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井浦新は背負わされがちという話〜レポのようなもの〜

※井浦さんご出演のドラマや映画のネタバレがあります



2024.04.29 とんでもないチケット戦争をくぐりぬけ、下北沢tollywoodに魔法をかけられにいってきた。MIGHTRY ELNESTさんにお邪魔してジンジャーエールを飲み、友人とおっさんずラブリターンズ展で大興奮するフルコース。準備は万端。いざ下北沢へ。

下北沢に降り立つとイメージ通りの人たちがずらり。レッテル貼りは良くないと思いつつ思い描いていた下北沢だ〜〜〜!!なんて感動しながら映画館へむかう。

飲み屋さんに囲まれている。黄色の基調でお手洗いは赤。かわいい。椅子もなんだか映画館っぽくない。いい意味で。

いりぐちからかわいい
パネルがお出迎え

舞台挨拶にはスペシャルゲストの告知があった。当日まで誰がいらっしゃるのかはわからない。映画にまつわる方がいらっしゃるのだろう、と勝手に予想をしていた。ところが予想に反して現れたのは、、、

『Nのために』『アンナチュラル』『最愛』などを手がけた新井順子プロデューサーと、『おっさんずラブ』『にじいろカルテ』『あのときキスしておけば』の貴島彩理プロデューサー。

ええええぇぇぇええ?!!?!!!?!!!まったく予想もしていなかったお2人の登場に大興奮。子供の頃に見た『ラストフレンズ』以来に本格的にハマったのが『Nのために』と『最愛』だった。『おっさんずラブ』については別記事にもしたが今一番私にとってホットで救われた作品であり、そんな作品のプロデューサーが同時に現れた衝撃たるや。


あまりにも嬉しすぎて少し記憶が飛んでしまった。ペンとメモ持ち込みたかった〜〜〜後悔。映画の話をなぞりながら監督について思うことやテドラマとの違いだったりをお話ししてくださるお2人。変わっているけれど愛される監督が多いのはドラマも映画も共通のようで、『止められるか、俺たちを。』を観て若松監督が若松組の方々から愛されていることを強く感じた、とのこと。

井浦さんにとっての若松監督のようにお2人にもそんな先輩がいるか?という話になり新井Pは『VIVANT』や『半沢直樹』の福澤Pを挙げられていた。今は働き方改革でなくなったそうだが深夜にステーキを焼いて食べたりしていたそう。鍋の炊き出しとかもするらしい。井浦さんもおっしゃっていたけれど働き方改革で愛のある叱りがなくなったりするのは寂しさもある、というのはわかる気がする。深夜のステーキも新井Pにとってきっといい思い出なのだろう。働き方改革、いいことなのは前提として、ね。その反動が『不適切にもほどがある!』に現れているんじゃないかと。新井P宣伝の織り混ぜ方が本当にお上手ですごい!貴島Pはバラエティ班育ちということでアメトーーク!の方を挙げられていた。

TBSとテレ朝の違いのお話も普通に生きていたら知ることはなかったと思うので面白かった。テレ朝は報道やバラエティ先行だったためドラマをやりたくても初めからドラマ班には行けずバラエティなどで経験を積むらしい。逆にTBSはドラマ先行の会社だったため他への異動は希望があれば可、と。  

他にもTBSの打ち上げがすごい話(俳優の実家に行ってお風呂に入る映像を撮ったりするらしい)とか、俳優たちはみんなアルファードで現場にくる話(乗り心地がいいのでは?という結論に着地)とか様々な裏話がきけて笑わせていただいた。

時間もないのでせっかくなのでどなたか質問を…!という井浦さんの一声。いつもティーチインのお時間では人前で話すのが苦手、緊張しい、陰キャオタクの三重苦でただ指をくわえて見ているだけだったのだけれど、こんな機会は二度とないだろうと思い意を決して手を挙げた。どうしても聞きたいことがあったからだ。

