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ベイブレードの大型大会に参加した初心者の話 - エクストリームカップG1 2023

TCG界隈からまいりました、非電源ゲーム愛好家のキラと申します。
普段は同タカラトミーさんのTCG WIXOSSなどを主にプレイしています。

昨年末頃からベイブレードXイベントに参加しはじめまして、表題の話を
「その話おもしろいんで、どこかに書いてくれませんかね」
と言っていただける機会がいくらかありました。ありがたいです。
いつか自分が初心を振り返りたくなった時のためにも記録として残そうと思います。

書いていく前にひとつ、先に謝らせてください。
G1予選後、適当にベイ歴5年と書いてしまいました。後々ちゃんと調べてみたら1.5年くらいでした。

経歴詐称。爆転時代(1年くらい)からの復帰。当時の相棒はドラシエルF。
引用: ベイチューブ | BEYBLADE Channel, BEYBLADE Xの日本一が決定!エクストリームカップ G1 2023 決勝トーナメント, 
https://youtu.be/Uk_OTlRlzCs?si=ZnE9AGzkovvVs603&t=476


カジュアルより軽い勢のリアルな視点

人生初のベイブレード大会参加がG1となった僕ですが、当時はそもそもG1とかG2とかイマイチよく分かっていませんでした。
X(旧Twitter)で流れてきた公式の大会ポストを見て、なんとなくの応募です。
新作TCGが出た時、友達と一緒にとりあえず大会出てみる感覚に近い。

リアルな温度感


4~5人くらいの友人と「ボードゲームのひとつ」としてベイブレードXを新発売当初から遊んでいたのですが、大会に興味を持つ友人は少なく、結局は単騎で挑むことに。
ゆうても、僕みたいな少年時代からの復帰勢おじさんが集まる大会だろうし、ぼっちしかおらんでしょう。と思っていました。

しかしG1当日、待機列に並んでみれば
足に装着するホルスター型特製ギアケースを付けたカッコいいお姉さんとイケてるお兄さんのペア、
「彼もベイブレード通して成長したよねえ~」「そうなんですよ~」とめっちゃ玄人感出してるおじさんズに挟まれ、なんか全然思ってたのと違ってビビりました。全体的に明るい。WIXOSS大型イベントと全然違う。同じ会社なのに、なぜ?

なんか思ってた層と違う…

会場には小学生もビビるくらいおり、僕が大人買いしても手に入れられていなかった金のヘルズサイズ、コバルトドレイクを持っている子も少なくない。親が子に与える熱量の大きさにもまた、ビビりました。
(爆転時代の一般小学生、1~3個くらいしかベイ持ってなかったですよね? 時代を感じます)


予選

超アウェーな会場で情報量を楽しみつつ、自分が「未開の地からやってきた原始人ないし蛮族」である自覚を持ちながらG1大会に臨みました。
この日は相棒のシャークエッジ3-60 LFを全ての試合で使用しています。というより、これしか持ってきてませんでした。
予備のパーツもシャークエッジと、3-60と、LFだけ。
分からないなりに、何度かバトルしていくと見えてくるものもあります

  • ヘルズサイズB、コバルトドレイクが人気らしい

  • じゃんけんで負けると必ず左を取られる(左サイドが強いらしい)

  • 僕はじゃんけんが弱い(5/7負け)

こんなレベルの学びを得て、徐々にヒトに近づいていきます。
ここで嬉しポイントが1つ。僕と同じ原始人が住まう村で教授と呼ばれている個体がX発売日に編み出した、村で強いとされているカスタマイズがヘルズサイズBだったのです。
実は結構、外界と文明レベルが近かった。

予選の試合結果と得点内訳
1回戦 ヘルズサイズ エクストリーム×2
2回戦 ヘルズサイズ バースト・オーバー
3回戦 コバルトドレイク オーバー×2
4回戦 コバルトドレイク オーバー×2
5回戦 ウィザードアロー バースト×2
6回戦 ドランダガー エクスリーム・オーバー
7回戦 ヘルズサイズ バースト → エクストリーム自爆+スピンで敗北
※詳細なカスタマイズ控えておらず、すみません

バトルハイライト

1回戦目
ブレーダーKENにジャッジしていただき、試合後に
「おにーさん滅茶苦茶強いね!!」
とお声がけいただいたのですが、どなたかも存じ上げず、コミュ障なため
「アッ、アリガトザァス」としか答えられませんでした。申し訳ありません。

