生き地獄「強迫性障害」を語る

さて以前にもチラッとお話をしていたかと思いますが今回改めて「強迫性障害」について語っていきたいと思います。

今迄は敢えて語らなかった事ですが色々考えた結果、この病気に苦しめられている僕にしか語れないリアルな体験談やアドバイス等僕の使命があると強く思いました。
強迫性障害に苦しめられている当事者である僕が語る内容で少しでも誰かの役に立てるのなら本望です。

この病気の症状は様々で、大まかに「不潔恐怖」「確認行為」「加害恐怖」等様々です(まだまだ有りますが代表的な症状です)

僕自身の体験から言うとこれらの症状は殆ど経験しています。

まず最初に1番有名な「不潔恐怖」の内容からお話します。
不潔恐怖とは「汚れに対して以上な恐怖心を抱き生活に支障をきたす」といった事です。

中学1、2年の頃から自分の体が異常に汚い様に感じてしまい学校から帰った後など1時間以上も手を荒ったり、シャワーに2時間かかるなど辞めたくても辞めれない状態が続いて毎日が苦痛の日々でした。
これが所謂「不潔恐怖」。

そうなってくると水道料金だって馬鹿にならず、親に申し訳ない気持ちで一杯でしたがやはり気持ちでどうにかなる様な問題ではありませんでした。
試しに無理をして手をさっさっと一般的な時間をかけて洗うとします、ですが頭の中が全てその事で一杯になってしまい何も集中出来ませんでした。
結局それに耐えきれずまた長時間かけて洗ってしまう、そのループが長い間続きました。

そして次に「確認行為」、誰でも家の鍵を閉めたかどうかや火をつけっぱなしにしてないか等心配してしまう事は有ると思いますが、この「確認行為」は完全に自分が鍵を閉めた、火を消したと分かっているものの「もしかしたら閉めていない、消していない」と無限ループで頭の中にその思考が飛び交っていき、人によっては何十回も確認したりする辛い症状です。

今でこそこの症状は弱くなっているものの、僕も学生時代は何度確認しても安心できず辛い思いをしました。

そして最後に過去から現時点までずっと消える事なく僕を苦しめ続けている症状、それが「加害恐怖」です。

この症状が僕の中では別格に辛い、、地獄です。
僕は小さい頃から自分が納得のいく答えが出ないと無限ループ的に思考していく癖がありました。

とても感受性の強い子供だったのでテレビで死刑の特集や犯罪ニュースを目にすると、「何でこんな事が起こるんだろう?死刑が執行される瞬間ってどうなんだろう?僕だったら死刑なんて絶対に耐えられない、、」など当時の僕なんかでは到底辿り着けない答えを延々と考えていました。

一旦その思考に陥ると誰と話しても上の空、今思えば強迫性障害になりやすい素質である生真面目な性質が人一倍強かったのだと思います。

その状態が中学1年の後半、2年の最初あたりに頻繁に起こる様になっていたと記憶しています。
「何で殺人を人は犯すんだろ?死刑ってあっていいの?」毎日そんな事ばかり考えていて勿論勉強は手につきませんでした。

ただ部活で練習を頑張った帰りには気持ちが晴れていて一時的にはその事が頭から離れたりしたので完全に病気になっていた訳ではなかったと思います。

そんな思考を常に巡らせながら生きていた中2のある日、友達と塾に行く途中の事でした。

友達と話しながらふと頭に過った「僕は殺人を犯して死刑になる」という思考が完全に頭に張り付いた感覚がありました。
その瞬間激しい恐怖に襲われ、その時の感覚は「あ、多分この考えはずっと頭から離れない」といったものでした。

いつもと違う何か異常な状態になったのを強く覚えていて、これが僕が後に10年以上苦しむ「強迫性障害」になった瞬間だったのです。

案の定塾が終わった後も「自分は死刑になる、殺人を犯すために生まれてきてしまった」そういった考えがずっと頭から離れず、誰にも相談出来ずにブルブルと震えていました。

今まで以上に勉強が手に付かなくなり、親からして見たらただの怠け者なので激しく叱責された事も多々ありました。
でも僕は勿論受験勉強どころではありません。
図書館に行き殺人鬼に関する本を大量に借りて、自分が犯罪者にならない方法や殺人鬼の理解出来ない点を探して自分がそうならないと安心出来る情報を沢山漁りました。

ただ完全に病気になってしまっているので読めば読むほど不安になるばかり、、犯罪者のこの思考は割と思い当たる所があるな、、とか寧ろ不安は募るばかりでした。

思い切って母親に相談しても「馬鹿な事を言うもんじゃ無い、人を殺す為に生まれてくる人なんていない」

とまあ普通の人が当たり前に返すであろう言葉を放つだけで当然理解してはくれませんでした(この病気を知らなければ当然最初はそうなると思うので恨んでません)
父親との関係は極めて悪かったので相談は出来ませんでした。

