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ヴィジェイ・アイヤーという、とんでもない鉱脈を掘り当ててしまったことについて!

あなたは、ジャズ・ピアニストのヴィジェイ・アイヤーをご存じだろうか。
オイラが初めてその名と音楽を聞いたのは5年ほど前、今はなき名物ラジオプログラム「菊地成孔の粋な夜電波」でのことだった。

菊地成孔がその時なんと喋ったのかは忘れてしまったけど、どうやらヴィジェイ・アイヤーというピアニストはすごいらしい。しかしながらその時、正直オイラは、ヴィジェイ・アイヤーの音楽にピンとこなかった。

そのころはAppleMusicも始まる前だったんで、オイラはさほど色んなジャズを聴いていたわけではなかった。

ご存じのように音楽に対する耳は更新されてゆく。正確には脳が更新されてゆくわけだけど、このころオイラの耳はヴィジェイの音楽に対して開かれていなかった。

AppleMusic に加入してから、急速にジャズおよびその周辺音楽を聴きかじる毎日が始まる。そんななか何度かヴィジェイ・アイヤーにトライしてみた。

その都度、ん〜よく分からん、小難しい、頭が痛くなりそうだ〜と陥落。

しかしながら、オイラもだいぶしつこい。
つい先日、性懲りもなく再再々チャレンジをした。ヴィジェイ・アイヤー2005年のアルバム『Reimagining』だった。

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驚いた!
いきなりヴィジェイ・アイヤーのピアノが、すーっとオイラのなかに入ってきた。いやピアノだけではない、サックスもベースもドラムも。彼らの音楽が突然輝きを放ち始め、オイラを圧倒する。

まさしく、なんじゃこりゃー!体験

いきなり彼らの音楽が明解な形をとって目の前に現れたのだ!
というのは、ウソでよく分からないということは、以前と変わない。

でも、その分からなさが、未知のものとの遭遇というか、
ワクワクして心躍るものとなったのだ。

自慢ではないが、オイラは楽曲の分析とか出来ない。
彼らの音楽のどこがどう新しくて、それがどうオイラを揺さぶるのか。
あるいは、他のジャズマンとどう違ったことをやっているのか、残念なことに解説は出来ない。

でも、彼らの発する音、空間、音楽が、刺激的で仕方がないのだ。
何をやりたいのか、次の瞬間どんな展開になるのか、何を言わんとしてるのか、皆目見当がつかない。なのに次が楽しみで一瞬一瞬目(耳が)が離せない。

これまで聴いてきたピアノと、あるいはジャズと明らかに文法が違っている。それが「めんどくさそ!」とならないで、「もっと聴かせてくれ」となってしまう。

これまで聴いたときに石ころだと思ってたものが、じつはダイヤの原石だったみたいな。そんな驚きに、大変興奮してて、とんでもない鉱脈を掘り当ててしまったことが、うれしくてしかたがないのだ。

オイラが今聴いて興奮しているアルバム『Reimagining』は、2005年のものだから、すでに15年近い過去のものだ。その後、どれだけヴィジェイ・アイヤーが進化していったのか、想像するだけでヨダレが出そうだ。

とんでもない鉱脈は、オイラの目の前に眠っている。
しばらくは、ヴィジェイ・アイヤー漬けの日々になりそう。
楽しくて仕方がない。


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