天皇賞(春)予想

●馬場状態と舞台設定
まずは昨年の話から。
京都競馬場改修工事のため阪神外→内回りコースになった春の天皇賞。
昨年のラップはこう

12.8-11.3-11.7-11.9-12.1-11.9-11.8-12.1-13.1-12.6-12.1-12.0-11.9-12.1-12.3-13.0

京都開催なら2週目にあたる芝コースだが、今年も阪神12週目。
かなり踏まれて硬く荒れた馬場になっている。
先週のマイラーズCでもわかるように、うちはほぼ伸びず、ホウオウアマゾンやソウルラッシュが通った10分ところあたりの芝はいい。
小回り適性も問われる阪神3200mは、芝状態を意識してスタミナロスを最小限に走れるレース構成、騎手スキル、血統をバランスよく予想する。

●レース展開
逃げるのは◎タイトルホルダー
セントライト記念のように揉まれる形は絶対に避けたいし、逃げたレースは3戦3勝。
同阪神競馬場3000mの菊花賞を逃げ切ったように、勝てるレース展開に持っていくならば、16番でも距離不安を考えずに逃げの一択。

その菊花賞のラップは

12.5-11.1-11.5-12.1 -12.8-12.6-12.8-14.3-13.1 -12.6-12.4-11.7-11.5-11.4-12.2

昨年春の天皇賞と比較すると

12.8-11.3-11.7-11.9-12.1-11.9-11.8-12.1-13.1-12.6-12.1-12.0-11.9-12.1-12.3-13.0

菊花賞はタイトルホルダーが8-9区間を緩めたため、後続馬がここぞと殺到する、しかしここで脚をためたタイトルホルダーはそのままラスト5区間を流して圧勝。

対して昨年の春の天皇賞、ディアスティマの作った流れる前半のラップから、ハイペースのような展開に。タイトな内回り合流点から既に外を意識した騎手が多い隊列になり、番手追走のカレンブーケドールが早めに先頭、早く仕掛けて進路を確保したディープボンドが抜け出し、その外から勝ち馬ワールドプレミアが差し切った。
この時も、馬場10部ところ、ディープボンドとワールドプレミアが通った辺りから外が一番伸びるラインでもあった。

今年は、前半予想ラップからも、去年のような展開にはならないと考える。前半は間違いなく、菊花賞の再来と言えるレース展開になる。内回り合流点でのディープボンドがどの隊列にいるのかが最大のポイント。

●騎手能力
-和田騎手は、これまでのレースで組み立てるレース展開癖からも、有馬記念のような極端なインには付けないだろう。大外および現在の阪神馬場的にも、外目で控える。もちろん他馬も同じようなコースを取るが、そこは自力差で前がよれれば確実に伸び脚を使えるし、その展開なら、タイトルホルダーを容易に交わしきる。しかし、◯ディープボンドとタイトルホルダーが対決した有馬記念は、パンサラッサがレースを作ったため、力関係は度外視できる。

阪神大賞典の前/後半ラップ
13.0-12.0-12.6-12.6-12.9
11.9-11.6-11.6-11.5-12.4

菊花賞の前/後半ラップ
12.5-11.1-11.5-12.1 -12.8
12.4-11.7-11.5-11.4-12.2

有馬記念の前/後半ラップ
6.9-11.3-11.6-11.5-11.9-12.5
12.4-12.4-12.2-12.0-12.5

これでは能力比較の材料にはなり得ない。
また、番手につけたとはいえ、2000m地点ではパンサラッサが逃げ切るように見えたレースになったため、"タイトルホルダーは内回り合流地点で脚を使ったのに加え、和生騎手が早めに仕掛けたこと"、"4コーナー手前でペルシアンナイトが外に出して前が開いたことでディープボンドはそのまま進路を取れたこと"を考えると、有馬記念の順位がそのまま能力順とは言えない。
タイトルホルダーよりも外枠になった今回では特に、ディープボンドは普段よりも1団後ろに付けることになる(基本的に5番手以内、恐らく今回は8番手辺り?)。したがって、レース展開としては、阪神大賞典と同じ形を取るだろう。じっくりと溜めて、前が緩んだところに仕掛ければ、楽々と先頭に躍り出る。
また恐らく稍重で時計のかかる馬場(和田騎手の稍重成績 勝率8.1% 連対率16.9%)。騎手能力としても、渋った馬場では負担の少ないレース運びをより意識するため、一層うまく乗る。
しかし、和田騎手には早仕掛けの癖がある。菊花賞のようなラップとなれば早仕掛けをするし、大外枠なら尚更。当たり前だが、ロスなく脚をためながら逃げられるタイトルホルダーと、馬場のいいところを通りながらだが、理想より1隊列後ろかつ少し距離のロスを被るディープボンド。
自力が同程度なら、前者に部があるのは自明。