3回戦目
エクストリームフィニッシュを決められ、死を覚悟したものの
「今のは空中でしたよね?」
と申告する対戦相手 コバルトドレイク使いの紳士。
空中という言葉に、手札にガードがないのでビビるWIXOSSユーザーの僕。
「今のは空中接触がありましたので無効試合となります」とジャッジの方に説明を受け、これが紳士淑女のスポーツか…と原始人ながらに感動した覚えがあります。

4回戦目
コバルトドレイク使いの小学生の男の子。
ピリピリとした緊張感が漂い始める、連勝者達が並ぶ待機列に並んでいる時、色々とベイの話をしてくれました。
「これと、次勝てば明日決勝行けるんだよ!!」
こういう子にこそ決勝に進んで欲しいという気持ちがあったため、マッチングが決まった時は正直苦しかったです。
(時間内に来ないなどの理由で順番前後することはしばしばあった)
いざバトルが始まると、スピン、オーバーで早々に3ptを取られ0-3。この日一番の苦境に立たされました。
負けるにしてもカッコよく負けたいので「まだまだこれから」などと言いつつ、迎えるバトル3。オーバーフィニッシュで2-3。
「これ負けたかもしんない」とぼやく男の子。
大丈夫、まだ勝てる。絶対にいける! と場外から応援を飛ばしてやりたい。応援したい人間の対戦相手として戦わなくちゃいけない立場なのが辛い。子供との真剣勝負の中にはこんな苦しみがあるのかと気づかされました。
バトル4、オーバーフィニッシュで試合結果は4-3。
僕の村にコバルトドレイクはなく、対策も何もできていなかったので、3~4回戦の試合結果は運によるところが大きいです。
※G1中、一度もコバルトドレイクをバーストできていない

7回戦目
予選最終試合はムーD選手との試合。
ここまでで分かっていたのはチーム所属? の人らしいということだけ。どなたかは存じ上げていませんでした。
リアルのベイブレードにチームなんて概念があるのか? とは思ったものの、調整された理論構築デッキを複数名で大会に持ち込むようなものか…と、TCGer的な解釈で納得。
相手はヘルズサイズB。
終盤戦でウィザードアロー、ドランダガーとの戦いだったので
「勝ち抜いている人のベイはどれも個性的だ」と感心したのですが、
最終戦では最も人気の高い一般的なカスタマイズ。この展開は逆にアツい。
なんだか場外からの声援も凄い。アウェーすぎる環境で燃えに燃えて、全ての持久ベイを破壊すること以外頭から消える。
が、力を入れすぎたのかバトル1ではエクストリーム自爆。0-3。
湧き上がる対戦相手への応援。それでも冷静にあと2投で終わりだから勝ちが近づいたなと、自然体をキープ。当時の自分は今よりも未熟ですが、このマインドだけはアタックタイプの神髄であると今でも思っています。
そしてバトル2。バーストフィニッシュで2-3。射程に捉え、この時点で勝ちを確信。
しかし続くバトル3でスピンフィニッシュを取られ、2-4で敗北。
今思えば、僕は1つの完成したシュートを繰り返す「手札1枚」のブレーダーだったので熟練者には通用しないやり方でした。
世界の広さを見せつけられ、予選Aブロック2位で終了。

公式戦の初敗北としては、悪くない内容だったのではないでしょうか。

これ以外の試合も多くの発見や驚きを与えてくれる、示唆に富んだものでした。全てのブレーダーに感謝。

村一番の猿に突き付けられた、夢の現在地


決勝前夜

予選通過者はひとつ所に呼び集められ、今後の流れの説明を受けることに。
いわく、決勝は「3on3」であると。
別の村からやってきた猛者、同じような出自のナグモンさんと「3つも使えるベイないですよね」などと話しつつ会場離脱。秋葉ヨドバシでデッキケースを購入
(※決勝当日に貸与されたケースを使ったため、購入は必要ありませんでした。ケース貸与の説明はなかったような…?)

