【『パーソナリティ障害』Bookレビュー②】
※補足・2011年の出版なので(しかも著者の後書きには2004年て書いてあったぞい)情報がかなり古い可能性があるのでそれも込みで読んでください。今は同じ症状でもパーソナリティ障害よりトラウマとか発達障害に注目することが多いのかも。ネットでも複雑性PTSDとかトラウマ治療の記事をよく見かける印象。精神医学にもトレンドはあるし、最新情報をキャッチするのは大切。パンピーにはなかなか難しいけど。
さてこれはBookレビュー①からの続きです。
https://note.com/kirakiramamama/n/n485cfbc0b071
ドラえもんが終わり、クレヨンしんちゃんが終わったらいよいよ息子たちの「オナカスイタ」攻撃が始まると思案しながら最後の時間を堪能(ゴロゴロ)しながら本書を読んでいる。しんちゃんと風間くんの友人関係はある意味理想的だな。
クレヨンしんちゃんは2話ではなく3話構成なのがとても良いと思う…横でゴロゴロするときの余裕がちがう。さてそろそろ夕飯作り始めよう。
#嗚呼クレしんが終わる …ありがとうしんちゃん…ナイス子守
と思ったらいつのまにかチビ達が勝手に録画を見ているんだった。妙に余裕があると思った。
夕飯は子ども喜び安くて簡単ママにも財布にも優しい『サッポロ一番味噌ラーメン』にしました。わーー✨(Bookレビューはよ)
具は海苔と業スーの鶏ハム。乗せるだけだぜ!案の定子ども達に大好評。おかわりを作るハメに。いつもいつも栄養バランスとかやってられっか。ちゃあんとトマトジュースも出したもーん。(←缶を箱買いしてる。野菜不足の時はこれだけ飲めば大丈夫というトマトジュース教信者。)こんな日があってもいい…はず!
さて夕飯も無事に済み、ゴロゴロしながら読んだ本書の続きをレビューしようと思う。(いつもながら前置きが長い)
第一部ではPDになる要因とか関係する生育歴とか脳科学とか(必要事項なのだろうけど至らぬ育児へのダメ出しのようで不愉快だった。)PDの発見や研究の歴史とかの概要が書かれていて、第二部ではそれぞれのタイプ別の特徴と対処法。この章が本書のメインだろうと思う。
読書メモとともに読み進めていく。
「境界性パーソナリティ障害と対比して、自己愛性パーソナリティ障害は、自己否定による落ち込みを避けるために、誇大ともいえる自信を振りかざす「自己愛型防衛」によって、自分を守っている」
「同じ自己愛の障害を抱えていても、自己愛性パーソナリティ障害は、前出の境界性パーソナリティ障害と、ちょうど正反対の感がある。境界性パーソナリティ障害のほうは、自己否定の泥沼でのたうち回っているのに対して、自己愛性パーソナリティ障害のほうは、自信に溢れ、誇大ともいえる成功を夢見ている。だが、いずれも、その根底には、自己愛の傷つきがあるのだ。」
この2つはどうにも似ていると思っていたけど、根本は同じもので、表出の仕方がちがうだけみたい。だからこそ自己肯定感が大事なんだというお話のようで。しかし自己肯定感がだいじって、育児・療育界隈ではそれこそお題目のように言われ続けてるけど、じゃあどうやったら【自己肯定感を大事にした】ことになるのか分からんのじゃーーー!!!と絶叫したい。
あとやり損ねた自覚があるんだけど、今さらどうしたらいいのよ?とも言いたい。(小さな声で)
まぁだからやり損なった場合にPDの問題が多めに(現時点で私はPDの問題は全ての人がスペクトラムに持っているという前提のもとに話しています)出るということなので、この本の対処法がつまりはリカバリーのやり方なのだろうと思う。この著者の岡田さんのたぶん新しめの著書『愛着アプローチ』をこの後続けて読みたいと思っている。(unlimitedではないけど文庫だからお手頃価格)
「境界性パーソナリティ障害に女性が多いのに対し、自己愛性パーソナリティ障害はやや男性に多い。そこには、ジェンダーの違いが反映されているだろう。」
それこそ、ここ数年の女性の社会進出によって、男性的思考の女性も増えたし、権力を持った女性も増えた。だからこのジェンダーバイアスによるPDのタイプの出方は自責傾向からより他責傾向に今後変わってくる可能性があるなと思う。
