FakeRiftクラウドファンディングのためのメモ

手作り3D VRゴーグルFakeRiftオーナー募集

 Oculus Riftの発表により、2013年からVRゴーグルの何度目かのブームがはじまりました。先日、SONYもPS4用のVRゴーグルを計画しているという発表がありました。
 ゲーム業界を中心に、誰でも自宅で3D VR空間の体験ができる時代が訪れつつあります。

3D VRの面白さは経験してみないとわからない

 3D VRの面白さは、実際に体験してみないとわかりません。言葉で伝えるのは難しい経験です。しかし、それを実際に体験しようにも、開発者向けのOculus Rift SDKは36,000円ほどしています。さらに、動作には別に高性能のPCが必要です。
 有志によるOculus体験イベントOcufes ( http://www.ocufes.jp/ )なども行われていますが、開催は東京か大阪に限られていて、体験の機会は多いとはいえません。

3D VRの魅力はアプリケーションが開く

 3D VRの魅力は、デバイスではなく、アプリケーションが開くものです。アプリケーション開発者を増やすためには、3D VRを手軽に体験できる、自分で1つ手元に置くことのできる安価な3D VRゴーグルが必要です。
 そして何より、3D VRは、実際に体験してみないと、アプリケーションの可能性に気が向かず、アプリケーション開発のモチベーションも湧きません。

メガネを外せ?

 3D VRグラスの体験をしようとすると、「メガネは外してください」ってこと多くありませんか?
 自分がメガネをかけているので、このような場合はとても残念な気持ちになります。せっかくの画面が見えないことも多々あります。
  メガネ利用者にメガネを外というのは、3D VRデバイスとしては、存在価値がありません。

なんで線ついてるの?

 これまでの3D VRゴーグルは、なんだかゴーグルに線がつながっていて、その先には高性能のPCが付いていました。
 ヒモ付きのVR体験。それって行動の自由がないじゃないですか? 仮想現実の世界にいるのに、気がついたら、どこからか引っ張られている気配を感じるのです。これはとても残念。
 VR体験するのであれば、できればヒモ付きでない経験をしたいものです。

メガネでも使えて、線のない、安価な3D VRゴーグルを

 手軽な3D VRとして、Android端末を利用すれば、このような線とはオサラバできます。
 Android端末には、加速度センサ付いています。電池も搭載されているので、線なしで独立で動きます。比較的安く購入できるので、皆さんすでにお持ちだということも多いでしょう。

 同様のアイディアは、2012年あたりから、世界中でたくさん出てきています。
 DIYでの自作はもちろん、5インチ程度のスマートフォンを使った簡易的な3D VRグラスのプロジェクトでは、昨年は、以下の2件のクラウドファンディングがありました。

 ・「スマートフォン用ポータブル・VRケース」
 ・"vrAse: The Smartphone Virtual Reality Case" 

 海外では、市販品もあります。

 ・Durovis Dive 
 ・REFUGIO 3D http://www.refugio3d.net/

 しかし、自分で試してみたところでは、5インチ程度の画面サイズと、小さなレンズでは、仮想空間への没入感を十分に得ることができませんでした。

 そこで、7インチタブレットと、大口径のレンズを使った3D VRゴーグル、FakeRiftを作ってみました。材料は、誰でも安価に入手できる100均で売っている商品を使っています。

 日本Androidの会の主催する、ABC2014 springにて展示し、120名ほどに体験してもらったところ、とても好評で、「作り方など公開していないのか?」「組み立てのハンズオンをやる予定はないか?」「1つ買いたいのだが」などのお問い合わせをいただきました。
 その場で、作り方の説明を行い、いまのところ入手できる部品の違いによって現物合わせになってしまうことなどを説明すると、中には熱心に完成品の写真を撮影していく方もいましたが、諦めてしまう方が多くいらっしゃいました。
 そこで、クラウドファンディングを利用して、希望者にFakeRiftをお届けすることにしました。

FakeRiftは、どう使えるのか?

