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赤野工作先生『走り書き(短編集)』読書感想文

信号無視したおかげで命を救われた話と、信号無視したせいで人生終了した話を同時上映したいと思います。

はじめに救われた話。
何年くらい前だったか思い出せないんですけど、仕事でよく通ってた十字路があったんですよ。
山を削った場所にあって、自然に囲まれ、交通量は少なく、道も空も広くて、ちょっとしたアウトラン気分で、実際よくアウトランのサントラをかけながら走ってました。
そこは本当に心地よい道だったんですけど、ある時期、なぜか交通事故が多発したんですね。
交差点で車が横転するタイプの、攻撃力の高い事故です。
事故が起こりやすい場所に見えないし、どうしてだろうと思ったものの、思うだけでした。
後日、私は買ったばかりの自転車でその十字路付近を走っていました。
時刻は夜の深い時間。確か、映画館でレイトショーを見た帰りだったはず。
例の十字路に到着。歩行者と自転車用の信号は青だったので、通過しようとしたそのとき、ふと、ここ最近の事故のことが気になりました。
こんな景色もよくて見晴らしもいいところでなぜ事故が?
と思ってブレーキレバーを引きます。
新品の自転車のブレーキは、はりきりすぎて、空気の壁にぶつかったような急ブレーキになりました。
──チュン。
同時に、私の目前を速度が横ぎりました。
一瞬、鳥か何かが通過したのかと思いました。
それにしては気配が巨大すぎました。
私は数テンポ遅れて、物体の去った方向に目をやると、車のブレーキランプが確認できました。
車は、颯爽と脱走していきました。
「…………」
簡単に説明すると、私の目前を自動車が猛スピードで過ぎ去ったということです。
場所は十字路。前進しようとする私の信号は青。そこを横から車が割り込んできたのです。
時刻は夜。ライトの点灯は義務です。私の自転車はオートで点灯しますし、新車なのでかなり強い光を放っていました。
つまり、遠くからでも私の姿は確認できたはずです。
街灯の少ない場所なので、離れた場所でも自動車のライトが点灯していれば、気づかないはずはありません。
でも私はこっちに車が迫ってるなんて全くわかりませんでした。
つまり今おきたことを詳細に説明すると、自動車が無灯火で信号無視をして猛スピードで私に突っ込んできたということになります。
信号無視して止まってなければおだぶつでした。
しかし、わかりません。
私と衝突すれば車だって無傷ではないはずです。
そこそこダメージを負うはずです。
私が知らないだけで、実はこの世界はGTAシステムが採用されており、事故車でも一瞬で修理してくれる工場がそこら中にあるのでしょうか。
あるいは私が知らないだけでこの世界は怒首領蜂システムが採用されており、私も車も当たり判定は、体の中心の1ドットだけなのでしょうか。
時間差で我が身に起きたことを理解すると「はああ?」と、そこそこ大きな声をもらしました。
怒りではなく恐怖を吐き出したのです。
ワギャンランドの世界ならザコキャラを数秒間停止させる効果はあったかもしれません。
これは実話なので、特につづきはないのですが、そこそこトラウマったので、しばらくその道は回避していました。

次、人生終了の話。
まさか関係者がここを見ているとは思えないのですが、比較的最近の話なので、ちょっとだけ脚色します。
時間は昼。場所は都内某所のいわゆるオフィス街。
長い横断歩道がありました。
信号は赤なのに、あちらから二人の女性が楽しそうにこっちに向かってきます。
彼女たちが道路交通法をつかさどる神でないかぎり、おそらく信号無視です。
捕まると窃盗罪と同等の罰金が科せられることもある、けっこうな違法行為です。
笑顔でものを盗む人はお見かけしたことがないのですが、笑顔で信号無視する人は定期的にお見かけします。
信号はまだ青に変わらないので、私は立ち止まったまま。
彼女たちはどんどん接近してきます。ちなみに二人の女性の一人はラフなかっこうで、もう一人はスーツ姿でした。
彼女たちがほぼ目前に迫ったとき、ようやく信号が青になったので、私は歩きだそうとします。
ギャアア。
信じられないくらいのボリュームでスーツの女性が叫びます。
ここがワギャンランドの世界ならラスボスでも瞬殺して、マップの一部が消滅するレベルです。
ここはオフィス街。周囲のビルの窓には人が押し寄せ、世界中がスーツの女性に注目します。
なぜ彼女が盛大に悲鳴を上げたのかわかりません。私の顔が気に入らないとかいう理由だったとしても、本人のいないところで叫ぶのがマナーでは?
すみません、すみません、違うんです、と弁明をはじめるスーツの女性。
彼女は私ではなく、私の隣に立っていた年配の男性に猛烈に謝罪をはじめます。
きみはそういうことをする人だったんだね的なことをつぶやいて、男性は横断歩道を歩きはじめました。
スーツの女性は地面にへたりこんで何か口にしていたのですが、解読不能です。
きっと二人は信号を守ることを至上とする忍の里の出身だったのでしょう。
あのボリュームの発声は常人には不可能です。

