愛煙が廃盤になった話
一定以上の年齢の皆さんは「ゴールデンバット」というタバコをご存知だと思う。あの緑色で背が低いタバコのこと。
ゴールデンバットは「旧三級品」という区分(だった)ので、とにかく安くて重いタバコと認識されていたと思う。実際そうだった。しかし不味いタバコ(タバコにも美味い不味いというものがあるのだ)というわけでもなく、実はしっかり濃厚で美味しいタバコだった。
僕はアレが大好きで、数年間あればっかり吸っていたんだが、あれよあれよという間に、両切りだったのにフィルターが付き(このせいで実際の量が減ったし、喫味も薄くなった)、値上がりし、フィルム包装がつき(これは良い判断だったと思う)、値上がりし、旧三級品の括りが廃止になってまた値上がりし、挙句の果てには2019年10月に廃盤になってしまった。(一緒にechoとわかばも死んだ)
R.I.P 1906~2019(享年113歳)
生き返ったが……?
紙巻きとしてのゴールデンバット(と沖縄の「うるま」以外の旧三級品フレンズ)は死んだ。長い歴史もあり、一定以上の人気もあったが、あっけない最期だった。
しかし、echoとわかばは未だに見かける機会が多い。茶色くなったパッケージで。これはどういうことか?まあ、それはご存知の通り、「葉巻(リトルシガー)」にマイナーチェンジして即復活したからである。キリストかなんかか?しかも前より美味しくなった。すごい。
んで、あんまり見かけなくなったゴールデンバット。これもリトルシガーになって復活しているのか?答えは「YES」だ。ただし、北海道専売。
もちろん、僕は北海道が地元なので、「一度は死んだはずの愛するあの上品でレトロな緑色がまだ生きている!!」と喜んで買いに行って、あまりにもケバい紫とミントグリーン?のパッケージにドン引きし、吸ってみて、「やはり僕の愛したゴールデンバットは死んだのだ」と現実に引きずり戻された。信じられないくらい不味い。echoとわかばは「一度死んで蘇った安タバコ界の救世主〈メシア〉」なのに、ゴールデンバットは完全に「死んで半分腐ってたのを無理やり掘り起こしてゾンビとして使役されてる」感じ。最悪。
それからどした
まあ、当然の帰結として、クソ不味いタバコにわざわざ金払って吸うのも馬鹿らしいので、echoシガーに乗り換えました。当然やね。死んだり蘇ったりゾンビになったりNTRれたりメチャクチャだな。
そいで、また既製タバコが値上がりするってんで、きのこづはシャグ(手巻きタバコ)の世界へと足を踏み入れることになるのでした。
To be continued……
豆知識Q&A
Q.なんで旧三級品は無くなったの?
A.もともと、他のタバコよりも税率(ふつうは既製タバコの値段の6割くらい。高え!!)が優遇されてたのが、他のタバコと足並み揃えられたからです。
Q.なんで「うるま」だけ生き残ったの?
A.「うるま」はもとから沖縄専売で流通が少ない上に、地元で熱狂的な人気があるから続投。値段が倍になっても吸い続けるって……愛だね!!
Q.なんで葉巻(リトルシガー)になると安くなるの?
A.紙巻き既製タバコは「1本(だいたい0.5g)あたりいくら」で税が加算されるけど、パイプやらシャグ(手巻き)やら用の刻みタバコや、葉巻は「使われてる葉の1gあたりいくら」で税が加算されるからです。
例 紙巻タバコ 「20本入り」×1本あたり0.5g=10g 「税20単位」
リトルシガー 20本入り×1本あたり0.5g=「10g」 「税10単位」
こゆこと
でもそのうち葉巻も税上がりそうね……
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