色による性判断

例えばランドセル

赤なら女の子

黒なら男の子

例えばトイレ

赤なら女

青なら男

例えばイメージ

女の子はピンク

男の子はブルー

パッと見て分かるように
先人たちが記号化してきた
便利なシステム

しかし

時代が変わり

色の概念は移ろいで

人々は解放を求め始めた

また時として

色によるイメージが

良くない効果を齎してしまうことがある

お手洗いに並んでいた

隣には多目的トイレが2つあった

片方の扉は青

片方の扉は赤

赤の方にだけ
オムツ替え台があるマークがあった

そんな仕様の多目的トイレが2つあった

車椅子に乗ったご主人を押す奥様が
赤の扉の方が空いても
なかなか入ろうとしないので

「空いていますよ？」

そう声をかけると

「でも女性専用でしょう？」

そう返した

僕の概念には

「多目的トイレは男女兼用」

というイメージがあったので

配慮なく勧めてしまったことを悔やみつつ

扉に掛けてあるポップを確認すると

「男女兼用」

と記されていた

改めて「大丈夫ですよ」と勧めると

「あら、ありがとう」と笑みを見せた

便利は不便

少しずつ、時代が変わって、

僕らの認識も変わって、

イメージ と 自由 が

豊かに共存できる時代が

そう遠くないうちに

訪れることを

願う