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【アンガーマネジメントとグラッジマネジメントと恨みはらシートとカラスと漆原教授と】

【アンガーマネジメントとグラッジマネジメントと恨みはらシートとカラスと漆原教授と】

6秒間我慢すれば怒りが鎮まるとされる「アンガーマネジメント」が取り扱う「怒り」は限定的なのではないか?長く続くタイプの怒りには効果がないのではないか?という主旨のフォロワーさんのTweetがバズり、そこからTwitterの識者たちが「怒り」についてのさまざまな知見を寄せていて面白かったので、備忘録がてら紹介しようと思う。


▪️関連Tweetのトゥゲッターまとめ
「恨みの手放し方を必要としている人は多い」
https://togetter.com/li/1690646

「アンガーマネジメント、何回か講習受けてるけど、あれ「瞬間的に爆発しそうな怒りに対して」な気がしてしゃあない。少なくとも私にとっては「叫び散らす程ではないがしばらく心のなかに残り続ける怒り」は6秒以上我慢しても消えてくれない!」

▪️めんたねさん(やさしい)
https://twitter.com/mentane/status/1375294017173217293?s=20

「一週間以上継続的に続く怒りを「恨み」とすると定義している本を見かけたことがあるのだけど、アンガーマネジメントは恨みには対応できていないと思う。恨みの手放し方を必要としている人は多い」

<音声から情報取得コース>

▪️ここから派生しためんたねさんのツイキャス(話し合い動画)「グラッジ(恨み)マネジメント」について。

https://twitter.com/mentane/status/1378853973424173058?s=20

ツリーで繋がった先にその2まであります。情報の文字取得が苦手で音声取得が得意な人はこの後の文章は読まずにコチラをぜひどうぞ。とても面白くてたっぷりの蘊蓄があります。

<文字から情報取得コース>

▪️めんたねさん(やさしい)別ツリー
https://twitter.com/mentane/status/1375781072332451845?s=20

「「恨みを手放す」というのは、「相手から傷つけられ、奪われたものを、(相手から)取り返そうとするのを放棄する、損切りする」ってことなのだよな。」

「いくら相手を恨んでも、その相手からこちらが満足するような謝罪があったり、償いがあったりすることはめったにない。その結果、相手個人を超えて似た属性を持つ他の人に恨みの対象を広げ、そこから自分がかつて奪われたものを取り返そうとし始めるケースもよくある。」


▪️青りんごさん
https://twitter.com/aoringogreen/status/1375334403954511874?s=20

「恨みが少ない私でも思い出すと腹が立つ記憶を掘り下げるとほとんどは「恥をかいた時」で、自己嫌悪方向に向かうとダメージが大きすぎる理由から目を背けるために恥をかかせた相手に怒っている」

「あと、自分が正しかったのに間違った事にされたという腹立ちも数年抱えていた事はある。こちらは名誉の問題で、関係者と付き合いが継続していたら引きずっていたかもしれない」

「湧き出ずる泉のごとき怒りの出所にはたいていは自分の弱点があるので、最近は腹が立つとココホレワンワンポイントだととらえていて、掘り尽くして納得してしまい恨む対象が何もなくなってしまう。かわりに自分が解決すべき課題になる」


「恨み」に関するめぼしい知見はだいたい以上かな。

めんたねさんの「恨み」は「怒りの一種である」という話が面白かった。「恨み=長く続く怒り」という定義。これはすごくしっくりくるので、私の中で今後公式になりそう。

あとからジワジワ湧いてきて、わりと強烈に頭を支配して悶々とする「怒り」は、カッとなる、腹を立てる、といういわゆる分かりやすい「怒り」とは区別されるだろうな、というのは私もずっと肌感覚として持っていたことで。

そうか、後者は「恨み」だったのか、とすごい肚落ちしたんだよね。私は怒りはないけど恨みはかなりあると思われる🤣言い換えれば憎しみや憎悪とも言えるのかな。

今回のめんたねさんの「恨み=長く続く怒り」という定義はまさに「我が意を得たり!」という感じ。

あと私は実はカッとする怒りとジワジワくる怒りは同じ名前で呼んではいけないくらいに違うものなのではないかと疑ってた。「脳の使う部位がそもそも違いそうだから、カッとなるのとじわじわムカつくのは違う感情なんじゃないかな?」と。

ただ、今回のTweetで色々と考察して、全く別のものというよりは、瞬間的な強さと深さ(長さ)で伝わり方の違いなのかも、と感じた。地震の縦揺れのP波と横揺れのS波みたいな。