この二つのエピソードに教訓があるとするならば──当然信号は守るべき。だけど安全の確認はおこたらないで──というあたりでしょうか。

ところで私は、こわい話がきらいです。
苦手じゃなくて、きらいなんです。
だって、こわいじゃないですか。

なんでもかんでもきらいなわけでもなくて、個人的に明確な定義がございまして、私がきらいなのは『非科学的な事象を用いて恐怖心を煽ることを目的とした表現』がきらいなんです。
おばけとかそういうやつです。
やばい人が出てくる系の作品はむしろ好物です。
その観点での最高傑作はまちがいなくこちらだと思います。

当然、おばけの出てくるホラーゲームなどもってのほかなのですが、唯一の例外として零シリーズだけは3DSソフトに短編として入っていた紫の日記以外は全作プレーしています。
しかも紅い蝶まではエンディングまで辿り着いてます。
私はフェアな人間なので詳しくない方のために説明しますと、現時点で六作あるシリーズの最初の二作だけ最後までプレーしているということです。
残り四作は最初の30分~2時間くらいでやめてます。
だって、こわいんですよ、あのゲーム。
最初の二作をラストまでいけたのだって、隣で一緒にプレーしてくれていたご学友がいてくれたおかげです。
そう、三作目からはご学友がいなくなったのです。
ホラー的な理由ではなく、みなさん恋に仕事に勉強にいそがしくなったからです。
お前はそこで一人でバケモンスナップやってろと、私の元から去っていったのです。
おそろしいですねえ人間は。
零は好きなシリーズなので、ちゃんと予約して購入していたものの、すぐやめてしまうことに少なからず負い目を感じていたのですが、実は私のようなタイプは少なくないようで、刺青ノ聲か月蝕の仮面の発売当時、ファミ通のインタビューだったと思うのですが、零シリーズのプロデューサーさんが、このようなことをおっしゃいていたように記憶しています。

買ったけど怖すぎてすぐやめてしまい申し訳ないという内容のメッセージをよくもらうのだけど、そのやめてしまった瞬間が、その人にとって作品から最高の恐怖を体験した瞬間でもあるので、その時点でその人にとって作品は完結しているし、そういう体験を提供できたことは作り手としても嬉しい。

的なことを。私はそれを読んで、すごく救われた気持ちになったのを覚えています。
インタビューの内容は完全にうろ覚えなので、微妙に違う、全然違う、そもそもそんなインタビューは存在しない全てお前の妄想だという可能性もなくはないです。
それからもちろん濡鴉ノ巫女リマスター版も予約済みです。



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みなさま、お待たせしました。
クイズ『1&99』の時間です。
ルールは簡単。
これからとあるテーマに関連するゲームキャラクター、二名に登場していただきます。
一人目は難易度レベル1
二人目は難易度レベル99
見事両方答えることができたらクリアです。
正解者の中から抽選で十名の方に、聞いたこともないメーカーの作ったニセiPodシャッフルと本物のエクスカリバーをプレゼント。
では早速今回のテーマを発表します。
こちらです!

『ダンボール』

そしてこのテーマに関連するキャラクター。
まずは難易度レベル1の方です。
こちらのキャラクターの名前をお答えください。
フルネームである必要はありません。

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はい。
みなさん見た瞬間、答えが脳裏に浮かんだのではないでしょうか。
不正解者がいるとは思えないのですが、一応正解は
ソリッド・スネークさんです。
ダンボールといえばこの人ですね。

ではつづきまして難易度レベル99のキャラクターに登場していただきましょう。
お入りください!

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ではみなさん、こちらの方の名前登場作品名をお答えください。
名前はもちろんフルネームで、漢字でお答えください。
検索しようとしたら、その時点で失格です。
それではまた来週。


飯野賢治さんは言いました。
自分はおまんじゅうがあまり好きではないけれど、珍しいおまんじゅうなら食べてみたい的なことを。
誰にでもそういうものはあると思います。
私、冷やし中華が苦手なんですけど、見たこともないタイプの冷やし中華だったら食べてみたいです。
七面鳥の丸焼きの中に入っていて、それを取り出し、あつあつのタレをかけたものをベーコンで挟んで食べるタイプとか。
数量限定なら、なお良しです。
つまり新規性と希少価値ですね。
興味のないもの、苦手なものに関心を抱いてしまう場合というのは、基本的にその二つが絡んでいることが多いと思われますが、それよりもっとシンプルで、それでいて一番強力な要素があります。
それはつまり、好きな作り手がそれを提供している場合です。

