SLN第四弾「Theme of Memory」から「The Planeterium」までについて

セルフライナーノーツ第四回は3stアルバム『Pastel*Planet 0.03-Guardians of ego』から、前半の四曲を解説しようと思う。

【「Theme of Memory」について】
この曲は「サルトメモリア」と同様に「とある物語」の一つのテーマとして制作したものである。同じフレーズを繰り返すバリエーション的な曲であるが。それはこの物語のテーマや、ストーリーにリンクしている。そこらへんは、また今後にこの物語を発表するまで、楽しみに待っていていただきたい。
また、この曲は何度も変拍子が入っている。初めは3/4拍子であるが、途中で5/8拍子に代わり、そしてまた3/4拍子に戻る。そんなことを二回繰り返している。これは完全に私の趣味である。

【「うたはねむる」について】
これは昨年9月に公開した「習作-初音ミクの増殖と分解(URL:https://sp.nicovideo.jp/watch/sm33799696)」のヴォーカルパートに、シンセサイザーの音を加えたものである。歌詞については、現代の散文詩をイメージし、その上で非常に抽象的なものになるよう意識した。歌詞を見てもらうと、始めは「ぼくはゆめをみてる」だったのが終わりでは「わたしはうたう」となっていて、一人称が変わっているのが分かるだろう。それについては……まあ言ってしまうのは野暮だろう。
音楽については、非常にシンプルである。サイン波をもとにした音で2声の和音を作り、それに単音でほんの少しだけメロディを加える。それにヴォーカルパートを加えただけだ。そしてそのヴォーカルパートは、1つのフレーズにボーカロイドのパラメータを僅かに変えてある2つのトラックを用意して、それを左右に配置している。それはさながら、ヴォーカルアンサンブルのように機能していて、この曲の独特な雰囲気を生み出しているだろう。

【「ねぇ、オルガ」について】
これはかのシャンソンナンバー「オルガ」をもとにして制作したものである。私が初めてその曲を聴いたときに、ふとこの曲のサビのフレーズとメロディーが頭の中に浮かんだのだ。
そしてこの曲は、その雰囲気から、ヴォーカルは巡音ルカしかないと考えていた。初音ミクや、鏡音リン・レンではポップ過ぎる。でも、他の人間味溢れるようなボーカロイドを使うのも何か違う。そこで、その中間あたりに立つ巡音ルカに白羽の矢を立てたのだ。
幸い、完成時期が巡音ルカ10周年に近かったので、uotaK氏にイラストを依頼し、動画を制作して、1月30日に投稿した(URL:https://sp.nicovideo.jp/watch/sm34539790)。因みに、今回のドラムは「サルトメモリア」に比べ、比較的簡単である。

【「The Planetarium」について】
これは「グッドバイ・サマーライツ」と同様に、パソコンで作曲を始める前に、ピアノで作曲したものだ。今回はそのピアノにシンセサイザーパートを加えてある。
この曲のイメージが浮かんだのは、それこそ、プラネタリウムを見た直後で、当時メロディを思いついたとしても、それを記録しておくすべがなかったので(当時はまだ紙に楽譜を書くことが、私の技術的にできなかった)、家に帰って急いでピアノを弾いて音を確認したのを覚えている。
シンセサイザーについては、同じ部分の同じような音のものでも、僅かに設定の違うものをいくつも用意して、別々に演奏データを入力した。その微妙な違いはおそらくこの曲の聞きどころの1つだろう。

(次回へ続く)

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