女性であっても周りに称賛を強要することができるだけの実質的な権力を持つ人が増えるだろうし、しばらく前からの子育てトレンドだった「褒める」の流れからも、今後は自己愛タイプが増えるのではなかろうかと私は個人的に予想したりしている。
(ある面ではもともと古代から美しい女性は自己愛的に振る舞うことを許されてきた歴史もある。わりと近代では風と共に去りぬのスカーレットとか…あとは家庭内での母親の絶対権力で機能不全が凄いことになっている話は古今東西聞くことがある。女性が優しいのは、それにメリットがあるからに他ならない、と思うのは私自身が女性に多いハイコンテクストの文化についていけずに女子グループからはみ出しがちだった育ちゆえに女性に不信感や偏見を持っているからだろうか…)
「仮面や嘘の欺瞞性、虚偽性を暴こうとすれば、たちまちその人とは絶交状態になり、あなたは、最悪の人間として、悪評を振りまかれるだろう。その人の言葉を真に受けてしまう人も多いので、あなたは、たちまちひどい人にされたりする。パーソナリティ障害の者を敵に回すと、常識的な人間のほうが負けてしまうのである。
したがって、本人との関係を維持するためには、その演技やに気づいても、それを面と向かって指摘しないのが原則だ。(中略)あなたが、その人の庇護者として行動を起こしたりすれば、とんでもないことになるばかりか、その人の病的傾向を強化してしまう。(中略)嘘の部分でつながらずに、その背後にある寂しさに目を注ぐことである。
他の部分で、必要な関心が払われ、その人の気持ちが汲み取られるようになると、嘘も影を潜めることが多い。」
これは演技性PDさんへの対処法なんだけど、わりと他のタイプにも当てはまるなと思う。本書によれば、演技性PDさんに多いとされる心因性のパニック発作などの身体表現症状も【軽んじず振り回されず】のさじ加減が大切なのだとか。書くのは簡単でも実際は容易ではないだろうなとは思われるが。でもその心構えはだいじよね。
Kindleのコピー限度を超えてしまってもう本書をコピーできなくなってしまったので引用はこれで最後。スマホで視写するのは無理。大変が過ぎる。
あとはそれぞれのPDタイプ別の【対処法】をメモしておく。
▪️境界性パーソナリティ障害・変わらないことが最大の支え
▪️自己愛性パーソナリティ障害・現実能力を補え
▪️演技性パーソナリティ障害・無理に仮面を剥ぐな
▪️反社会的パーソナリティ障害・挑発に乗らないこと
▪️妄想性パーソナリティ障害・みだりに親しくなりすぎない
▪️失調性パーソナリティ障害(スキゾイド)・本人のペースを大切にする
▪️シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害・孤独を尊重する
▪️回避性パーソナリティ障害・本当の意味で本人に主導権を渡しハングリーな環境を与える
▪️依存性パーソナリティ障害・答えを代わりに言わないで気持ちを出来るだけ口に出すよう促す
▪️強迫性パーソナリティ障害・こだわりの尊重と限界や責任範囲の設定
どのタイプについても、基本はさっき演技性PDの章で引用した【軽んじず振り回されず】の姿勢をとることが共通項なのかなと。
PDさんのトンデモ発言や怒りの噴出に振り回されず、そうした問題行動を通じてPDさんが何を訴えているのか…たとえ当の本人が無自覚ピッコリーナであっても、その背景にある寂しさや不安、どうしようもない飢餓感を感じ取って、表面の無茶振りではなく、その根本要求を穏やかに満たすような方向で受け答えするのが大事だなと思う。いや書くのは簡単でも以下略。
まず近すぎると暴風雨で振り回されるので、とりあえず自分がダメージを受けすぎない距離まで離れること。妄想性PDさんの場合には、その離れていく行為すら猜疑と粛清(←こわ)の対象となるのではじめから近づきすぎないようにと書かれてあった。
言うてももう近づいちゃったよ!という場合には気づかれないようにちょっとずつ下がること。意見を求められて精神的にグイグイ頼られてものらりくらりと中立の立場を取り続けて潮目が変わるのを待つこと。PDさんにはどのタイプもわりと浮き沈みのサイクルがあるので、こっちに関心が向かない時期にちょっとずつ距離を置くのが良いっぽい。だるまさんが転んだの逆バージョンだな。うむ。
まぁこの章を読むに、このタイプは元々の資質に加えて、多分に立場が作るようなところもあるように思うから、よほど社会的地位のある人とお付き合いするんでなければ大丈夫ではないかと思うけど。エライ人はエライ人(関西弁でエライは大変の意味)という感じだわな。
