【デジライズ】単発と11連はどちらがオトク?確率の算出と単発の使い道考察【デジモンリアライズ】


※本稿は狙うデジモンが1体のみの場合を想定している。複数のデジモンを狙う場合は以下の記事も参照願う。

契機


標題の件、皆さんは疑問に感じたことが無いだろうか?
例えばの話、排出率が100%であるガシャがあれば、誰も200ルビー支払って11連を引かず、20ルビーの単発で済ますだろう。
或いは排出率50%でも、運が悪くても4~6回引けば大体出るのだから、11連を引く人はいないだろう。
では、排出率が何パーセントであれば、11連を引くことのお買い得感、価値が生まれるのだろうか?

twitterなどを見ていると「単発で虹プラグを当てた!」など、一見するととても稀有な事象が度々発生しているように感じられる。実はこれはラッキーではなく理にかなった必然なのではないだろうか?

そこで単発と11連の確率を算出、11連の方がオトクとなる条件を導くと共に、単発の使いどころを考察した。

確率の計算 ※読み飛ばし推奨


どちらがオトクかを比較する為に、単発・11連それぞれの「狙いのデジモン・プラグを少なくとも1回以上引くまでの、消費ルビーの期待値」を算出し、両者の大小関係を導出する。
ガシャ1回当たりの排出確率をpとしたとき、求める期待値は単発・11連でそれぞれ以下の通りである。(立式の考え方は省略する)

消費ルビー期待値(立式)

この無限級数をそれぞれ四則演算に帰着させると

画像2

従って、11連がオトクである(期待値が小さくなる)ような確率pの条件は

画像3

従って、この11次方程式を解けばよい。しかし「一般に5次以上の方程式は代数的に解を求めることができない」という定理があり、この方程式もその多分に漏れず解けない。

仕方がないので、pを100%から始めて少しずつ小さくしていき、両者が等しくなるところを求めた。その結果

p > 1.925%

使いどころ


前節の結果をまとめると

 ・排出確率が1.925%以下の場合は11連の方がオトク
 ・排出確率が1.925%以上の場合は単発の方がオトク

である。実際のガシャに当てはめてみたのが下記の表である。

画像4

例えばリミテッドガシャのメインピックアップ(今でいえばインペPMやアーマゲ)は、言わずもがな11連がオトクである。期待値では105連・1,911ルビーにて引ける試算。


この他、プラグフェスで「金or虹のクリティカルorブロックのどれか1枚だけでも欲しい」という場合も排出確率が1.925%を越え、単発の方がオトクである。


但し注意点として「狙い目のプラグが(どれか1枚だけではなく)全部欲しい」という場合は排出確率が変わる(大抵は1.925%を下回る)ので、11連の方がオトクだろう。


さて冒頭で出した、twitterでよく見る「単発で勇敢虹クリを当てた!」と言った事象の話に戻ろう。最初から勇敢虹クリを1点狙いして単発で引いたのなら本当にミラクルだが、「金以上のクリorブロの何かしら1枚でも当たればラッキー」という狙いであれば、単発を引くのは極めて合理的なのである。

狙いを明確に決め、確率を見極めた上で、単発と11連を使い分けると幸せになれる。

分散の比較


上記では単発と11連の「期待値」を比較することで、両者のどちらがオトクかを判定した。しかし、もう1つ重要な指標として「運がいい時と悪いときとで引く回数がバラつく度合」という「安定感」も重要である。そこで、統計学における「分散」を計算し、両者を比較してみる。

分散V(X)の計算では
  V(X) = E(X^2) – {E(X)}^2
という非常に便利な公式がある。これを用いて分散を計算する。

まず単発について、
  E(単発のルビー消費量^2)
= Σ(n=1→∞) {20n}^2 (1-p)^(n-1) p
= 400p Σ(n=1→∞) n^2 (1-p)^(n-1)
= 400(2-p) / p^2
V(単発のルビー消費量)
= 400(2-p) / p^2 – (20/p)^2
= 400(1-p) / p^2

同様に、Q = (1-p)^11とおくと
  E(11連のルビー消費量^2)
= Σ(n=1→∞) {200n}^2 Q^(n-1) {1-Q}
= 40000{1-Q} Σ(n=1→∞) n^2 Q^(n-1)
= 40000(1+Q) / (1-Q)^2
V(11連のルビー消費量)
= 40000(1+Q) / (1-Q)^2 – {200/(1-Q)}^2
= 40000Q / (1-Q)^2

ここで、p=0%~100%まで数値計算すると、pに依らず常に V(単発) > V(11連) であることが分かる。つまり、pに依らず常に11連の方が単発より安定していることが分かる。

平方根を取って標準偏差に変換すると、以下の通りになる。

画像5

こうして見ると、p=2%の場合は、確かに単発の方が期待値が小さい(オトク)だが、標準偏差は

単発989.9 > 11連898.1 

と90ルビー程の差がある。単発は±90ルビーほど不安定である(90ルビー程少なく済むこともあれば、90ルビー余計にかかることもある)。

安定感を重視する場合は、2%であっても11連を引くべきだろうし、少ないルビーでちょっとだけ引く場合は単発でギャンブルに賭けてみるのもいいかもしれない。安定・不安定も状況に応じて上手く活用しよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?