"SADE(シャーデー)" 　- JK-08 SINGLE- 引き伸ばされたジャケット

SADE

肩がしっかり入った、かっちりした作りのジャケット。
今季のSADEのジャケットも本気度が高い。
ラペルの返り方は少しふわりと、芯も硬くはないが、不自然ではないくらいに肩がしっかりと張ったジャケットを着たいと思った今シーズン。

生地のドレープはしっかりと出ながらも、端正かつ、力強いジャケットは、
イギリスはサヴィルロウの名門、着るロールスロイスと称される"Chester Barrie"のビスポークをリファレンスに置いたらしい。
ゴージも低すぎなくて、しばらくファッションとして手にとられなかった形ではなかろうか。

内側も台場仕立て。
丁寧に作られていることを物語る。
こういうところに男心がくすぐられちゃうのは仕方ないですよね…

ただ、当然そのままのものを作るわけないじゃないかと、我々を嘲笑う、SADE

みょーん

と、縦に引き伸ばされたような長さ。

メンズテーラリングの基本である「お尻が隠れるくらいの着丈」を遥かにはみ出た、着丈およそ80cm
もはやシングルのハーフコートくらいには見える。

ウェスト周りのシェイプはある程度聞いているので、着ると緩やかな"X"を象るが、いわゆるテーラードジャケットよりも裾が長いせいでそれが強調されるような、違和感のある長さ。

うーん、長い。
ただ、長いおかげでコーディネートが縦に引き伸ばされたように見えてやけにスタイリッシュに感じられる。
およそ「クラシック」「トラディショナル」とはいい難い、奇妙ながら美しさを感じるバランス。

それならば、いっそ雑に着てみましょう。
インナーは適当に、Tシャツや擦り切れたシャツでいい。

そもそも変わった生地、おかしな形。
作りは端正、丁寧、本気。
そのアンバランスを楽しむように。

ちなみに、もう1型のジャケットもかっこいいので、明日紹介しようかと思います。

菊池健斗

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