強い卵と弱い卵のはなし
強い卵と弱い卵のはなし
卵同士をぶつけると、必ず片方だけにヒビが入るのだと
スーパー家政婦の志麻さんが出ている夕方の料理番組で知った
志麻さんは卵を2個以上割るときは必ず卵同士をぶつけてどの卵が1番強いのか調べたくなる、と
「必ず片方だけにヒビ」というのが強烈に残っている
人と人も同じで、意見が違っていてぶつかるとき、両方が傷つくというよりは、弱い方にヒビが入るのではないかと思う
強い方だって傷つくよ、と言われたらそうかもしれないけど、でも。
志麻さんの番組を見てから私も卵同士をぶつけて割ることがある
でもぶつけた瞬間片方にヒビが入る感触にたじろぐ
キッチンのシンクの縁で卵を割るときとは明らかにちがう、とてもソフトな感触
片方の卵は割れ、片方の卵は無傷
このアンバランスにたじろぐ
とても無体なことをしたような気持ちになる。ほんの一瞬
でもまたやってみる
なんだか皇帝ネロの気持ちになる
家族の分を割り終えて
自分の攻撃性を仕舞う
ネズミくんがぴょんぴょん跳ねて、宥めて牛乳飲ませて寝かせてきたら、眠気が去ってしまった
でも卵についての夜中にしか書けない文章が降りてきたので
ネズミくんを怒らずにヨシヨシと寝かしつけた自分へのご褒美だと思うことにして
ステキなご褒美に満足して
ハチミツ紅茶でも飲んで
夜中を楽しむ
昨日読書会の仲間と行った中華街で
つい買ってしまった中華となんの関係もない
ストームグラスの
透明で静かな結晶の破片が
ゆっくりにょきにょき伸びたり
エタノールの液体の中を
静かに舞うのを眺める
いやこれはいい買い物をしたな
お天気が予測できる気はしないけど
(19世紀の天気予測ガジェット…科学的根拠はないらしい)
夜中の私の手持ち無沙汰と寂しさを
ちょっと溶かしてくれるじゃないのと
昨日の私に感謝する
ゆらゆらしているうちに
そろそろ眠気がやってきそう
ありがたやありがたや
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