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Vol.5百花繚乱編第1章後編感想:乙女よ、好きな服を着て生きていけ!


遅ればせながら読みました。前編は配信されたタイミングで読んだんだけど、それがかなり好きな感じで自分の中で逆にハードルがあがっちゃって時間も気持ちも充分な時に読みたいなと思っているうちにズルズルと。テキスト読む系のゲームってそういう付き合い方のこだわり(ほとんどの場合怠慢なんだけど)というか、自分のチンタラしたリズムをいかに尊重できるかがうまく追いかけていけるかの分水嶺になっている気がする。以上言い訳でした。

以下感想。※当然ネタバレあり
今回の話で個人的にすごく好きだったのが「素の自分より大切な作り物の自分」、「他人の中にいる自分もまた自分」みたいな切り口。
ユカリちゃんが勘解由小路家のお嬢様ではなく百花繚乱のユカリであること、ナグサちゃんの中の素の自分とは乖離している副委員長のナグサであり続けること、それを肯定してくれるストーリーが嬉しかった。
そしてそれがユカリちゃんが巫女の装束を脱いで百花繚乱の青い羽織を纏って出てくる演出で象徴的に表現されるのも良かった。ブルアカの生徒の中でもユカリちゃんは個人的に特に「乙女」という表現が相応しい、そうとしか言いようがないと感じた女の子なのであの演出がより際立って見えたかなと思います。
ファッションの話だと思った。特にティーンの女の子にとってファッションって魂だと思うしそういう話が好きなので、ユカリちゃんがもう一度羽織を着る姿、ナグサちゃんが泣きながら羽織を握りしめる姿に「そういうもの」を勝手に感じて最高にアガりました。やっぱりさ、女の子(老若男女問わない魂の概念)は誰でも好きな服着て生きていくのが一番いいよ。そしてずっと着続けたのなら、それこそが魂の輪郭だよ。(今後の話で全然違う流れになるかもしれないけど笑)

オタクをしている中で「自分の意思でこうなりたいと思って実現した自分」の方が「そうでない(一般的に素みたいな表現をされる)自分」よりある意味ずっと自分らしいんじゃないかと思う瞬間が常々あり、けれど巷では後者の方が本物であり価値があるとされる場合が多いので、そうなりたいと願ってその通りに演じ続けてきた百花繚乱の副委員長のナグサちゃんはちゃんと「本物」だと、私が熱弁するよりずっとサラッと自然に先生が思っていてくれたのが嬉しかったな。いい人間であろうとして実際にいい人間であり続けたのならそれはいい人間だし、格好つけたくて格好つけている人間は絶対格好いい。それを先生が伝えてくれて嬉しかった。

話の規模は違うけど個人的にはスイーツ部のイベント(レイサちゃんが出てくるやつ)を思い出しました。この「話の規模がどんなに大きかろうと小さかろうと根幹は乙女の悩みの延長線上」という作風がブルアカのとても好きなところです。逆に言えば乙女の悩みが広がりに広がって宇宙規模にもなるようなところが好きとも言える。クソデカつよつよ乙女。それがいい!

あとダメなオタクの例えすぎる感想だけど書いとかないと嘘になるものとしては、他の章にも思ってるけど今回は特にユカリちゃんを見ながら「(あんスタの)旧1年的魅力だ……」と感じたりもしました。Knightsとかさくんみたいな、fineと桃李くんみたいな。好きですね……

他では
①既出キャラ(忍研、修行部、お祭り運営委員会など)がいい感じに出てくる
 →みんなよかったね〜〜。特にシズコちゃんの人の良さとツバキちゃんのあたたかいけど静かな眼差しがすごくよかったのと、頼りになる忍研というオタクみんな好きなやつがしっかり盛り込まれてて名脇役揃いという感じでよかった。
②ニヤちゃんが思ったよりずっと刺さった
 →今回、特に途中での動揺した様子や最後のシーンで内面の真面目さが見えて一気に引き込まれてしまった! かわいい! もしかしたら彼女もまたなりたい自分を演じているひとりなのかもしれないね。いいね……。正直(魅力は理解しつつも)好みのタイプって感じではなかったんだけど、「実装されたら回しちゃうな〜〜」のところまで来た感じがする。今後の更新で印象変わっていくかもしれないけどそれも含めて知れるのが今まで以上に楽しみになりました。

とりあえず1番好きだった部分について書けたからこれくらいにしておこうかな。これくらいの量で今後も読んだものに関しては低めのハードルで書き残していきたいな。

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