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「新型コロナから身を守る「免疫力」、その驚くべき仕組み」

2021/05/16



TONOZUKAです。


新型コロナから身を守る「免疫力」、その驚くべき仕組み


以下引用

 新型コロナウイルスなどの病原体から身を守る上で欠かせない、私たちの体の免疫機能。だが、その働きを正しく理解している人は果たしてどれだけいるだろうか?
 私たちは日ごろ免疫の働きを意識することなく生活しているが、体の中では免疫に関わる細胞があの手この手で病原体と戦っている。免疫学の第一人者、宮坂昌之さんによると、免疫をうまく働かせるためには、免疫の働きの正しい理解が欠かせず、そうした「情報のワクチン」が私たちを病気のリスクから守ってくれるという。宮坂さんが語る、免疫の驚くべき仕組み、そして免疫を活用する生活のコツとは――。



「免疫といえば抗体」という考え方は古い

 新型コロナウイルスに関するさまざまなニュースが連日流れる中、自分は大丈夫だろうか、と不安に思っている人は多いだろう。誰だって怖い感染症は避けて通りたいし、万一かかったとしても軽症で済んでほしいと願うもの。そこで多くの人が頼りにするのが、「免疫」の力だ。


 免疫とは、「疫(流行する病気)を免れる」という文字の通り、ウイルスや細菌などの病原体から体を守るシステムのこと。コロナ禍で頻繁に見聞きするようになったのが、この免疫という言葉だ。


 同じウイルスに同じように接しても、感染する人としない人がいるのはなぜか。感染しても、発症しない人、軽症で済む人、重症化してしまう人に分かれるのはなぜか。その理由は、その人の持つ「免疫力」の違いにある。では、こうした感染症に対する免疫力を高めるにはどうすればいいのだろうか。

 「〇〇を食べると免疫力が強くなる」という噂を聞いて、話題の食品を食べてみたという人も読者の中にはいるかもしれない。少しでも体にいいことをしたいという気持ちはよく理解できる。しかし残念ながら、「これさえ食べておけば、絶対に病気にならない」というほど、劇的な効果を持つ食べ物は存在しない。

 大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授の宮坂昌之さんも、「それ単独で免疫を増強させる食品やサプリメントは皆無に近いと思われます」と話す。宮坂さんは、新型コロナウイルスと免疫の関係についてテレビなどのメディアで数々のコメントを寄せてきた、免疫学の第一人者。宮坂さんによると、特定の食品などに頼るよりも、まずは体を守る免疫というシステムを正しく理解し、それをうまく働かせるカギとなる「血液やリンパの流れ」を良くするのがポイントだという(血液やリンパの流れを良くする具体的なポイントについては第3回で解説する)。

 また、ご存じの通り、免疫力は加齢とともに低下するといわれる。それはある程度は仕方がないことだとしても、その下がり方をできるだけ抑えたいというのが、多くの人の望むところだろう。そして、年をとってもなお免疫の力を最大限に活用するためには、やはり、「血液やリンパの流れを良くする」ことが大切だ。なぜ、血液やリンパの流れが重要なのか。このことを理解するには、血液やリンパ、その周辺で何が起こっているかーー食細胞やリンパ球といった免疫細胞が体に侵入した病原体とどのように出会い、戦っているかという免疫の仕組みーーを知ることが欠かせない。

 そして、免疫といえば、現在、新型コロナウイルスのワクチン開発が待たれているが、ワクチンについても誤解されていることがある。宮坂さんは、「ワクチンを接種して抗体をたくさん作りさえすれば大丈夫。抗体がないと新型コロナにかかってしまう」と考えるのは誤った認識だと指摘する。

 「新型コロナウイルスが世界中で問題になって以来、皆さん、抗体という言葉を気にするようになりました。『免疫といえば抗体。抗体がないと病原体への抵抗力がない』というイメージを抱く人が多いのですが、それは古い考え方で、抗体は免疫のほんの一部に過ぎないというのが、最近の考え方です。新型コロナウイルスに感染した人の中には、抗体がないまま回復する人もいます。生まれながらに備わっている『自然免疫』の働きだけで、ウイルスを撃退できる人もいるのです」(宮坂さん)

 感染症が流行するたび、われわれは躍起になってその病原体を避ける方法を探す。しかしその割には、見えない敵を撃退する防御システム、自分自身の免疫の仕組みについては正しく理解していないこともあるようだ。免疫は体の中でどんなふうに働いているのか、本当のところを宮坂さんに詳しく聞いていこう。


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