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『危険なビーナス』第3話感想

オンナの嫉妬、の話ではあったんですけど。
なんかいろいろ含みは多そうですよね、な第3話でありました。

嫉妬、ね。もちろん明人くんの失踪自体が百合華さんの仕業だってのはあまりに話が膨らみすぎで現実味に欠けますし、だから楓さんが襲われたのは単純に、単純に子供じみた嫉妬からだったわけですけど、でも。
なんでそうなるかっていうと楓さんが疑われてるからですよね。「この人、ホントに明人くんの妻なのか」って。百合華さんや春乃さんの場合は「明くんが好きだったから」、楓さんの言い分を信じられない信じたくない。だって明くん自身がそう言って紹介してくれたわけじゃないんだもん。この人が突然現れて、勝手に「妻です」って名乗ってるだけだもん!…おんなじように「信じられない、信じたくない」人は他にも沢山いて、でも周りのそんな視線もどこ吹く風でマイペースに突き進むのが楓さん。いやホントは気にしてるのかもしれないけど、少なくともそんな弱気を表に出しちゃダメだと思ってる。楓さんにとっては「明人くんを連れ戻す」ことだけが大義で、他のことはおまけ、なのか、どうか…。

ふうむ。だいぶと複雑なお話だなって思ってます。だって、観てる側にも楓さんをまだ全然信用させてないのに、その楓さんが「明人くんの行方と遺産の真実」って謎を追ってる。誰が何を知ってるのか、怪しいと言えばみんなみんな怪しいけど、探偵役自身も観てる側からすれば信じるに足らないわけで。伯朗さんだけは楓さんを信じてる、というか信じようと決めている。信じられる根拠は今のところ何ひとつ無いにも関わらず。これは「信じられない、信じたくない」の裏返しで、やっぱりどこかで信じきれていない。てか、伯朗さんはもう楓さんになら騙されててもいいんですよねきっと。

そういう意味において、今回一番正直だったのは勇磨さんでした。
『(楓さんを)全く信じていない』だから口説くかもしれないし『気持ちに折り合いがつけば、抱きしめたりするかもしれない』。なにこのexcuse。『気持ちに折り合いがつけば』。どんな気持ちにどう折り合いつけるんだか。笑っちゃいましたよ本気で。
前回のことでもう楓さん伯朗さんとは化かしあいになるのだと決まってしまったから、あとはいかに上手く出し抜くか。勝負はそれだけだと勇磨さんの目的ははっきりしていて、そのことは観てる側も信じられる。おそらくは楓さんの言動に対する以上に。
結局、この場も佐代さんと仕組んで設けたもので、全部佐代さんも聞いてたわけですが、その佐代さんだって正直でしたよ『私は逆が良いなあ…』。もちろん勇磨さんと2人だけの会話だからこその正直さなんですけど、でも、この正直さが観てて妙に安心できてしまいました。「あー、このひと達はちゃんと“悪い”人だ」って。
『楽しいですね、こういう腹の探り合いは』
はい、観てても大変楽しゅうございました。置いてけぼり気味の伯朗さんにはお気の毒でしたけど。

それにしても明人くんてばモテモテ。従妹にもそのお友達にも想われて、楓さんにも『明人くんを獲られたくない』と明言されて。どんなに素敵なひとなんでしょう。観てる側には「まだ見ぬ人」ですもん、期待度ばかりが上がりますけど、ねえこの人まだ生きてます、よね?自分の立場もわかってて自ら姿を隠してるなら、それはそれで十二分にめんどくさそうな人だと思っちゃいますが。

さて、最初に騒いだものが黙らされ、次に疑われたものが改心し、残るものから新たな失踪者。ミステリーとしてはガッツリな展開になってまいりましたが、まだまだ肝心な謎には全く辿り着けていない伯朗さんと楓さん、と観てるわたし達。
楓さんの正体に明人くんの行方、遺産の中身と禎子さんの死の真相と一清さんの最後の絵の在処、そしてリーマン予想は果たして明らかにされるのか?
されなきゃ困りますだってめっちゃ気になってますもん日曜の夜が待ち遠しいですもん!
あと42時間とちょっと、ワクワク止めずに待機です!

#危険なビーナス #日曜劇場  
#矢神家の一族  
#ところであれ勇磨さんは飲酒運転してないですか大丈夫ですかそうですか

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