映画『ゲゲゲの謎』感想〜「子供向けに語る」ということ〜
好きな妖怪は毛羽毛現！
こんにちは、ゆきこです。
#32キラパが更新されました。
配信で映画『ゲゲゲの謎〜鬼太郎誕生〜』について話していますが、全然語り足りないので、noteにはみ出してきました。
このnoteでは映画を見て考えたことを書きます。
ストーリーの核心に触れるようなネタバレはありませんが、映画の内容にすこーしだけ触れますので、「前情報一切なしで見たい！」という方はご注意ください。
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私は『ゲゲゲの鬼太郎』をはじめとする水木しげる作品や、「妖怪」というものが好きです。昔から大好きです。
多くの人がそうだと思いますが、私も子供の頃からアニメの『ゲゲゲの鬼太郎』に親しんで育ってきました（世代としては第4作です）。
怖い話は苦手なくせに、なぜか妖怪の話は大好きで、兄の本棚にあった水木しげるの妖怪図鑑や荒俣宏の本をおっかなびっくりながめていたことを覚えています。
大人になってからは『劇画ヒットラー』や『総員玉砕せよ！』など、他の水木しげる作品も手に取るようになっていきました。
鬼太郎もずっと好きで、『ゲゲゲの謎』につながる第6作テレビアニメも大好きです。（日曜朝にリアルタイムで見ていた第14話には度肝を抜かれました。）
子供の頃、妖怪や鬼太郎の何に魅力を感じていたのかと考えてみると、「白黒つかないこと」や「わからなさ」ではないかと思います。
「ゲゲゲの鬼太郎」の、特に漫画作品にはどこか完全に白黒つけきらない「適当さ」というか、のんびりした空気が漂っています。
斜にかまえ気味だった子供の頃の私は、「悪者はやっつけるべし」という勧善懲悪ストーリーに早めに疑問を抱いており、「わるもの」と「いいもの」がはっきり分けられない鬼太郎の世界に魅力を感じていたのだと思います。
また、妖怪や怪異の話にはいわゆる「オチ」のないものが多いです。例えば、「窓から外を見たら頭のない馬が歩いていた」というような、「え、で、なに！？」と言いたくなる話が多くあります。
全てが明らかにならない、お話の中に残された「闇」のような空白も、それを想像する不気味さや気持ち悪さがあり、想像をかき立てます。
「子供向けに語る」という場合、こうした「わりきれなさ」や「わからなさ」は切り捨てられてしまいがちです。
映画『ゲゲゲの謎』は、「ゲゲゲの鬼太郎」という子供向けコンテンツの延長にあるからといって、「子供向け」に単純化することなく、わりきれない「闇」を残した話になっている点が最大の魅力だと思います。
誰が、どこまで「悪」か、線引きができないキャラクターたち。人間は多面的で、「善悪」でわりきれないのが自然です。その複雑さを際立たせる哭倉村の因習。
そしてその人々の物語の隙間に垣間見える、語られない空白が物語をよりいっそう不気味にする。その「闇」に、私たちはワクワクしてしまうのです。
「目玉親父エピソード0」である本作そのものが、語られなかった「闇」の部分から生まれた物語であるとも言えます。
パンフレットには、この作品は「ゲゲゲの鬼太郎劇場版」ではなく、「水木しげる生誕100周年記念映画」であり、「大人向けホラー」として制作されたと書かれていました。
でも、きっと、子供の頃の私が見たら、怖くてもこの映画を大好きになったと思います。
第6作鬼太郎のテレビアニメからこの映画にたどり着いた子供たちにも、この魅力は伝わると思うのです。
古いファンを満足させるのはもちろん、いわゆる「子供向け」にしなかったからこそ、新しい世代の人たちにも水木しげる作品の魅力を存分に伝える、「水木しげる生誕100周年記念映画」にふさわしい映画だと思いました。
今からお金をにぎりしめてblueray化を待っています。
余談ですが、グッズ「ご先祖様の霊毛で作った組み紐スマホストラップ」を買い、何も知らない友達に「これ…フフ…あの…ご先祖の霊毛で作られた組み紐で…」と謎の主張をする不審者になりました。
配信もぜひお聞きください！
ゆきことちはるが楽しく遊ぶ音声配信番組『キラキラごきげんパーティー』
隔週木曜日17:00 Spotify・Apple Podcastで配信中！
Spotify https://open.spotify.com/show/3ZuzYecEFSyhygYA3UMCjB?si
Apple Podcast https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%81%94%E3%81%8D%E3%81%92%E3%82%93%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC/id1654319119