ここでひとつ問題が。
住まいは東京ですが、僕の「村」は物理的に埼玉にあります。
友人複数名と遊び場としてアパートの一室を借りており、山のようなベイブレードは、全てそこに置いてあるのです。
自宅にはスタジアムはおろか、ベイもランチャーも何もありません。
G1予選会場から秋葉原→埼玉の村へと移動し、村にいた長老猿に協力してもらい最終調整。
初の3on3デッキ、方針は以下のようなものでした

  • 付け焼刃・一夜漬けで新しいベイを作らない

  • シャークエッジ以外で勝てないものと考え、他のベイは大きい負けを取られ辛い安定性の高いベイを選ぶ

  • シャークエッジを2回投げる(2×2pt取れるので勝つ)

長老にアドバイス貰ったり、教授に意見仰いだりしながら僕が村で回した経験のあるヘルズサイズ教授カスタム(4-80 B)と、お気に入りかつ、コンセプトに合っているヴァイパーテイル5-60 HNをチョイス。
デッキた!(TCGer仕草)

頼みの綱、教授の鮮やかな既読無視
暗に[自分を信じろ]というメッセージなのだと都合よく解釈



決勝

大会準備Ph

長老猿が同伴として池袋まで来てくれた。感謝。
静まり返ったサンシャインシティの中で、噴水広場周辺とトイザらス前だけが異様に賑わう、そんな朝。
確か9時集合、決勝開始12時半 くらいのスケジュールで、恐怖した覚えがあります。スケジュールの余白がエクストリームゾーンより広い。
集合時間になると、スタッフに連れられ会議室へ。
そこでは当日の案内と、ベイチェック。
タカラトミーの偉い方(?) が
「ベイチェックが通らなかったら全てを失います」
と、唐突にデスゲームの開始を参加者に告げる。
それから数十分、家族・友情・シャークエッジ、努力・未来・a beautiful star…などを失う恐怖と戦いながら過ごすことに。
結果、全員がベイチェックを通過しファイナリストが確定。誰もが命を失わずに済みました。

(余談) この日のベイチェックは通常のチェックに加え、「他社キャラクターデザインを含むバトルパスシートの使用NG」がありました。動画に映り込む可能性がある為。それで言うと、WIXOSSのバーストちゃんをシートに使っても問題なかったのかもしれません。


トーナメント

昨日の負けから、どうやら僕は自身が強いのではなく、たまたま強いベイを持っているだけの男なのだなと理解。綺麗な石を拾った猿的な存在。
手札は1枚。しかしその1枚がジョーカーであると信じて決勝トーナメント初戦、ベスト8決定戦へ。

(補足) 本トーナメントでは、第一回戦のみ「フェニックスウイング」の使用が禁止されていました。ファイナリストにはフェニックスウイングがプレゼントされましたし、先行販売もありましたがそれがベイチェック後のタイミングであることを勘案してのルールと思われます。(前日予選のくじで入手機会があったものの、ここで出てきたらさすがにフェアではないですからね)
第一回戦目終了→デッキ変更&再度ベイチェック→第二回戦 の流れ

初戦はシャークエッジで2pt、ヘルズサイズ1pt、ヴァイパーテイルで1失点の理想的な流れでバトル4へ。
ヴァイパーテイルがスピンフィニッシュで負けた際にしたガッツポーズと応援席からの「いいよ!作戦通りだよ!!」の声には前述の背景がありました。気が狂ったわけではありません。
バトル4のベイ順入れ替え。1ptだけ取ればいい状況でしたが、「同じシュート」「同じ作戦」を貫くべきと判断。鋼の意思でシャークエッジを選択。
一般的には僕側がヘルズサイズをチョイスする局面でしたが、この選択が功を奏し対面ヘルズサイズ、こちらシャークエッジの有利マッチ。(持久vs持久の技量勝負では絶対に僕が負けていたので、相手の選択は100%正しかったと思います)
相性差もあり2pt獲得し、ベスト8へ。
無名であったことと、ヘルズサイズをデッキに入れていたことがいい方向に作用しての勝利でした。教授に感謝。
技量では圧倒的に負けていたので、まさに勝負は時の運です。
(GO SHOOTの直前までゆらりゆらりとランチャーを動かす、超カッコいい&強力なシュート、凄かったですよね。動画に残して欲しかった…)

2戦目以降はヴァイパーテイルを外し、フェニックスウイングをデッキへ投入。
当日のイベントでその強さを見ていたので、迷いなくデフォルトカスタマイズでヴァイパーテイルと入れ替えました。
(ファイナリストのすることか…?)

