えしたので普段はそいつにかけている。
元々ダメな人が人をダメにするソファを買った結果、部屋が少しおしゃれな雰囲気になって逆に生活にハリが出た気がする。なんでだ。


ともあれ、このブランケットは「余白を埋めよう」みたいな動機で手にするには少々過剰である。
サイズも過剰
色数も過剰
ついでに写されている風景は写真を転写したもの、
情報量も、ただのブランケットとしては過剰
ついでに言うなら値段も過剰気味

ただ、この過剰さを受け入れるくらいのミニマルな生活感の方なら余裕で部屋には収まりそうではある。
逆に、物が多くて困っているような人々はそれらの上に適当に引っ掛けておけば、ごちゃっとしたものが風景に変わってくれて、気持ちがいいんじゃなかろうか。

あれ、と言うことは、誰が使ってもそこそこ使えるってことじゃんか。

しかしまぁ、毎年よくもこんなにたくさんの色糸を使ったブランケットを作ってくれるものだ。
柄はいくらでも選べたが、潔く今季の一番新しい柄にしてみた。
BLESSの25周年に際して、ベルリンで行われた展示風景の一部。

日常にアートを、
しかし、それをあくまでファッションの視座から提案するBLESS彼女らは「ブティックのウィンドウならあらゆる人がみてくれるけど、場所が美術館だったら、限られた人しか見にきてくれないから。」
と語る。

このブランケットも、空間やモノに服を着せるように、
埋めて、彩って、武装して、装って、
何よりも楽しむことを与えてくれる。

ソファに、ベッドに、見ていないテレビに、
床に、壁に、あるいはガラクタの上に。

想像力次第でどんな楽しみ方もできるブランケット。


BLESS n°


菊池健斗



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