FXトレードに必要な元手について

FXはわずかな元手で多額を儲けることができる!としばしばうたわれている。「50万円の元手を500万円にした!」などのキャッチコピーを10年くらい前のFX全盛期にはよく見かけていた。確かにFXはレバレッジ取引を行うことが可能なため、少額の資金で最大25倍の取引を行うことが可能なのである。しかし、資金×25倍分の儲けを出すことができるということは反対に25倍分の損失を出すことも可能なのである。(実際には口座資金をもとに各FX会社はストップロスを設けているため、口座資金以上の損失を出すことはめったにない。しかし口座資金がゼロになってしまうことはまま起こりうることなのである。)FXは初めてから1年以内に9割の人が退場すると言われるきびしい世界である。私が考えるに、退場している人はおおむねわずかな資金で高レバレッジ取引に臨んで失敗しているように思える。最初から高レバレッジで挑んで勝てる人などいない。そのため、最初は少ないポジション量、低レバレッジでの取引がよいと考えているし、私はいまだに少ないポジション量でしか取引を行わない。1注文における最大取引量は本当に自信のある時で5万通貨単位だし、通常は1万通貨単位で取引を行っている。

FXをはじめるにはどのくらいの元手で始めたらいいですか?と聞かれたときに私は100万円と答えるようにしている。それは、FXの最低ポジション量が1万通貨単位である会社が多いからだ。メインであるドル円がだいたい1ドル100円くらいとして、100万円あればほぼロスカットなしに外貨預金と同じ感覚でFXを始めることができるからである。ちなみに外為どっとコムさんのように1000通貨単位での取引ができる会社もあるので、その場合は10万円からお試しすることも可能である。ただし、やはり100万円の余裕資金が拠出できない場合にはFXをはじめるには向かない、と私は考えている。

「FXには損切りが大事!」とよく言われるが、FXをはじめて10年になってもいまだに私は損切りがうまくできない。FXの目指すところは「損小利大」と言われるが、利益を大きくしようとすると少し利益が出ても利確しないため反転して損失になることや、損失が少し出ても反転を期待して損切りせずに耐えて結局損失幅が大きくなることがある。初心者に適切な損切りなど難しいと思う。損切りがうまくできないことを前提にすると、低レバレッジでの取引が必須となるのである。

低レバレッジでの取引でFXに魅力はあるのか?と聞かれることがある。そういう人はたいていFXをギャンブルのように考えているのである。私にとってFXの魅力は、外貨定期預金と比べて取引コストが安いことと拘束期限がなくいつでも取引できることである。また、売りから入ることもできるため、下落相場においても収益を伸ばすことができることにある。これらをメリットとして取引を行う限り、FXはギャンブルではなく投資の位置づけになると思う。実際に私はここ5年程少ないながらも安定して毎年収益をあげることに成功している。低リスク低リターンが私の目指すところである。

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