白衣に憧れる

私は白衣と言えば
医療関係者、科学者などを想像する。

消極的文系
(得意というわけではなく理数が苦手だから文系というやつ)
の私は明らかに理数系だなという白衣は
なんだか憧れの仕事着だ。

ちょっと頼りなさそうな人でも
白衣を着た途端に
なんだかパリっとした感じがする。
気がする。

以前、近くのスーパーで
買い物をしていたときのこと。
普通にスーパー内をうろうろしていたら
あるおじさんと目があった。
そして、そのおじさんは
『あ~、どうも。』
と言って小さくお辞儀をして
去っていった。

一応、私も
『どうも…』
と頭は下げたものの、ずっと
(誰だっけ…?)
と思っていた。

そのあと、
同じくスーパーの客として買い物をしていた
おばあちゃんが、私の疑問を解決してくれた。
さっきのおじさんに
『まぁ、先生!』
と話しかけたのだ。

それで、私もすぐに思い出した。
スーパーがある商店街の、すぐ近くにある
内科のお医者様だった。

風邪をひいたときなど
私も何度かお世話になっている。

私が、何故すぐに気づかなかったのか…
先生が白衣を着てなかったからだ。
白衣を着てない先生は
普通のおじさんだった。

当たり前だ。
仕事をしてる私も仕事をしてない私も
普通のおばさんだ。