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伝えたいことはたったひとつ〜 推しの王子様 🤴第8話感想

全11話の連ドラはどれもだいたいここで大きな山場を迎えます、の第8話。今、改めて見返したばかりですが。
…あー、すごくいいもの見ちゃったなあ。
これ、語らなくちゃだめですか?なんか、この気持ちは語らずにずーっと抱きしめてたいなぁって思ってるんですけど、だめ?

OnAir直後に「ザ・みっちー・ワンマンショー」と叫んじゃったのはですね、1時間ほぼ全編みっちーだけ見てれば物語の展開も訴えたい感情もわかるようになってて、そうやって引っ張ったテンションを最後、思いっきり解き放ったのもみっちーだったからなんですけど。
それをね、ほとんど大きなお芝居せずに目の色と呼吸だけでやりきったディーンさんが、ホント凄かった。大きなため息出ましたよ、ふわぁって。

航くんが告げた想いを泉美ちゃんがはねつけてからずいぶん時間が経って、その間に航くんはどんどん成長。大きな仕事も成し遂げて、気がついたら杏奈ちゃんとも仲良くしてる。8ヶ月の時間はそれぞれの立ち位置をちょっとずつ変えて、でもでも。

みんな、自分の「好き」が上手く扱えない。
航くんから言い出してくれてカップルになったのに、どこか不安なままの杏奈ちゃん。
航くんは、杏奈ちゃんの前で泉美ちゃんのことを話す時、自分がどんな顔してるのか、わかってない。
泉美ちゃんは泉美ちゃんで、しっかり航くんを見守ってきた…んだろうけど、自分で自分についた嘘は結局自分を苦しめることになってる。そりゃそうだよね、「好きなものを好きと胸張って言う」ところから始まった今の自分を丸ごと否定してるようなもんですもん。
好きなのに、その気持ちを認めない、なんて。
みんな、自分の「好き」を捕まえきれない。

『あの台本、よく読んだら陸くんの台詞がベースになってたの』
…ルナくんは自分の分身だから、その違和感は航くんにはすぐわかる。これは自分の台詞じゃない。では、それはもともと誰のものか?
陸くんは、みっちーの影です。ヒロインがいちばん最初に出会うキャラ。慣れない世界を歩き始めるヒロインを助けるキャラ。ルナくん…航くんとは全く違う設定だからこそ違和感は残ったし、
それは航くん自身に見事に書き換えられてしまった、けど。

みっちーは、でも、みっちーだけは自分の「好き」をわかってます。泉美ちゃんが好き。いつも泉美ちゃんを見ていて、そばにいて、必要な時にちゃんと手を差し伸べて、必要な言葉をかける。
泉美ちゃんが苦しみから抜け出せるように、嘘をつかずに済むように。
それがどんなに自分にとって辛く感じても。

『断ったことは後悔してない。一緒に生きていくことはできないし…』
そう言った泉美ちゃんを見つめて、
『…ホントに、それでいいの?』
…この台詞の前。目を伏せるように視線を下げて、小さく息を飲んで、ほんの少し、口を開きかけて。
なにか言おうとして、その言葉を引っ込めた、ように見えました。
なにを言おうとしたんだろう。
ホントにそれでいいの?それも自分に嘘ついてるんじゃないの?でもそれを確かめてしまうことは、確かめてしまったら…。
怖れとためらいと、精一杯。

そして、最後。自分の想いを、まっすぐ泉美ちゃんを見たまま告げたみっちーが、視線は外さないままほんの少しだけ、目を凝らすようにします。まるで自分の言った言葉が眩しすぎたみたいに。…大人なんだ、と思いました。蓋を外した気持ちを丸ごとぶつけてしまわないように、ホントの気持ちを告げてなお、それが泉美ちゃんを傷つけたりしてやしないか気遣うように。
みっちーの「好き」だけは、どこまでも優しい。

それをね、ディーンさんはとことんミニマムなお芝居にすることで世界に溢れさせてみせました。
動きを感じるのは呼吸と目線だけ、動く関節は首だけ。肩から下は動くことなく、けど固まってるわけじゃなく、絶妙な緊張感で。
声のトーンも低いまま、でも抑え込めない気持ちの迸りは浅い息遣いからはっきりと伝わる。
これだけの情感をこれだけのお芝居で成立させた、ディーンさんの身体の使い方の素晴らしさに、大きなため息ついたんです。ふわぁ。
ディーンさんのお芝居、またひとつ高いところに上がった気がします。凄かったです、本当に。

さあ、駒は出揃いました。
航くんも泉美ちゃんもみっちーも、3人が3人ともお互いの気持ちを知ってしまって、お話は本当にこれから、なんでしょう。
この先のどこに大団円が見つけられるのか、正直わたしにはよくわからなかったりしますが、それでも「ロマンティック・コメディ」と謳われた作品が悲劇で終わるはずはありません。きっときっと、みんなが笑って迎えられるtrue endが待っていることを信じて。明後日、その光が見えますように。

#推しの王子様 #推しプリ
#Runaway 
#ディーン・フジオカ #DEANFUJIOKA
#ピカリンのピカはピカチュウのピカ
#でも今週のピカイチはやっぱり芽衣ちゃん
#縁慶堂の最中の恨み晴らさでか

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