【BORDER 17】KINEMAS
8ヶ月かかった
このBORDERという企画の一番最初はみやしーの【BORDER .0】超個人主義
だったんですね。2020年5月3日。8ヶ月以上先伸ばしにして、今これを書いています。たぶんあやこさんも。笑 一体何をしていたんだろう、とは思っています。
『コロナ』とか、『ソーシャルディスタンス』とか
1年前は知りもしなかった言葉が生み出されて、それに左右されるような時勢でね。
正直ばちくそに疲れている。一つ一つにまったく納得できていないまま進んでいるわけです。色々な納得できなさを一旦置いといて、やれることをやろうと8ヶ月生きていました。
いや、『生きる』というか『生き残る』寄りで。
僕にとって
『生きる』=“好奇心によって選ぶ行動”
『生き残る』=“恐怖心によって選ぶ行動”
なのです。
これがかなり辛かったわけです。恐怖心を好奇心が上回れなかったという悔しさが残ってる。そういう一年。ずーっと感情が渦巻いてるんすよね。生き残るために生きるんやったら死んだろかな、みたいなことを考える時もある。
で、言葉は境界線そのものですよ。何かと何かを分けるわけですから。分断を進めようとする言葉は特に最近耳につくので、テーマが”BORDER”やと、
特に普段の怒りが現れて読めたもんじゃなくなるぐらい口が悪くなる。笑
僕は本当に言いたいことを無茶苦茶我慢して生きてる。中途半端に言葉にすると無駄に境界線引いちゃうしね。
もう出来るだけその辺りから離れて書きたいなーということで、KINEMASについて書きます。KINEMASの時はなんかずっと生きてるんですよね、俺。それについて書こう。
KINEMASというBORDER
KINEMASは特殊なバンドで、みやしーが「この日ライブ決めようかと思うんだけど、どう?」ぐらいのノリでライブが決まって、だいたい当日スタジオで軽く合わせてすぐ本番を迎えます。
2015年に空中ループの森ちゅんとさとうかおりが呼んでくれて、初参加。
その時もそんな感じで、この日は完全に恐怖心で動いてた気がする。ほんまに生き残るためにライブする感じ。サポートメンバーっていう境界線も確かにあったなー。
これはもう今は違うんですね。サポートメンバーとか誰も言わなくなった笑。
僕にとって、そんな感覚になる大きな出来事は1回目の台湾ツアーやった気がするな。初対面のボランと半ちゃんと一回ブラジルコーヒーでライブしてから即、台湾のWake up Fes201に出演したあのライブ。
言葉が通じない初めての状況で、ボランと半ちゃんはほぼほぼ初対面で。そんな状況で、そこに来てくれた台湾のみんなは「日本のキネマズってバンドが来た」って感じなわけです。そこで恐怖心のピーク。ここでキネマズに迷惑かけれない、とか俺は考えてたはず。
でもライブが始まって1音目で強烈に感じたんですよね。『サポートだろうがなんだろうが目の前のお客さんにとっては一つのバンドだ』と。いやもう当たり前すぎるし、最初からみやしーも森ちゅんも言ってたし、自分でも言うてたはずなんですが、それがコアな部分で心底しっくり来たのがこのライブやった。
サポートやから、とか全く頭になく、みやしーの表現を助けよう、とかも全くなく、とにかくこのライブを楽しもうとする姿勢で望めたのはこの1回目の台湾かも。これは自分のライブだと思った。
ライブではどんなミスが起ころうと、メンバー全員でアリに持っていく。その時に鳴らされた音楽は、本当にその時だけのものだし、自分のためにも、もちろんここにいる全員のためにも、必ずアリにするんだという気概と覚悟。
マジで音楽始めたぐらいからわかってたつもりのことが、その時に理解できたような感じがしました。
たぶん、言葉が通じないのがいい方向に働いたのに加えて、みやしーは誰かのミスを補い、ナシをアリにする能力が異常なんですよね。アドリブはもちろん、リハーサルに無かったことをいきなり放り込んで楽しんでいる。そもそも完成形なんか存在しないし、ライブはその瞬間に何を選んだか、の積み重ねやんな。めちゃくちゃ楽しかったよ。
その後も初対面のメンバーとKINEMASで出会い、ライブを重ねてきました。
KINEMASの一人一人が今まで生きてきたことを凝縮して伝わってくるような演奏だったし、それがKINEMASを通してその時にしか無い形になっていて、これはどんなコミュニケーションよりも信じられるな、と僕は思う。
同時に行われるコールとレスポンス。音楽に夢中になった理由のひとつ。その瞬間僕らは素直に同じ時間を過ごすことができる。
どんな言葉をもはるかに超えてくるリアリティを僕はKINEMASで感じている。言葉を超えるということ。それはどんな境界線も飛び越えることができるということだ。
僕にとって、KINEMASとは、BORDERを飛び越えるバンド。みやしーが持つ固定概念を壊して新しい角度で再構築していくマインドを共有して、これからもナシをアリにしていくバンドです。
書いてたらわかることもあるな。うん。怖がってる場合じゃない。僕もKINEMASなので。
また次のライブで会いましょう。
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