昔のアニメと今のアニメ

私は昔のアニメが好きだ。

というのも、小さい頃からケーブルテレビがある環境、チャンネル主導権をもつ父がアニメ好きなことが大いに影響し、私は幼稚園児の頃から「頭文字D」や「攻殻機動隊」「シティーハンター」「ルパン三世(緑ジャケット)」など他にも年齢に似つかわしくないアニメを沢山見ていた。

それじゃあ今のアニメが嫌いなのか、と言われるとそうではない。

今も今でアニメは大好きだし、放送中のテレビ番組よりも録画のアニメを見る時間の方が長いくらいである。

技術が発達し、CGが取り入れられ、アニメがもはや日本の文化の代表として当然のように扱われるようになった現代だが、それゆえにいわゆる「モブ」がCGでの描写が増えたり、アニメ化が貴重であり、50話を超えるものが多かった昔と比べ、人気作品はすぐにアニメ化され、1クール12話という話数の決まった中で放送されるようになった。

昔は放送するアニメの量が少なく、1作品に時間をかけて、力を入れてつくられていたが、今は技術を求められる割に1作品にかけられる時間は少なく、同時進行しているアニメがいくつもある。

クオリティが下がるのは当然である。


近年、昔流行ったアニメの続編やリメイクが話題になっている。

「カードキャプターさくら」「フルーツバスケット」

この二つを例に挙げる。

私はどちらの作品の前作もとても好きだ。


この二つのリメイクで大きく違うのは「カードキャプターさくら」の方はキャストは一切変えない「続編」であり、「フルーツバスケット」はキャストを一新した「リメイクと続編」であることである。

さくらの方はキャストが変わらないということで安心していたのだが、実際に見てみると制作と私自身で大きな解釈違いがあった。

そして作画が綺麗になっているが、私のすきだったカードキャプターさくらはそこにはなく、一話で観るのを諦めてしまった。

こちらはフルーツバスケットについてのノートだが、私も発表があったときはとても不安に思った。キャストがそのままのさくらでだめだったのに、キャストも一新されたフルバを受け入れられるのかどうか。

小さい時にアニメを見たとき、ぜひ最後までアニメ化して欲しい!と思っていたのだが実際変わってしまったものを受け入れられるのかに自信はなかった。

実際に一話を見たあとの感想がこちらの方のノートと近かった。

原作や前作のアニメの雰囲気を大切に新たに作り直されたアニメで、端々に前作ファンへの気配りが感じられ、あぁ、フルバを好きな人が作ってくれているんだなと感じた。

最近リメイク、新作として異例の大ヒットを記録したシティーハンターにも同じ事が言える。昔の新宿の街ではなく、今の新宿の街にキャラクターたちをスライドさせてきたような素晴らしい出来で、EDがシティーハンターといえばの「Get wild」であることは知っていたが、BGMに昔のOP、ED、BGMが詰め込まれるとは思わず、開始5分もたたずBGMで泣いてしまった。

昔のものを大切にしながらも新しいものを少しいれる、というのが絶妙なスパイスとなり、シティーハンターを知らない世代にもウケたのだと思う。

思えば、アニメの実写化などで失敗しているものは新しいものと残すものへの割り振り方がおかしく、新しいものを入れすぎてもはや別物となってしまい、失敗しているように思う。

元ある作品をヒットさせるためには、新規ファンだけでなく古参ファンにも気に入られるように原作をリスペクトし、尚且つスパイス程度の新しいものを取り入れることが成功への鍵ではないかと思う。