ベスト8以降の試合は、結果的に「フェニックスウイングを即座に使いこなせるかどうか」の技量・経験が問われる非常にエキサイティングな内容であったと思います。
なお、僕のフェニックスは弱かったです。38g級ブレードやGFビットを回したことがなかったのと、シャークエッジと全く同じシュートをしていたからですね。

以降の内容はベイチューブの動画でご覧いただいた通りですが、各試合コメントさせてください。

第二回戦
バトル4でヘルズサイズを出してきたみやゆう選手を僕はかなり尊敬しています。
お互いに譲れない、最強のベイのぶつけ合いでしたね。またやりたいです。

準決勝
イッキさんとの試合、完敗でした。
正直に申し上げると、この大会後半で僕のシャークエッジを止められる可能性があるのはムーDさんのヘルズサイズか、ナグモンさんのドランダガーしかないと過信していました。
イッキさんはコバルトドレイクとヘルズサイズが印象的な選手であるとは思っていましたが、その癖や運用について、対戦前に深く洞察していませんでした。明確にbadです。
僕はこの試合まで、フェニックスも粉砕できると信じていたので、1stバトルで隠さずシャークエッジ。イッキ選手は僕とシャークエッジの戦闘力をキッチリ読み切って冷静にフェニックスでこれを撃墜しました。
シャークエッジで勝てない場合、僕のデッキがどうなるかは動画の通り。
コバルトvsフェニックスのアタック対決でも負けているので全てにおいて上を行かれていますね。
技量だけで負けるならともかく、謙虚さを欠いたプレイも敗因の一つであったので、そういったマインドセット面で年下のプレイヤーに上を行かれてしまった部分は反省点です。
※ベイブレードXという競技において子供も大人もありませんが、勝負事という場においては個々人のバックグラウンドや精神面はやはり影響してくると考えています。

3位決定戦
ナグモンさんとの試合。
予選では僕が勝利を掴みましたが、ここで勝ちを取れるかはかなり不安でした。彼はイッキ選手に予選で勝利しているわけで、総合点を見ればこちらが劣っていると言わざるを得ません。
ドランダガーvsシャークエッジで真に決着を付けようと意気込んで臨んだもののデッキ順を読み違え、かなり泥臭い試合になってしまいました。
(僕はバトル4で決着、ナグモンさんはバトル3で決着と読んでいた)

ドランダガーvsヘルズサイズになってしまった時は正直「マズい」と思いましたが、全てのベイをシャークエッジ用に調整したシュートで打つことで生まれた「へたくそなヘルズサイズ」と、数々の「上手なヘルズサイズ」を打ち破ってきたであろう日本一のドランダガーがすれ違い、エクストリーム回避で勝負を決めました。
下手だから勝つということもある「X」の奥深さです。
この試合のナグモンさんのシュートはマジで凄いんで、アタックタイプ愛好家は是非今一度見直してみてください。

赤:ドランダガー / 青:ヘルズサイズ
お互いに予期しないファーストコンタクト
引用: ベイチューブ | BEYBLADE Channel, BEYBLADE Xの日本一が決定!エクストリームカップ G1 2023 決勝トーナメント, https://youtu.be/Uk_OTlRlzCs?si=jJ3Eo3FQQnxVIOX2&t=1039

決勝戦のような分かりやすく「魅せる」プレイはできませんでしたが、
「ドランダガーデッキセット」にここまで連れて来てもらった、似たような出自の大人。ドランダガーとシャークエッジ、どちらを選んだかの差しかない、出会って二日の僕達がライバルとして年甲斐もなく笑いあって試合を終えられる、そんな姿をお見せできたことは素直に嬉しく思います。


結果は3位入賞。
実力派ブレーダーが1~2位、未開の集落出身のブレーダーが3~4位という順当な結果になりました。

しかしそれでも、あの場で一番強かったベイは僕のシャークエッジだったと信じてやみません。(3on3 4試合で8点取ってますからね!)
「それを証明したい」あの時の想いが、僕のブレーダーとしての第一歩でした。
対戦してくれた方、それを観てくださった方、応援してくださった方、日頃からベイブレードを盛り上げて下さっている全ての方々に感謝を。
もちろん、この記事を読んでくださった方にも。

I can prove it you.



※多くの方に誤解させてしまっていますが、僕が言う「シャークエッジ」とは世に出回っている遍くすべてのシャークエッジブレードのことではなく、僕が使っていた個体そのものを指しています。
サトシのピカチュウが強いという文脈であり、ピカチュウが強いと言いたいわけではない。つまるところ僕はシャークエッジブレード最強論者ではないということを、ここに書き残しておきます。


こちらの動画で、アタック伊藤さんが僕の仇を取ってくれています。
2/3がデフォルトカスタマイズの拙いデッキながらも素晴らしいバトル内容でした。ありがとうございます。
是非ご覧ください。


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