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ホスピスへお見舞いに行ってきた

今日の休みは、93歳になるわたしの母と母の姉の99歳になる伯母、その高齢の二人の介助役としてわたしのかみさん、そして運転手のわたし、この4人でホスピスへお見舞いに行ってきた。
母も伯母も足が弱ったとは言え、まだ自分の足で自力で歩くのだから凄い。
二人とも頭はしっかりしているし、スーパー婆さんの姉妹なのだ。
その2人のたっての願いが、甥っ子のお見舞いに連れって行って欲しいという事。さっそく分かりましたと、母とかみさんを乗せて、伯母の家に迎えに行ってから従兄弟の入っているホスピスへと向かった。
お見舞いの相手は、わたしの従兄弟でまだ今年62歳。
その従兄弟の母親は、伯母と母との三姉妹の一番下で、その三姉妹の一番下の叔母は一番早く数年前に亡くなってしまっている。
一人っ子の従兄弟は子供の頃は伯母の家に入り浸りで、随分と伯母や従姉妹達に可愛がられていたのだった。
その従兄弟に昨年の7月に肺癌が見つかり、その時には既にステージ4。検査の結果、脳にも転移していた。その時点でもう癌の患部を取り除く外科手術は不可能で、抗がん剤治療でなるべく癌の進行を遅らせる延命治療しかなかった。
そして最後の抗がん剤投与ののち、治癒の可能性無く、先日病院からホスピスへ移ったのだった。
わたしは今日初めてホスピスという所へ行ったのだが、そこは病院の裏、カトリック教会の隣りに在って、ホスピスの建物の中に入って受付で面会手続きをしながら感じたのは、最期の時を迎える場所として相応しい穏やかな時間が流れている空間だなぁ〜という印象。
現在病院はどこもコロナ感染対策としてなかなか面会をするのが困難な状態なのだか、一方ホスピスは入院患者が最期の時を迎える場所として、患者が疲れない範囲でなるべく家族や近親者と一緒に過ごすことが出来るように面会時間の制限は設けていなかった。
だからそんな訳で、なんやかんや1時間以上も居ていろいろな話をしてきた。
従兄弟は、もう既に両親は亡くなっており、奥さんと娘一人の三人家族。
いろいろ話してる内で『俺はもう死ぬのは覚悟しているから大丈夫なのだけど、俺が死んだ後、女房と娘をどうぞよろしくお願いします』と、伯母と母に繰り返して言っていた。それだけが気がかりだと言っていた。
そうなんだ、、、。優しい男なんだなとわたしは改めて思った。
翻ってわたしが死ぬとなった時、果たしてわたしはそう思うのだろうか?と。
現時点で、家族に対してな〜んも心配はしていないし、、。なんとわたしは優しくない男なんだろうか!?(︎^_^;
娘は結婚して幸せそうにしているし、息子もカノジョと一緒に暮らしてるし、かみさんは、女は強いからわたしが死んだって、そりゃあ一二年は悲しむだろうけど、すぐに立ち直るだろうし、、、。
従兄弟は元々痩せていてすらっとした男だったのだが、癌でますます痩せしまった体は骨と皮で、血管が沢山浮き出ていて、声に力がなく小さくて聴き取りにくかったが、意外にも眼力(めじから)だけはしっかりとしていた。
食欲がなく食事をほとんど摂ってないと言うと、伯母と母は、口から栄養を摂らなきゃダメだよ、食べなきゃ元気が出ないよ、食べて元気になって癌なんかやっつけちゃいなよ!って励ます。(そんなこと言ったてもう無理なことは承知なんだけど) 
そして、何か食べたい物ある?って伯母と母が聞いたら、返ってきた返事が意外だった。寿司が食べたい、バラ寿司が食べたい!と従兄弟が言ったのだった。
明後日には従姉妹(伯母の娘)二人がお見舞いに行くことになっているので、わたしがバラ寿司を作って従姉妹に持って行って貰うことになった。
まさに従兄弟の「最後のお願い」だもの、叶えてやらない訳にはいかない!
美味しいのを作って、従兄弟に少しでも食べて貰えればと思っている。
  
追記 : 
10月12日朝、従兄弟は息を引き取りました。
先週会ってきたばかりなのに、、、。
従兄弟や従姉妹、そして伯母達、みんなに会ってから、あっという間に逝ってしまいました。
冥福を祈りたいと思います。



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