もう10月。もう11月と言い続けて年を取るのか。
「もう○月か~」
とはよく聞くが、
「まだ○月か~」
とはほとんど聞いたことがない。
どうやら人間は、総じて月日の経つのが速いと感じるらしい。
しかし、一日、一週間単位では、
「まだ○時か。早く時間すぎないかな」
「まだ月曜日か。早く週末にならないかな」
と思うことはかなり多い。
つまり、一日、一週間単位で時間を考えているから、月が替わる時に
「あれ、もう○月か」
となるのである。
確かに、
「早く○月過ぎないかな~」
と思うことは少ない。
余程夏の暑さが嫌いだとか、冬の寒さが嫌いだとかで月の替わるのを願っていない限り、まだ○月、と思うことはないだろう。
そうなると、1年が過ぎるのはもっと早く感じる。
よく、20歳を過ぎてからは、年月の経つ速さが2倍に感じると聞く。
20歳までは新しい環境に入ったり、新しいことを知る機会が多いため、日々の刺激が多いからだろう。
しかし、年を取っていくと、知識や経験が蓄積されていくため、何かを学習しても、その一部は昔の知識に結び付くことが多く、新鮮味が少ない。
学生時代の3年間が、社会人の6年間。
しっくりとくる。
ただ、あっという間に年月が過ぎてしまうのは、あまり嬉しいとは感じない。
できれば、少しでも長く生きたいと思うだろう。
では、どうすればよいのか。
学生時代を繰り返せばよいのである。
もちろん、学校に通えというわけではない。
学生のように、毎日新しいことを知り、数年に一回、環境を一変させればよいのである。
今まで知識や経験を蓄積したから、もう新しいことを知ることは少ないと考えるだろうが、自分は一体どれだけのことを知っているというのだろうか。
20年間では到底知ることのできないこと、経験できないことがたくさんある。
例えば、ずっと地元に住んでいた人は、他県で住むことを知らない。その地域ならではの食材、行事、文化施設…。
例えば、学校のクラスや部活、サークル活動のコミュニティしか入ったことのない人は、趣味で集まったコミュニティの楽しさを知らない。
人生のうちで知れること、経験できることは、ほんの少ししかない。
20歳までに人生を楽しむ基礎を作ったあとは、次々と新しい世界に飛び込み、人生を楽しみつくすのだ。
そうすれば、「早く週末にならないかな~」「もう10月か~」なんて思うことはない。
「今日は○○の勉強ができて一歩成長できたな。明日は△△に挑戦してみよう」(○○、△△は学問だけでなく、映画や音楽、アニメなど趣味のことでもよいだろう)
「9月は○○して楽しかったな~。10月は前からやりたかった△△をしようかな。」
と、幸せなつぶやきができるだろう。