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『危険なビーナス』第4話感想

むむむ。なかなか面白いところに来ちゃったな、というのが観終わって最初の印象。
『この家ではなにが起こるかわかりませんからね』初回の勇磨さんのセリフは全き真実でしたね矢神の血筋恐るべし。

伯朗さんはとっても良い人で、あんなに祥子さんが嫌いなのに、お母さんを心配する百合華さんには同情して探す手助けをしてしまう。
ホントに良い人だから『楓さんには言わないで』と言われたことも守っていたのに、どこからともなく嗅ぎつけるのが楓さんだからあっという間に知られて責められる。その後も楓さんにはいいように振り回されて、良い人なのにも程がある、気がしますけど、仕方ないんだよなこれはきっと。

結局、祥子さんの失踪は表向きは「夫の浮気を知って、これから先を考え直すために実家に身を隠した」だけだった、となったわけですけど、これも伯朗さんがあの親族会の場で百合華さんのためにふるった熱弁が状況に説得力を与える印象になってて、ホントに伯朗さんて良い人だわ、でもこれって誰にどう作用したの?

だって、あの場であの言葉に素直に感銘受けられるのって、多分百合華さん1人なんですよ。
そもそもあの場は隆司さんを吊し上げるために勇磨さんと佐代さんが仕掛けたもので、祥子さんの失踪は公にはされていない。けど身を隠してることを波恵さんはわかってるし、多分知らないわけじゃないだろう養子コンビは隆司さんを追及する材料にするだけだし。だから、あの熱弁タイムは百合華さん1人にしか響かない。あの時の勇磨さんの顔!目をつぶって腕組みしてのほんの少し険しい表情ははっきり「なに言ってんだコイツは」でしたもの。顔に書いてありましたよ「まだ矢神の家がわからないのか」って。

それでもその場で支倉家はやり直す機会を手に入れ、伯朗さんと楓さんにも改めて「お母様の形見のネックレス」という絆が生まれ…。このまま“イイ話”で収まるのかと思ったら。
最後の最後、祥子さんが見せた本性。「自分の本当の望みのために人の命を奪う、でも自分の手は汚さない」。大変、ストレートです。
…これが矢神の血筋なんだなと思えました。お金と地位がまず最初。それさえあればなんでもできると信じていて、そのことが一番大事。祥子さんは後妻の子で、しかもお嫁に出ちゃってる人ですから、相続権はあってもそこまで大きく主張できる立場じゃないはずです。だから尚更、なのかもしれませんが、とにかく取り分を増やしたい。その一心で、ずいぶんと手荒なことを考えておられるようですが、さてそう簡単にはいくかどうか。

しかしまあ、今回の「支倉家を瓦解させる」作戦も仕掛けてるのは養子コンビで、このひと達実にマメに動いておられますよね。もちろん亜流は亜流、しっかりガッチリやっとかないと、いつどう本流から弾き出されるかわかったもんじゃない。てか、本流を飲み込むのが目的なんだから、あの手この手も尽くすわけですけど、今のところそれをことごとく邪魔してるのが伯朗さんの「善人ぶり」だってところが、もう。
『バカは放っておけばいい。問題は祥子さんだ』
そう、伯朗さんは知らず知らずのうちに祥子さんの作戦のアシストしちゃってるわけですよ。勇磨さんにすればホント余計なことされて迷惑この上なし。なんだかね、勇磨さん達がちょっと気の毒になってきました。

矢神家の血筋。外から来たものは皆「金目当て」だと馬鹿にし、身内同士も腹の探り合い。みんな自分が一番大事で、お金が全てのように見えるけど、それ以上の何かも感じます。遺産の中にあると言われる「お金よりももっと価値のあるもの」。それがこれだけの事態を引き起こしているのかも。だとしたら、だとしたら。その血を一番色濃く引いてるはずの明人くんは…?明人くんはなにを知って、姿を見せないのか見せられずにいるのか。伯朗さんを誰よりも信じられると言った明人くんを疑いたくはないけれど、でも…。楓さんの正体共々、この夫婦(?)の謎も深まるばかりです。

次回はとうとう康治さんに命の危機が迫るようですが、なんで祥子さんはこの人に急いで死んでもらいたいのか康治さんはなにを思って「あきとをまて」と言ってるのか。そして2週ほど現れない兼岩さんちのご夫婦はどうなさっているのか。
いろんな謎は謎のまま、お話は中盤へ。まだまだ先は霧の中。日曜の夜までは彷徨うつもりで待機です!

#危険なビーナス #日曜劇場 #矢神家の一族
#できるなら明人くんには親の死に目にあっていただきたいです

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