誰に話したとしても理解されないと思いひたすら不安になる日々は地獄そのものでした。
そして今現時点でもまだこの「加害恐怖」は僕を苦しめ続けています。

今でこそ周りに相談する余裕は出来たものの不安は一向に消えません、それどころか症状は酷くなり形を変えて襲ってきます。

今の状態は、僕の表情、発言、態度等から相手が不快に思い相手を殺人鬼に変えてしまう恐れを感じてまともに動く事すら出来なくなっています。

「息を吸ったら死刑になるんじゃないか?歩いたら死刑になるんじゃないか?」等と意味不明な強迫観念にも苦しめられてます。

LINEなんて自分が送ったメッセージの影響を恐れてすぐに消してしまいます。

本来僕は「人に対してハッキリと物事は言わないと伝わる事も伝わらない」という考えを持っているので、症状が落ち着いてる時はビックリするぐらいズバズバものを言ってしまうので、周りからすれば「お前が?嘘だろ?」となってしまうのは当然だと思います、それが尚辛いんですがね、、、。

もはや入院出来るぐらいのレベルにまでいってる様な気がしますが何とか苦しみに耐えながら生きています。

如何でしたか?「強迫性障害」の辛さを少しは理解して頂けたでしょうか?
強迫性障害は程度の違いはあれど割合で言うと100人に1人か、50人に1人という高い確率で発症する身近な病とも言えます。

その割にあまり認知度が無い点もこの病気の辛い所だと思います。
誰にも理解されない。

正直僕の感覚で言えば、この病気は良くなる事はあっても完全に無くなるのは難しいと思います。
少なくとも僕は一生付き合っていく覚悟で生きています。

その方が楽というか、、この病気と人生の多くの時間を費やした今はもはやこの病気で無い自分は自分では無い様な感覚さえあります。

「異常に不安を恐れてしまうのは真面目すぎるからだ、もっと不真面目になれ」と何も知らない人は言ってしまいがちですが、世の中真剣に考えなければならない事なんて山程あります。
「死刑」だってそのひとつ、病気になってしまったからマイナス面が大きいですが社会問題に自分事として関心を持てるのは本来とても良い事だと思います。

試行錯誤してどう考えれば症状が落ち着くか、薬を飲んで落ち着かせるか、対策を考える事は大事ですが僕がアドバイス出来るのは「病気と共に生きる事を覚悟する事です」
治そうなんて思わずどうやって付き合っていくか、これが重要だと思います。
治そうとする時点で、もはやこの病気に頭が支配されているので無謀です。

完全に強迫性障害だと高校1年の時に初めて気付いた時から病院で診断されるまでに10年近くかかりました。
どこかで病気じゃ無いと思いたかったので病院には行かなかった、でも保育士として働いていた時に限界を感じ病院に行って診断を受けました。
「強迫性障害」と書かれた診断書を貰った時に心底安堵しました。
「やはり僕は病気だったんだ」そりゃあ辛かったなと自分を労る気持ちも芽生えたし自分が完全に病気だと周りに言える様になったのも大きかったです。

やはり診断書を貰うまでは周りからすれば「考えすぎ」ぐらいに収めてしまうのが現実なので。

まずは病気である自分を受け入れて一生付き合っていく覚悟を持つ。
それをしてみたらこの病気で苦しんでいる人は少しは楽になりますよ♫

僕は昨日ツイキャスで強迫性障害を持つ方と数人話しましたが、その方たちは「理解してくれて凄く嬉しいと口を揃えて言っていました。
「加害恐怖」は内容が内容だけに誰にも相談出来ないと。
それでも分かってくれる人がいる事で安心して頂き、僕もとても喜ばしい思いでした。

認知度が低く誰からも理解されず自分自身ですら自分に何が起こっているか分からず苦しみ続けている強迫性障害の方達が山程いる。
彼らを救っていくのは僕の人生のテーマなんだなと勝手な使命感を持っています。

どんどんこの病気の認知度を広めて、酷い強迫性障害に悩まされながらでも様々な事で結果を残していきます、それがこの病気の方々の希望になるから。

病気を知らない人からすれば、「気持ちの問題」だと言ってしまう方は多いかも知れませんがそれは大間違いなので絶対に言わないでください。

脳内物質セロトニンが何らかの理由で異常をきたして発症する事が分かっています。
言わば脳の問題なんです。
気持ちで何とかなる問題では決してありませんので理解の程宜しくお願いします🙇‍♂️

さあ、苦しみ続けながらでも一歩づつ前に進んで行きましょう、どうしてもダメな時は勿論休んで。
強迫性障害歴12年目の木下こうゆうでした(*´ω`*)

辛いなあ、、、でも生きよう。

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