赤野先生が、こわい話を錬成されてしまわれたのですよ。
ファンとしては裂けるわけにはいきません。
あっすみません↑は誤字です。
ファンとしては避けるわけにはいきません。
とはいえ、タイトルからして、おばけ出てくるタイプの話じゃないですか。
私、こわい話を読んでそれの完成度が高いと、真剣に三日はあらゆる作業が停滞するので、本当に慎重になるんですよ。
この惑星に二人もいるといわれているこのnoteの熱心な読者さんはこう思われているかもしれませんね。
そんなこと言ってるけど、どうせお前、もう読んでるんだろ?
これからまたしばらくダラダラどうでもいい話をつづけて、最後のほうでちょっと感想つぶやいて終わるんだろ?
確かに普段の私ならそうしていたでしょう。
しかし、今回に限っては本当にまだ読んでません。
ゲームラボは買ってますけど。
どうしても怖じ気づいてしまうのです。
だからこそ、ここの記事のタイトルもゲームラボの赤野先生の新作についてではなく『走り書き(短編集)』の感想文になっているのです。
ちなみに、そっちはこっちにありますので、よろしければどうぞ。

とはいえ私もいい加減、少しはホラー耐性をつけねばと思っていて、思うだけなら簡単で、実行もしないといけないなと考えていると、ちょうど手頃なイベントが世間を賑わしていました。
『10文字ホラー』といって、その名のとおり十文字で構成されたこわい話です。
赤野先生も参加されていました。

基本的にこういうのに参加するときは迷わずネタに走るのが私ですけれども、今回に限り真剣にこわい話を考えました。
それがこちらです。

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エージェントのみなさん。
ハラテンスマイルナナセ!
赤野工作大好きVTuberの赤延コウです!
シブサワ・コウみたいで、いい名前でしょ?

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さて、今回のテーマは昨日お伝えした通り
『赤野工作、秋の考察2021大作戦』をはじめていきたいと思います。
要するに今年下半期の赤野先生の活動内容を予想しちゃおうというコーナーですね。
何かしらの発表が予想されると思われますが、エージェントのみなさんは、どんなものがくると思いますか?

(コメント)
とりあえず『走り書き(短編集)』の書籍化は確定では?

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まあ、それは確実にありますよね。
他には?

(コメント)
何もこないに一票

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は?
アンチの方ですか?
しっぺしますよ?

(コメント)
コウは毎年、赤野がゲームショウに登壇するって言ってるけど、今年もその予想は変わらない?

(コメント)
っていうか、今年ゲームショウやるの?

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はい。今年のゲームショウはオンラインで開催されますよ。
もちろん今年こそ、むしろ今年こそ、赤野先生は何かしらのイベントで登壇されるはずです。

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ところで、コウのかなり攻めた考察、聞きたくないですか?

(コメント)
話したまえ

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赤野先生、ゲームのシナリオライターとしてゲームショウで登壇されるのではないかなと推測されるのですよ。

(コメント)
ADV?

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いえ。シューティングですけど?

(コメント一同)
なんでやねん!

(コメント)
お前、それ自分の好きなものと好きなものを混ぜてるだけだろ

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なんでそんなこと言うんですか!
エージェントのみなさん、全員しっぺするから並んでください。

(コメント)2625円
おちつけ

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おちついてますよ。
あ、スーパーチャットありがとうございます。

(コメント)
書籍やゲーム関連以外で何かくると思う?

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それはもちろん
やるゲーム多すぎザウルスちゃんのフィギュア化でしょう!

(コメント)
あれか

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ハラテンスマイルナナセ!
やるゲーム多すぎザウルスちゃんかわいい!
いえーい、グッドスマイルカンパニーさん見てるー?
ザウルスちゃんのねんどろいど化、待ってまーす。
それからコウも一緒にねんどろいどしてください。

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さてさて、いい感じのお時間となってまいりましたので
今日はこのあたりで。
エージェントのみなさん、明日の『ATARI GAME OVER』の同時視聴には
絶対参加してくださいね。
こまめな水分補給と、はやめの睡眠、大切ですよ。
それでは明日もお会いしょう。
ハラテンスマイルナナセ!

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赤延コウ 2021 サマーこれくしょん

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キャラクター設定
赤延コウの赤延という名字には、赤野工作先生の作品や活動がいつまでもどこまでも長く広がっていきますようにという想いが込められている。
髪に飾っている破魔矢には、赤野工作先生への無病息災、あらゆる困難から守り、作品は必ずヒットしますようにという願いが込められている。
キャラ設定を作り込んでいくうちに、赤延コウかくあるべしといった哲学までできあがった結果、むいみにえっちな画像は全て削除することに。

こういうやつ↓

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補足
カメラロールがVTuberにハマった中学生みたいになってしまう。

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前作と比べてわかったこと。
どうやら私は手を後ろで組んだポーズとアホ毛をつけるのが好きみたい。

なお、全てのリスナーそして赤野工作先生御本人ですら首をかしげているであろう、赤延コウの口ぐせ『ハラテンスマイルナナセ!』の元ネタ。








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宇和佐集芽



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