私は以前から井浦さんは過去に重いものを背負わされた男の役が世界一似合うと思っていた。明確にその理由を説明できないけれどなんとなくそんな雰囲気を勝手に感じていて、ドラマでもそういった役どころが多いような気がしていた。しかも今回のゲストのお2人こそ井浦さんにそういった役を与えている印象があった。だから「制作側も影のある役や愛する人を失っている役など重いものを背負わされた役に井浦さんを意図的に起用しているのか?」を聞きたかったのだ。

緊張しすぎて伝えたい言葉がうまく出てこなくて「井浦さんは未亡人役が多いと思いますが」と咄嗟に口から出てしまった。えーん。おばか。語彙力のないオタクでごめんなさい………。

井浦さん自身も大切な人を失っている役が続いた自覚はあったようで「未亡系俳優の特許取っといた方がいいですかね〜?」なんておっしゃっていて面白かったし救われた。大切な人を失っている役という括りでは一緒でもそのキャラクターごとの生き方が違うというお話で、『虹色カルテ』ではその分笑顔で過ごすことを大事にされていたり、対して『アンナチュラル』では復讐を考えるキャラクターだったり。井浦さんは新井さんと話されて中堂系がもし自分で法廷で高瀬と対峙したらどうするか、と考えた時に「殺す」と思ったそう。だから井浦さんはプロデューサーにも「絶望させてください。」と復讐を敢行するラストを訴えたそう。不幸な結末を望んでいた、と。実際『アンナチュラル』には復讐を実行し犯人を刺した人が存在する。ただ、新井Pは中堂系には踏みとどまって希望を見せてほしいと言われそこからまた考えを変えて演じたと。

すご〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!!!(IQ0)なにそれすご〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!!!!!お2人のプロデューサーはそういった役の解釈などに一緒に向き合ってくれると。井浦さんが台本から感じたことを掘り下げて役をつくっていく中でプロデューサーたちと話してまた解釈が膨らんでいく。すご〜〜〜い!!!!その役の人としてきちんと人生と向き合って生きているからあそこまでの深みが出るんだ。すごいすごいすごいすごいすごいすごいすごい!!!!!!OLRでも「明日も」というさりげない一言に秋斗には来なかった明日だからどの程度の重さで発したらいいかって考えるような人ですよ?!!!?感情の機微に敏感すぎる。すごい。普通気づけないって。すごいよ〜〜!!!!!

貴島Pは「井浦さんの葛藤している姿や笑顔の影に何かあるような芝居での表情を見たくなる」というようなことをおっしゃっていた。同意。同意同意。首がもげるほど同意。あれだけ人物を理解して丁寧に演じてくださるからこそ苦悩している時の表情が胸に突き刺さるのかもしれない。本当に辛そうで本当にもがいていて観ていて心臓がぎゅっとなるような。もっともっと観たいと渇望してしまう。

ニュアンスだが、「何度も背負わされた役をさせてしまって申し訳ないような気持ちもある」というようなこともおっしゃっていて、ああ、やっぱり制作側にもそういった意識は少しでもあったのか〜〜!と嬉しくなった。オタクだけが狂わされているわけではないのだろう。

「どんな役がみたいか」と逆に聞かれ、思わず「それ(背負わされてる役)が見たいんです…!」と答えてしまった。苦しんでいる姿が好き、という性癖はさておいて、本当に苦悩が似合うのだ。そして葛藤や苦悩や絶望だけでなく、そこからどう変わり(変わらない場合も含め)どう生きていくのかという心の動きが見たいのだ。過去を乗り越えて包みこまれていた近くの幸せに気づくのもよし、乗り越えられず怨霊と化すのもよし。全て違って全ていい。これからも是非、色々なことを背負わされて欲しい。

こんな記事を書いていたらクライスラーの『愛の悲しみ』が自動再生されていた。絶望と再生や希望。サン=サーンスの『オルガン付き』やドビュッシーの『雲の上の足跡』なんかも自分の中の井浦さんのイメージだったりする。脱線。



最後にこのようなステキな場をつくってくださった井浦さん、お忙しい中登壇してくださった新井さん、貴島さん、夢のような最高の夜をありがとうございました!


かわちい

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