まぁホント本書でも繰り返し書いてあった通り、PDというのは厄介なものであると同時に幼少期の過酷な状況を生き残る戦略で、生き残りをかけて編み出された【つよつよスキル】であり、上手く環境にハマれば大きな強みでもあるんだなと。先天的か後天的かの違いはあれどそのあたり発達障害にも通じる…(いやでもPDさんにも遺伝的要素があると書いてあったな。発動条件は後天的みたいだけども)
PDさんのある側面が持つ強烈な上昇志向となりふり構わない戦法で、社会の上の方にはむしろPDさんはたくさん生息していると思われ…本人とその近しい周りの人々の幸せはどうなのか分からぬが、こういう人たちが強烈なキャラクターとリーダーシップで今の世の中を作っている面も大きいのだなと改めて。
せめて脆弱な庶民たる私は、そういう大きなパワーを持つPDさんに振り回されないように踏み潰されないように、また私自身のPD的側面を自覚して周りを振り回さないように疲弊させないように、上手にこの精神や心や感じ方考え方のクセと付き合っていければなぁと思う。
10のPDタイプを読み進むうちに、あら、これって私?というタイプも部分的にチラホラ…こうなるとよくある占いの性格診断に近い感じだな🤣🤣🤣(←おいおい)
たしかに緑深い森の奥で不思議な霊長類と暮らすことになんら違和感はない気がするけれど、むしろ今この都会のジャングルでわけのわからん霊長類に囲まれる孤独も似たようなもんだなと滅多にお仲間に出会えない深海魚のような生き方を達観しているので、わざわざアフリカの奥地に行く必要はそこまで感じない。ネットの海に深く潜れば仲間は沢山いるしな。
(仲間を求める時点でこっちのゾイドさんよりあっちのゾイドさんに近い気もする…ってわかんない人は本書を読んでね。すまぬもうコピペ出来ぬのじゃ)
たくさんの人に囲まれていても共感も安心もできなくてめっさ孤独。でもその孤独も悪くない、というコスパの良い、スキでもシでも良いとこ取りのゾイドさんなのかもしれませぬ…でもまぁ神秘系には惹かれないからそれこそ本書にもあったアスペの亜系かなとも思う。発達系。しかしホント診断判別がややこしいなこのPDってものは。まだまだ読み漁って深く潜る所存。未知のものはとことん知りたい。(新奇探求性が強め)
▪️新奇性追求気質とは
https://allabout.co.jp/gm/gc/302116/
まぁあるよね。新しいもの・物珍しいものに近づきたい人と遠ざかりたい人。私は前者、旦那は後者。ただし「トレンド」という分野で「新しくて今後多数派になることが現時点で既にわかっているもの」については食指が動かぬ。旦那はこっちは大好き。色々と真逆だわな。いやはや。
閑話休題。PDの話に戻ろう。
巻末の自己診断シートもなかなか面白うございました。え?アッシのタイプ?うんまぁお察しください。周りの人がチェックしてもいいみたいなので、気になる人はほっこりはんの日記を全通したうえで(めちゃくちゃハードルが高い)、シートを試してみておくんなまし〜。
いやー最後の著者紹介を読んだら、東大中卒の京大医学部入り直しの、しかも「心のエクササイズのために」書いた小説で横溝正史賞も取って…ってめちゃくちゃすごいお人だな。道理で読みやすい本だと思ったわ。新しい本出してないかな。有料になっちゃうだろうけど、この人の文体はすごく読みやすいので出てたら読んでみたいな。
いやーお医者さんにしてプロのミステリ作家さんでしたかーー天は二物を与える!!与えまくる!!まぁこの人も色々苦労や苦悩をしたみたいだけども。でもやっぱりすごい。いやはや。面白いな、人間は。
#写真は 、昨日の目玉チーズケーキの紙皿(昨日の投稿に写真を足しました)におやつラーメンを砕いてプリンケーキのカップに紅茶を淹れて【ていねいな暮らし】←ちがう
#今日のお歌 …【ひとひらの花びら】…過去に立て続けに衝撃的な訃報に接して心が引っ張られるのを踏みとどまるために作った鎮魂歌です。命の揺らぎを見てもブレずに前を向く軸が欲しい。
https://youtu.be/n4xgpGly4bc
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