震源が近さや地盤の硬さによってどちらの波を感じやすいかの違いが出るように、負の刺激を受ける部位と判断する部位の近さとか脳の伝わりやすさで瞬間的な怒りを強く感じるかジワジワの怒り(恨み)を強く感じるかが違う、とかなのかな。怒りの波の伝わりやすさや速さは脳の個性・人によって違いそう。

ちょっとだいぶ話が脱線。閑話休題。

あとすごい気になるめんたねさんのTweetの中に書いてあった「恨みはらシート」。ドラえもんの秘密道具みたいな名称がとても良い。

テッテリー!恨みはらシート〜!!ピシャシャシャシャーン!!みたいな🤣書かれているような恨みを解消できるワークシートならば、あと載せムカムカましまし気質の私もぜひやってみたい。

あと最後に引用したTweetで「相手個人を超えて似た属性を持つ他の人に恨みの対象を広げ、そこから自分がかつて奪われたものを取り返そうとし始めるケース」というのを読んだとき、『動物のお医者さん』で漆原教授がカラスの巣を撤去した話を強烈に思い出した。

個人への攻撃が増えるのではなく、漆原教授に似た人(白衣を着ている、白髪頭など)へ攻撃の範囲が広がった、という内容だった。(漆原教授に似ている、と目された人たちは一様にガーン!と傷ついていた。)

カラスと人間の認知や思考の構造は似ているのだろうか。無意識領域の思考については動物の認知行動を観察することで得られる知見もありそうだなとふと思った。脳みその一番内側の部分のことを原始脳とかヘビの脳とか言うもんね。

これはヘビの脳の場所が合ってたかどうか調べるのに(実は間違ってた、調べる前は小脳だと思ってた)たまたまヒットした、いじめと脳について書いたある学校の校長先生の文章だけど、なかなか面白かったのでリンクを貼っておく。どうせならこの知見の参考文献やソースも書いておいて欲しかったな校長先生。

http://www.naka-sho.kainan.ed.jp/gakkoutayori/31.1.24.PDF

青りんごさんのは「恨み」自体の構造分析を試みていて面白かった。構造分析すると細かく切り離されて感情自体が解体・消滅するよね。

「恨み(長く続く怒り)=恥をかかされたとき」という分析はとても目から鱗で。カッとなるタイプの短い怒りを持つ人でも、恥をかかされたらそりゃーもうカッとなるよね。きっと短くても長く深くても相手に大きなネガティブな感情を引き起こすものなんだな。

「人に恥をかかせる」というのは思った以上にとても危険な行為。これはしっかり覚えておきたい。

裏を返せば人から恨まれたくなかったら相手に「恥をかかせないこと」を肝に銘ずる必要があるってこと。心の学習机に彫刻刀で深々と彫りつけたい。

最後に、冒頭にも紹介したツイキャスの内容要約のメモ書きを貼っておきます。情報の音声取得が苦手で文字情報の方が良い人はこちらから。私はまさに音声言語からの情報取得が苦手なんだけど、メモとりながらならかろうじてメモった部分だけは理解できるので書き出してます。

これって学校教育で常にノート取らされた弊害なのかな。書くことで理解するという。音声だけだと聞いた内容の構造を理解しようとする内にどんどん頭から消えていってしまうのよね。で結果何言われたのかわからん、という私の認知特性。

メモすると見ながら反芻するので理解できる。全編字幕付きなら自分で書かなくても理解できるので要は音声記憶をタスク記憶に長く留めておけない、ということなのかしら。

メモは走り書きなのでちょっと音声とちがうところもあるかも。自分の理解のための副産品で正確にメモしようとする意図はないので、ニュアンスや要約自体が大幅に間違っているという場合にはご一報ください。

■めんたねさん「グラッジ(恨み)マネジメント」についてのツイキャス。怒り→恨み。

https://twitter.com/mentane/status/1378853973424173058?s=20

(気になった部分の内容メモ)
「期待に応えてくれない恨み、というのは浅い。ステージ1。謝ってくれたら許せる。損切りできる段階。

ステージ2は諦めが入る。もう謝ってくれても許せない。自分には利益がなくても相手を傷つけてやりたい。復讐希求。損切りできない」

「解決面で考えると、論理ベースだと損得勘定ができるので損切りできる。感情ベースだと損得勘定が入らない。感情の快不快もメリットと数えると、相手を傷つけてスカッとしたらメリットになってしまうので、やり返し思考になる」

「恨みの範囲が恨んでる対象から広がっちゃうと、コミュニティに居られなくなる」

「毒親育ちのコーチがチームの子どもの母親から感謝されるのが生理的に嫌だ、というお悩み。それは自分の推しが公式で優遇されたらファンとして公式に感謝するでしょ?の話で納得してたけど、ミソジニー・ミサンドリーとかと同じで般化しちゃってる」

