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最近読んだ本

上田秀人

布武の果て
堺商人たちが辿り着いた、
「本能寺の変」の驚くべき真相とは――。
永禄11年、織田信長が足利義昭を奉じて上洛する。
貿易による富で自治を貫く堺の納屋衆、中でも今井宗久、千宗易、津田宗及は、天下の趨勢を見定めようとしていた。納屋衆内では、新興勢力である信長に賭けることに反対の声もあがったが、次第にその実力を認めていく。
一方、今井、千、津田は信長から茶堂衆に任じられ、茶の席で武将たちの情勢を探り、鉄炮や硝石の手配を一手に握るようになっていた。
天正8年、石山本願寺を降伏させることに成功した信長の天下は、目前に迫っていた。
しかし、徳川家康の腹心で一向宗徒の本多弥八郎が怪しい動きを見せはじめ……。
茶室を舞台に繰り広げられる、圧巻の戦国交渉小説。

堺の商人から見た戦国時代という観点は面白い
合戦ではなく、その裏側で繰り広げられていた交渉や謀略
はらの探り合いや心の揺れ、商人のホコリを旨に秘めた命がけの闘い
堺商人をメイン煮することで戦国の見え方が変わる

日雇い浪人生活録(十五) 金の蠢動
将軍家重の治下、江戸に流れ込む者が増えた。無宿者たちは、地元の博徒の習わしを無視して町中での横暴や商店への暴挙を働き、治安が悪化。
そのため、財十万両とも言われる両替商・分銅屋をこれまで幾度も盗賊から守ってきた用心棒・諫山左馬介は、浅草界隈でちょっとした有名人になっていた。
商家は左馬介のような用心棒を求め、町奉行所は無宿者狩りに着手するが。
一方、先代吉宗からの遺命「米から金へ」の改革がなかなか進まぬことに焦れた田沼意次は、権力を欲するようになっていた。

要訣 百万石の留守居役(十七)
加賀百万石の留守居役・瀬能数馬が、各藩留守居役との駆け引きを描く好評の書下ろしシリーズは最終巻。加賀百万石の筆頭宿老・本多政長は将軍・徳川綱吉に謁見したあともなお、江戸に留まる。神君家康の懐刀と言われた本多正信の血筋を引く重鎮である政長が、国許に戻らないため各藩の留守居役が加賀の若き留守居役・瀬能数馬に接触をしてくる。宿老不在の加賀では、越前福井松平家の国家老次席が訪れ、藩主の綱昌がかつて数馬に書かされた「詫び状」の返還を要求したのに対し、政長の息子である主殿は妙手を打つ。江戸城内、幕閣では、無役の名門・酒井家の処遇が取り上げられ、滞留中の政長と数馬にも影響が及ぶ。本多家に敵対してきた老中・大久保加賀守は代々の遺恨を晴らすために、配下に密かに命令を出す。加賀の前田家では、主殿が内紛をおさめた。一方ついに徳川御三家の紀州藩主が数馬の妻・琴を狙い動きはじめる。



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