海外からの旅行者によく聞かれること〜お寺の卍マークは何なのか?

こんにちは。キラキラ大島です。

京都で海外からのお客様を案内していてよく聞かれることのひとつに「いろいろなところで卍マークを見かけるけれど、あれは何なのか? ナチスと関係あるのか?」というのがあります。

卍マークをどう説明すればいいのか?

お寺に行くと卍マークがあります。街中のお地蔵さんの祠にも卍マークが記されていることがあります。そういうのを見て
「この卍マークは一体何なの?」
という質問をされることがよくあります。そういう場合、「ナチスドイツの鍵十字(ハーケンクロイツ)がなぜ日本にあるのだ?」という疑問を持たれているということです。

さあ、どうしましょうか。

卍マークはスワスティカ! 「幸運」の印です。

戦時中、日本はドイツと同盟を組んでいました。だから日本の古い何かにこのマークがあるのでしょうか? 違います。このマークはまんじマークです。古くは奈良時代の薬師如来像に記されているそうです。そういったことから、現在地図の記号で寺院は卍マークが使用されています。

なぜ仏教と卍が関係あるのでしょうか。そもそもこのマークは旧石器時代の遺跡からも発見されるシンプルなマークです。日本では「まんじ」ですが、世界的にはスワスティカ(Swastika)と言い、古代サンスクリット語のSVASTICAからきています。

このスワスティカは「幸運」「吉祥」といった意味を持った、とてもハッピーな記号で、1900年初頭の第二次世界大戦前、コカコーラ社もノベルティの栓抜きにこのマークを使ったりと、幸運の印として広く認識されていたそうです。

ナチスドイツがこのマークを使用したとき、卍ではなく卐を使いました。だからといって卐が特殊ということではなく、世界的には卍も卐もどちらもあるそうです。おそらく、ナチスも「我々は邪悪な組織である」と主張したわけではなく、「我々はこのマークのように、ドイツ国民に幸運をもたらす、そういう政党だ」という意味で使用したのでしょう。結果として現実にはそうなりませんでしたが。

ガイドをするとそういう質問があるかもしれません。ガイドをしなくてもそういう問いを受けることはあるでしょうし、そもそも自分自身がそういう疑問を持つこともあるかもしれませんね。そういう時には、「これは古くからある幸運のシンボルマークで、日本では仏教施設で広く使用されているものです。たまたまナチスも使用しましたが、ナチスが考えだしたマークではないのです」と答えればいいのではないでしょうか。

このことについて説明したTEDトークがありましたので、動画を貼付けておきます。TEDのアプリではDebbie Millmanさんがステージ上でトークしている動画もあって、その中ではイラストなども使用されてわかりやすいのですが、現時点でYouTube上にその動画がみつかりません。ご了承ください。


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