「スキーマ療法・マインドフルネスは好みがある」

▪️ツイキャス2

https://twitter.com/mentane/status/1378854113425821696?s=21

「「メサイヤコンプレックス」(メシア=救世主思考)とはちがう。自分がツライ、って言うためには、自分の弱い部分を受け入れないといけないので、メサコンの人はツライと言えない。」

「アクセプタンス難しい。ルール支配行動。フレーム鑑定理論。高機能の子は関係してくる。過去の経験から嫌なことを回避してしまう。体験自体を回避する。」

「グラッチマネジメントは(子どもを亡くした人などの)グリーフ(悲しみ)ワーク、グリーフケアが近いイメージ。立ち直りの支援ではあるけれど、あなたがまだ立ち直りたくないならば、強要しません、あなたの意思を尊重します、という関わり。恨みを手放したくないなら持っててもいい。手放したいなら手伝いますよ、というスタンス」

「自分の経験としては仕事がうまくいったら古い恨みが手放せた。自分やるじゃんと思えたら手放せた。新しい恨みはまだ手放せないけど。過去の恨みは自信のなさとリンクしてた。仕事で恨みを薄めている真っ最中。この方法論は恨みのタイプにもよる。これはいじめられて仕事ができなくなった恨みだから仕事ができれば薄まる。毒親はまたちがう」

「暴露療法。エクスポーザー。回避するから薄まらない。汚いものに向き合う。恨みから目を逸らすのではなく。安全に向き合えるようにするのがカウンセラー」

「自分が何にこんなに怒って恨んでるのかに向き合うのは怖い。ありのままの原因は小さいものでも、スクリーン上だと大きくなってしまう。ありのまま見つめる作業をすると大きい」

「グラッジマネジメントとしては、安心・安全な好意的な人たちと楽しく過ごす。恨みの感情を丁寧に向き合ってみる。恨みの背景には期待があったはず。その作業を手伝ってくれる人は必要。」

「毒親って言う言葉をすごく大事にしている人たちがいる。親にいい人であって欲しい、という気持ちに毒親っていう言葉は必要だったけど、その言葉を持ち続けると今度はその場所に囚われてしまう」

「良いコミュニティだと恨みが強化・肥大するのでは。親切な人の中にいるだけではちがうかな」

「傷の舐め合いに終始してしまう。傷を負った人間が親切なコミュニティに入ることができるものなのか」

「恨みを再生産しないで抜け出すためには、適切なコミュニケーションができる場所に入る」

「めんたねコミュニティは問題のある人しかいない。責める人はいない。変な人は変な人で受け入れられる。イエスマンだけを求める人には合わない」

「みんな恨みは持ってる」

「毒親の解決とは?良くなっていくムーブは無いのでは?→毒親だよね、と認識して距離を取るようになるだけでもメリットはある。毒親という概念を受け入れるだけでも大変。」

「毒親を受け入れた後に、離れた後の恨みをどうするか?恨みの対象が広がってしまうと生きづらさが広がる。本人がなんとかしたいと思うかどうか。世界全体に広がった恨みを手放したいと思うかどうか。諦める=手放す?手放すのは負けだから絶対に手放さない、という人もいる。それはそれで良い。」

「ボーダーランズ3をやりたい。毎日ゲームやって生活しよう」

心理学の蘊蓄がこれでもかと詰まったツイキャスだった。

冒頭の恨みのステージ1とステージ2の分類については、これって、ステージ1が「恨み」でステージ2が「憎しみ」とは言い換えられないかな?と思った。

憎しみの方が恨みよりも怨念が強くて感情的にウエットで加害に走りそうなイメージがあるのよね。あくまてイメージだけど。「恨み」はカサカサに乾いた幽霊が「うらめしやー」って言って立ってるだけで不気味だけどあんまり直接手を出して来なさそうな感じがする。この感覚って私だけかしらん。

あとツイキャスの最後が突然ゲームの話なのがとてもほっこりした🤣これの前に男性メンヘラ(発達障害・精神障害・人格障害・二次障害含む)の救えなさ、みたいな重い話を読んだばかりだったので、それぞれに個性の強そうな成人男性がわちゃわちゃ楽しそうに難しい話をして最後にゲームやろうぜ、の流れになっているのが救われたような気がした。個人的に。

▪️男性メンヘラの重い話はコチラ
https://note.com/wakari_te/n/nf1e99c1f72cehttps://menhera.jp/7699

#本日のお歌 …風花(かざはな)
怒りといえばこの曲。風が強い日は貴女を思い出す今頃怒ってるかなちゃんと泣けてるかな 泣くのが下手なあなたがいつも気がかりで…

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