見出し画像

アイシードール問題③~メルカリの対応~


はじめに

この記事は当店のSNSアカウントで過去に投稿した内容を元に再編集してまとめたものです。SNSで一瞬話題になってもすぐに埋もれてしまうので、記録のために作成しています。
またドールオーナーとしてショップのオーナーとして、ある程度の事情は推察できるもののメーカー側の人間でもなく、専門家でもないため、誤った情報が含まれる場合もあります。訂正が必要な箇所があればご指摘ください。
そしてみなさんのフォローやスキ!が励みになります。

メルカリの出品画面でアイシードールが選択できる問題を知る

2024年2月1日
ゆず茶さんのポストで、メルカリの出品画面でアイシードールが選択出来る問題を知りました。(私はメルカリはほとんど利用しないので、このポストがなかったら恐らく気付かなかったと思います)

実際にメルカリの出品画面をスマホで確認すると…

ハンドメイドのカテゴリーから、ハンドメイド>趣味/おもちゃ>おもちゃ/人形で選択していくと商品の特徴として種類が選択でき、更にその先で確かに「アイシードール」がデフォルトで選択できるようになっていました。(※現在はカテゴリー変更が行われてこの画面は表示されません)

2/1時点のメルカリの出品画面のスクショ

メルカリに問い合わせる

何か疑問があったり、相手に対応して欲しいことがあったら、ひとまず問い合わせの履歴を残すことが大切だと思っています。
メルカリアプリ内からチャット形式で問い合わせができるシステムがあったので、ひとまずそちらにアプローチ。

偽物と言い切ってしまうと根拠を示さなくてはならないため、あえて「物議を醸している」と表現しました。偽物であると証明する作業は権利者にとっても非常に困難で、当事者でもない善意の第三者が訴えたところでスルーされるのが目に見えているので、メルカリ側には「メルカリのブランドの信用を損ないそうな何となく放置していたらヤバそうな件」と思わせる作戦です。

[79511]出品可能な商品か確認したい
出品画面で「アイシードール」が選択できますが、これは「ブライス」の模倣品として物議を醸しているものです。
権利者はアイシードールを名指しして権利侵害を訴えてはいませんが、消費者に正規品のブライスと誤認させるような見た目の人形がメリカリを通じて売買されていることに利用者として大きな懸念を抱きます。
お忙しいところ恐れ入りますが、御社のしてのご認識をお聞かせいただきたいと存じます。

お問い合わせ画面から実際に中の人が送った問い合わせ文1
メルカリのお問い合わせ画面のスクショ1

定型文の返事が届く

問い合わせの翌日に定型文ですが返事をいただきました。お客様対応を大切にしている印象を受けます。
しかし、こちらの問い合わせ内容とは少しズレているため、出品画面に「アイシードール」が選択肢としてピックアップされている仕様について再度問い合わせました。

メルカリのお問い合わせ画面のスクショ2

再問い合わせ

ご回答ありがとうございます。
しかし残念ながら問い合わせの趣旨とは異なるご回答のため再度 問い合わせをさせていただきます。
今回の問い合わせな用は規約に抵触している商品や出品者の個々の削除要請ではありません。メルカリの出品画面の仕様についてです。
正規品の模倣品として物議のある「アイシードール」が、出品画面でデフォルトで選択できるようになっていることに対して、御社の見解をお聞かせいただきたいと存じます。
正規ブランドとして流通しているりかちゃんや、一般的に人形のジャンルとして認知されているカントリードールなどに混じって、模倣品疑惑のある「アイシードール」(が)選択できるようにピックアップされているのはなぜでしょうか?
先にも書きましたが、消費者に正規品のブライスと誤認させるような見た目の人形がメルカリを通じて相当数売買されていることに利用者として大きな懸念を抱きます。
そして、それをメルカリが容認しているように見える出品画面の仕様について大変不信感を抱いています。
お忙しいところ恐れ入りますが、御社としてのこの件のご認識をお聞かせいただきたいと存じます。

お問い合わせ画面から実際に中の人が送った問い合わせ文2

我ながら丁寧なようでキツいなぁ。
これ絶対上の人に確認したり方向せなあかん面倒くさい案件やん…。

メルカリのお問い合わせ画面スクショ3
メルカリのお問い合わせ画面スクショ4

再問い合わせへの返信

再問い合わせへの返信はもうないかなと思っていましたが、翌日に返信をいただきました。スピード感があってとても驚きました。こういった細かなカスタマー対応は表からは見えないところですが、フリマアプリでNo.1のシェアを獲得している企業のスゴさを垣間見た気がします。

これ以上の回答は引き出せなさそうなのと、問い合わせのやり取りの履歴が残ったので、問い合わせの終了ボタンを押して終わりにしました。

メルカリのお問い合わせ画面スクショ5

以上が2月1日から2月3日までのやり取りでした。
めっちゃ早い。

後日談:2月13日に機能改善のお知らせが出ました

私はアイシードールが選択出来る問題について、メルカリ事務局とのやり取りでメルカリ側へ直接 問題提起と情報提供ができ、そのやり取りをSNSで公開してその顛末を見ている人たちにアイシードールについて考えるきっかけにしてもらえるエピソードが1つできたので概ね満足していたのですが、後日談がありました。

一斉に配信されたお知らせで一部カテゴリーのリニューアルが行われたことを知りました。
私が問い合わせたハンドメイドの下層カテゴリーも変更され、ドールの種類として選択できるようになっていたアイシードールは、このタイミングで削除されました。
前日までアイシードールと一緒に選択できるようになっていた正規ブランドや一般的な人形の名称はおもちゃ>ドール・お人形遊びのカテゴリーで引き継がれていたので、意図的にアイシードールを削除したことが窺えます。
このメルカリの対応から、アイシードールのカテゴリーがあることは問題あり、もしくは不適当と判断されたと推察します。

私の問い合わせが直接的に作用したかは分かりませんが、日々さまざまな問い合わせがあるなかでメルカリが「問題あり」と判断した部分に対しては、きちんとこまめにアップデートを行う姿勢にとても好感を持ちました。

メルカリのニュース画面スクショ


この記事の最後に

アイシードール問題について①(https://note.com/kiraboshizakka10/n/n961d0af71581)でも書きましたが、権利者(ここではドールメーカーやライセンサーを指します)が「偽物である」と断じるのは大変な労力が必要です。
ユーザーの立場からすれば公式さんがズバッと偽物って言ってくれればいいのに…と思って歯がゆく感じるかもしれませんが、権利者が権利侵害についてはっきり立場を示したり、特定の商品やサービスを名指しで指摘するのは本当に難しいです。


【参考資料】
タカラトミー時代のものですが、メーカーさんの内情を知ることができます。
556 ブライスの偽物問題、各メーカーに直接聞いて見ました。ワルソネコラジオ
https://www.youtube.com/watch?v=JJOKE4vK1wg


しかし、消費者の立場でもできることがあります。
買わないこと。
偽物も模倣品も海賊版も需要と供給のサイクルが回るから世に溢れているのです。アイシードールをはじめとするコピードールの販売者は別に人形が好きだから模倣品を売っているのではないのです。単に売れるから売っているだけです。売れなくなったらそこからは手を引きます。
出自のあやしいドールは絶対買わないこと。

そしてアイシードールが模倣品として物議があることを知らずに購入されてがっかりされた方は、できるだけ国民生活センターに相談してください。
消費トラブルを防ぐためには、データベースに相談事例として蓄積されることがとても大切です。ある程度の数になると個人のトラブルではなく、社会課題として認識され、全国に向けて注意喚起が行われます。
こういった手段があることも知っておいてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?