-対して横山和生騎手。有馬記念では大外から2番手につける騎乗。まず結論から言うと、スタート直後の3コーナー入りが5着の全て。完璧に乗ったが、中山2500mで16番枠からのこのロスは大き過ぎた。今回は同じ16番だが、1周目は外回りコースとなる。そのため、有馬記念のように無理矢理前に行かなくとも、マイペースにハナを切れる。他に逃げ馬もいないですからね、揉まれないリスクを考えると16番は好枠。
和生騎手はG1騎乗こそ少ないが、逃げが上手い(5年勝率17.8%, 連対率25.6%, 単回収率188)。私見の和生騎手の特徴としては、外目からの隊列への入りがとてもうまい。大外からの有馬記念でも、番手につける入りは絶好のタイミングで(コーナーに差し掛かり隊列が決まる直前)、一番スムーズかつ理想のポジションを取った。今回、逃げの手に出る際に、このポジショニングは重要で、いかに揉まれず前に行けるか、有力馬にマークされないか、"無駄な脚を使わないか"をやっているこの兄弟は、レースセンスが本当に高い。逃げれば、前走のような焦りもなく、マイスローペースに逃げれるであろう。
懸念点としては、人馬共に3200mへの距離不安。タイトルホルダーはロスなく回っても最後は脚が上がる。メンバー的にも菊花賞のように13s後半-14sの緩みを連発出来ないから(1回は挟めても連続すると並ばれる危険性が高いため、中間でリスクは取らないだろう)と考える。
また和生騎手は2600m〜の長距離レースに乗った経験が2020年より9回のみ、いずれも馬券になっていない。馬質の問題もあるが、勝てる超長距離ラップというものを経験していない。

とはいえ、やはりこの2頭が抜けているのは自明であるが、想定オッズほど2頭の差はない。となれば、騎手のレース構成/仕掛けのタイミング/コース取りで1-2着が左右されるだろうと考え、2頭の折り返しを組んでみる。

3着候補を考える。

●馬場状態および血統から考えるに

まず筆頭は、▲マカオンドール
ゴールドシップ産駒に英国血統。
前走、スローペースかつ上がりのかかる馬場コンディションだった阪神大賞典で、34.8の上がりでハナ差4着。勝ち馬は格が違うレースをしたが、4角9番手からの伸び脚は2着以下の馬の中でも秀逸している。時計のかかる馬場かつ、タイトルホルダーの逃げによるスロー展開で、同様の脚が使えれば。
阪神得意の松山騎手乗り替わりもプラス。

次に、△1シルヴァーソニック。
オルフェーヴル産駒のトニービン持ち。
スタミナ抜群の血統に、トニービン持ち特有の長く使える脚をもつ。先行してかつ長い末脚をもつこの馬も、タイトルホルダーが逃げた展開では利を受ける。
鞍上の川田騎手こそ長距離成績は良くないが、目標となる逃げ/先行馬がいる本レースでは、先行しつつ脚を溜めて、馬場の良い場所に出して粘れる。

最後に一頭は穴で、⭐︎1 マイネルファンロン。
ステイゴールド産駒に母父ロージズンメイ。
ご存じ、大器晩成型の代表血統。
新潟記念での後方からの大外一気、AJCCでの大捲りなど、展開利の多い競馬をするが、本レースではそれが狙える可能性が高い。
1-2着馬には、よほどの利がないと届かないと思うが、その他のメンバーのみでレース構成を考えた場合、マカオンドール同様に、時計・上がりのかかる馬場なら、一発を期待できる。
しかし、懸念点は初の3000m超、G1。かつ、松岡騎手。松岡騎手、、、松岡騎手、、、。徹底した後方待機をしそうで、完全に展開待ちになる。
この人気で1-2着折り返し固定なら買って損なし。
オッズ妙味で買います。

他、
-コースから △2 アイアンバローズ
-馬場から △3 ダガノディアマンテ
-血統から △4 クレッシェンドラブ
-お告げで ⭐︎2 ユーキャンスマイル
⭐︎3 ディバインフォース

●買い目
三連単 16⇆18→1,5,17 6点各400円
三連単 16⇆18→3,4,8,11,15 10点各100円
馬連 16,18-5 各500円
16,18-17 各300円
2400+1000+1000+600=計5000円

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