・OpenDiveなどで使うためのAndroidアプリがいくつか公開されていますので、それで遊ぶことができます。
・Youtubeなどで公開されている、Side by Side形式の3D動画コンテンツを見ることができます。
・自分でアプリを作ってみてください。ツールとしては、Unityなどが使えます。

 開発に興味がなくても、3D VRを体験してみたい方には、遊んでみるために十分なコンテンツが用意されています。

 OpenDive向けとして登録されている無料のコンテンツをいくつか紹介します。

- Dive Unity Demo
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.divegames.diveDemo
Unityプラグインを使ったデモアプリです。キューブが転がっている平面を見渡せます。対象は動かないので、3D酔いも少なく、体験向きです。画像のfps表示がでますので、端末の描画能力を測るのにも使えます。

- Dive City Rollercoaster
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.divegames.divecitycoaster
ジェットコースター。シミュレーターです。街の真ん中にあるので、ダイナミックな景色の変化が楽しめます。勝手に動いていくので、結構酔います。

- Dive Deep
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.divegames.divedeep
水中を探索できます。クジラやイルカ、サメなどが通り過ぎ、ダイビングの気分を味わえます。自分の位置は変化しないので、あまり酔いません。薄暗い青い空間の中から、魚達が浮かんでは消えてゆきます。

- The Height Demo
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.divegames.theheight
探検ゲームです。スタートすると視線の方向に動き始めます。不安定な足場を通って、途中のアイテムを獲得してゆきます。

- Dive Launcher
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.divegames.launcher
divegamesのアプリケーションたちを、視線を使って起動するランチャーアプリです。ハンズフリーでアプリの切り替えができ、divegames仕様で作られたケーム内では、非常口アイコンを見つめることで、このアプリに戻れます。

- Dive Wings
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.divegames.wings
翼を付けて、高い崖の上から飛び降ります。視線で姿勢を制御して、空中散歩を楽しみましょう。失速して墜落したり、山肌に衝突しないようにしてください。

- BubbleCars
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.divegames.bubblecars
レースカーを視線で操って、コースを回ります。ちょっと操作が難しいです。

- Jet Sprint https://play.google.com/store/apps/details?id=com.FabulousPixel.JetSprint 峡谷をジェット機で通り抜けます。視線でジェット機を制御して、途中で燃料を補給しないと、失速して墜落してしまいます。

- Tuscany Dive
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.FabulousPixel.TuscanyDive
トスカーナ地方の家と庭を散策できます。画面にタッチすると、いろいろなイベントが起きるようです。足元のマークを見ることで移動モードと静止モードを切り替えできます。

 - Durovis Dive Volcano VR Demo https://play.google.com/store/apps/details?id=com.JanRaacke.DiveVulcanoVRDemo
火山の景色のなかを散歩することができます。

- SimpleFPV
https://play.google.com/store/apps/details?id=de.mobile2power.simplefpv
別に用意したスマートフォンのカメラを使って、擬似的な立体視を表示します。ラジコンにのせてリモコンを握れば、ミニチュアのドライブができます。

- Dive World
https://play.google.com/store/apps/details?id=biz.buelter.viewr 浜辺から出発し、海の中に歩いてはいっていきます。海の中にはクジラが待っています。

- VR Space Walk https://play.google.com/store/apps/details?id=com.JanRaacke.SpaceWalk
宇宙飛行士の無重力体験。スペースシャトルから離れて、宇宙遊泳を楽しみましょう。移動にはジョイスティックなどが必要です。

- VR StarTrooper Arena Fly
https://play.google.com/store/apps/details?id=de.locovr.vrstartrooperfly
古代の遺跡を飛ぶ宇宙船の展望台から外を見渡すことできます。Unityのサンプルゲームを3Dで楽しめるようにしたものです。

 - VR Run!
https://play.google.com/store/apps/details?id=de.locovr.vrrun
走りながらコインを集めましょう!移動にはジョイスティックなどが必要です。

 - VR MoonWalk
https://play.google.com/store/apps/details?id=de.locovr.moonwalk
月面散歩もできます。失くした道具を探して、着陸船に持ち帰りましょう。移動にはジョイスティックなどが必要です。

- VR Toilet Simulator https://play.google.com/store/apps/details?id=de.locovr.vrtoiletsimulator
トイレにだってはいれます。ほんとうに用を足してはダメですよ。  

- Hang Gliding
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.iphodroid.deltaplanne
ハングライダーを操って、空中散歩を楽しみましょう。

プロジェクトのゴール

 このプロジェクトは、クラウドファンディングで何かを開発する資金を集めようというものではありません。
 安価で実用的なVRゴーグルの実現性を示し、それをサンプル供給することで、自作VRゴーグルの普及をはかり、ひいては3Dアプリケーション開発者を増やすことを目的としています。

 また、有線でPCなどの外部機器と接続なしに使用できる3D VRゴーグル環境の提示と、メガネをかけたまま使用できる3D VRゴーグルの重要性についてもアピールするものです。

本体仕様:

外寸:
重さ:
材質:
※量産試作での概寸です。外寸、重さは多少前後する可能性があります。

注意:FakeRiftの使用には、別途Nexus7(2013)が必要です。
 Nexus7(2012)での評価は行っていませんが、恐らく使えると思います。
 それ以外のタブレットについては、加速度センサの問題などで、うまく使用できないと思われます。

 Nexus5対応のFakeRiftを希望の方がいらっしゃいましたら、個別にご相談ください。やや没入感は削がれますが、FakeRift第六世代で対応実績はあります。

支援内容:
 FakeRiftオーナーになった方にはFakeRiftを、缶バッジのオーナーになった方には缶バッジをお送りします。
 プロジェクトは、プロダクション・ファンディングを採用しましたので、目標金額の達成と無関係に、プロジェクト予定期間満了後には、ご支援いただいた金額については自動的に引き落とされます。

・FakeRiftサポーター
 1,000円 無制限
 FakeRiftの写真をあしらった、32mmの自家製缶バッジを3個進呈します。
 バッジは業務用の機材を使用した私の手作りです。
 デザインのセンスはないので、恐らくダサいものになると思います。

・自分で作るFakeRiftオーナー
 2,500円 無制限
 FakeRiftを作成するために必要な手順書とパーツセットをお送りします。
自分で作ってみたいと思われる方のためのキットです。作業には、接着剤、ホットボンド、カッターナイフとそれらを使った作業が必要になります。

・FakeRiftオーナー
 3,000円 無制限
 100均パーツで作成したFakeRift第9世代と同じものを1つ進呈します。
手作りですので、品質面での多少の問題はご容赦ください。
 FakeRiftの写真をあしらった、32mmの自家製缶バッジを1個進呈します。バッジは業務用の機材を使用した私の手作りです。デザインのセンスはないので、恐らくダサいものになると思います。

・FakeRift次世代機開発支援オーナー
 10,000円 無制限
 100均パーツで作成したFakeRift第9世代と同じものを1つ進呈します。手作りですので、品質面での多少の問題はご容赦ください。
 FakeRiftの写真をあしらった、32mmの自家製缶バッジを1個進呈します。バッジは業務用の機材を使用した私の手作りです。デザインのセンスはないので、恐らくダサいものになると思います。
  残った金額については、次世代機の開発の資金として使わせていただきます。100均パーツではなく、より高価な素材や3Dプリンタ、ファブレットなどの軽くて視野の広いAndroid端末を使って、より見やすく利用者の没入感を邪魔しないFakeRiftの次世代機の開発や、予定しているアプリケーションの開発に活用させていただきます。特にセンサへの反応のチューニングは、VR酔いを防止するのに重要なポイントになるのではないかと考えています。

・イベント出展支援オーナー
 10,000円 無制限
 100均パーツで作成したFakeRift第9世代と同じものを1つ進呈します。手作りですので、品質面での多少の問題はご容赦ください。
 FakeRiftの写真をあしらった、32mmの自家製缶バッジを1個進呈します。バッジは業務用の機材を使用した私の手作りです。デザインのセンスはないので、恐らくダサいものになると思います。
 残った金額については、イベント出展の際にプロジェクタや表示用アダプタ、予備の機材などの購入にあてさせていただきます。

想定されるリスクとチャレンジ:

 FakeRiftのパーツ原価は100均を中心に1000円程度です。梱包、送料、作業費程度の金額に設定しています。
 私は、あまり器用なほうではなく、手作業での製造になるため、VRゴーグルの出来具合は、正直よいものとは言えません。しかし実用性は十分にあります。

 部品の調達リスクとして、100均のパーツで作成するため、想定していたパーツが製造中止や入手困難になる可能性があります。可能な限り同等の代替え品を手配して使用します。部品調達の都合により、納期に遅れが生じたり、使用部品が変更される可能性があります。問題が発生した場合は、支援者の皆様には、逐次連絡を差し上げます。

 技術的なリスクやチャレンジは、特にありません。実働品はすでに作成済みで、多くの人へのデモも、ABC2014Spring会場にて実施済みです。おおむね好意的な反響をいただいています。

最後に:
 そもそもFakeRiftの開発は、ABC2013AでJAG香川支部の方が展示されていた、お手製のゴーグルでメガネをかけたまま使えなかったことからはじまりました。
 お財布の都合で、OculusRiftが購入できない私にとっての、100均ソリューションでしたが、試行錯誤でOculusが購入できるくらいにはお金を使ってしまっています。最近では、より広く明るい視野を目指して、カメラ用のクローズアップレンズを使った試作も試みています。

 とりあえず、noteで投げ銭乞食でもしてみるということで。(成果なかったのでやめた...)

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