【BORDER 12】上り坂・下り坂
上り坂・下り坂 / 山元ボラン卓 (KINEMAS,Radical Humanism / Bass )
普段長い文章を書くことは滅多に無いのですが最近思う事をつらつらと書いていきたいと思います。できれば最後までお付き合いください。
「上り坂・下り坂」
とあるシンガーソングライターの歌詞で「そちらから見れば登り坂、こちらから見たら下り坂」という一節があるのですがそれをを最近よく思い出します。立場が変われば色々な物事の見え方や感じ方が変わる。
落ち着いて考えればわかる事ですが自分に余裕がないときはついつい忘れてしまいがちです。
ここ2~3ヶ月は新型コロナウイルスの影響で様々な事の是非が問われる機会が増えましたように思います。それに付随して各個人の思想や主張だったりも目にする機会が増えました。
身近な所では、お店の営業を完全に自粛し休業する人、色々と対策をして時間を短縮してお店を営業する人、外出を徹底的に避ける人、馴染みのお店の助けになりたいと外出する人。
あらゆる立場の人達がそれぞれの事情を抱えながらそれぞれの決断をして行動しています。テレビ、ネット上では挙げればキリがない程にあらゆる人々のそれぞれの主張が展開されています。
でも、その背景にそれぞれの立場や事情があるって事を忘れてしまうと何かと衝突してしまう事が増えていきます。僕もついつい忘れてしまいがちです。特に最近は金銭的な余裕がないのでなおさら・・・。いつも穏やかな気持ちでいたいものですね。
で、話は変わりまして、4月中旬から職場の休業の影響で(普段の仕事は生バンドカラオケのお店でベースを弾いています)時間ができたので本格的にギターの練習を始めました。
今までもコードの確認程度でギターを触る事はありましたがここまでがっつり練習するのは初めてです。正直言うと今は殆どベースの練習をせずにギターばっかり触っています・・・。
最近の目標はcharの「smoky」という曲を弾ける様になることです。
「ベースちゃんと練習しろよ」と言う声が聞こえてきそうですが実はギターを練習することによりベースの重要性を再確認することに繋がっています
そう、冒頭に書きました、「立場が変われば色々な物事の見え方や感じ方が変わる」です。
皆さん、山下達郎の「RIDE ON TIME」という曲はご存知でしょうか?(ご存知で無い方はyoutube等でこっそりアレコレしてください、こっそりですよ)
歌い出しの「あおい~~」という部分があります。(ご存知の方は脳内再生してください)ここの演奏はGmaj7(ジーメジャーセブン)というコード(和音)で成り立っています。
次にサビの「ラァ~イドォンタァ~ィム」という部分。(こちらもご存知の方は脳内再生してください)ここの演奏はEm7(9)(イーマイナーセブンス ナインス)というコードで成り立っています。
ざっくり説明するとメジャーコードは明るい響き、対してマイナーコードは暗い響きになる、と言われています。(詳しい事は割愛します・・・)
では次に各コードを構成する音を見ていきましょう。
まずGmaj7の構成音はG B D F#(ソ シ レ ファ#)になります。
次にEm7(9)の構成音はE G B D F#(ミ ソ シ レ ファ#)です。
ムムッ?
ムムムッ?
構成音がほとんど一緒ですね。なんならE(ミ)があるかないか。(本当はもっと色々あるのですが詳しい事は割愛します・・・)
で、ベースとギターがそれぞれ何をしているかという話になっていきます。
まずはベースです。ベースの役割の一つで、尚且つ一番大事な役割に「コードのルート音(一番低い音)を弾く」というのがあります。なのでGmaj7の時は「G」をEm7(9)の時は「E」を弾きます。もちろん自分がバンドでベースを弾く時はルート音をすごく意識しています。
次にギターです。ギターはなんと・・・
Gmaj7の時もEm7(9)の時も「Gmaj7」を弾いています。
えっ?
Em7(9)の時もGmaj7弾いてていいの?
いいんです。
なぜなら前述した通りEm7(9)の構成音はGmaj7に「E」を加えただけです。
そしてその「E」の音はベースが弾いてくれています。
なのでギターはGmaj7を弾いたままでもバンド全体でEm7(9)というコードの響きを作りあげる事ができます。ベース脳で考えると「ルート音を必ず弾かなければならない」という発想になるのですがギターを弾く時は必ずしもその発想が当てはまらない、という事です。
しかもこの曲でギターが弾いているGmaj7は4弦をルート音にしたポジションなので6本の弦を全て鳴らした「ジャカジャーン」という太い響きではなく「チャラーン」という爽やかできらびやかな響きになっています。それによりベースとのコントラストがより明確になります。
長くなりましたが、ベースとギターという立場の違う楽器では曲に対するアプローチや発想が違うという事です。少し考えれば当たり前のことなんですが実際に体験してみるとより強く実感します。
ただ、ベースという立場でもギターという立場でも「楽曲を活かすために各々の立場からアプローチしていく」という部分に関しては共通していると思います。
これと同じ発想でコロナウイルスに関する問題も「収束・解決していきたい」という目的は共通しているはずなので各々の立場からできる事をアプローチしていけば結果として良い方向に進んで行くのではないかと思う今日この頃です。
多少無理矢理感のある繋げ方でしたがいかがでしょうか?
では締めの一言を
「未来に向けてRIDE ON!!」
ではまたどこかでお会いしましょう~。
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