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ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』感想/スーパーアンサンブル編  

 ジョジョミュが大千秋楽を迎え、一か月以上経ちました。
 面白かった!楽しかった!ええモン見た!良かった!と、素晴らしい思い出として心の中に思い出を畳み、次なるステージに旅立つべき時なのですが、只今、どうしようもなくジョジョロス真っ最中です。こんなにハマるとは思いませんでした。
 暇な時の過ごし方は、ジョジョミュ脳内上演会、仕事中にもナンバーを口ずさみ(歌詞音程適当)、再演にはいつやと考え、2部がミュージカル化したらどんな感じやとまたまた考え。すっかり『ジョジョミュの眷属』みたいな奴になってしまいました。こんなはずでは、俺の人生。 
 と、言う訳で、ジョジョミュロス病が治るまでは、まだまだジョジョミュについて語りたいと思います。宜しければ読んで頂きたら幸いです。



 え、突然ですが、ジョジョミュのアンサンブルは、スーパーアンサンブルと言われています。(これは確か宮野さんが言ってらっしゃったような)
 当然です。
 当たり前です。
 真理です。
 
 どの舞台でも、アンサンブルと言う方々の存在は、かけがえのないものですが、ジョジョミュのアンサンブルの方々は、本当に大変だったと思います。
 だって、古代アステカ民→イギリス市民→貴族屋敷召使→市民→ラグビー部→オウガーストリート浮浪者→警察→ゾンビ→波紋隊→また市民とかゾンビとか(以下略)演じるんですよ。
 衣装変えて、メイク変えて、髪型変えて、ラグビーやって暴動やってアクションやって、組体操みたいなフォーメーションやって、身体表現を踊って、歌って、演技して。長身の女性の方は時々、男役(男装の麗人設定なのかもしれませんが)をされていたり。皆さん、人間を超えています。
 
 そして、今回の舞台のアンサンブルの方々は、総じて台詞回しが上手かったのも特長だと思います。ジョジョミュは、案外台詞が多いミュージカルなのですが、大仰過ぎず、かと言ってナチュラル過ぎない、良い具合の演技をされている方が多い印象でした。
 
 アンサンブルの森内翔大さんがNoteに書いてらっしゃったんですが、台詞のない役、一人ひとりにも人生が、ストーリーがあるのですね。全ての登場人物に物語と人生がある。
 皆さん全員が、舞台の上で生きて、輝いていらっしゃいました。主要キャストの皆さんの熱演に加え、アンサンブルの方々が奮闘されていたから、あの濃厚な熱気が舞台に溢れていたんだと思います。本当に、尊敬しかありません。
 ジョジョミュを作って頂いて、本当にありがとうございました。
 
 一つだけ文句を言わせて頂くと、ゾンビ役は仮面みたいなのを付けていて、キャストの皆さんの判別が困難でした。プロレベルの観客になると、体格とか動きのキレとかで、このゾンビは〇〇さん!と、分かるみたいなのですが、私にはまだ無理。これは残念でした。



 以降、スーパーアンサンブルの中でも、特に個人的に記憶に残った方々。



●工藤広夢さん


 工藤さんと言えばやっぱりダニーです。
 兵庫公演の頃の工藤さんダニーは、パペットなのですが、舞台上で生きている様な愛らしさでした。ちょっと小首をかしげる仕草とか、頭をカキカキする仕草とか、とにかく愛らしい。表情は変わらないはずなのに、場面場面ダニーの表情が変わっている様に見えました。母さんの様に温かいいモフモフがあるように感じました。
 いやもう、猫派の私ですら、夢中になるダニーでした。兵庫公演は、良席で見る事が出来たので、ダニーの肉球をナマで見てしまい、「ふぉおお!」とテンションが上がってしまいました。肉球マニアとしては、たまらん肉球でした。
 と、言う訳で、ダニーが可愛くて仕方がない分、ダニー死亡シーンは辛かったです。兵庫公演千秋楽では、座席位置の関係か、何か燃える臭いがして来て、いやあ、辛かったです。動物を虐待してはいけません。
 ダニー後にも、工藤さんはあちこちに出演されています。強いダンス力が特長で、目立ってました。
 工藤さん、ドーヴアチアさん作曲作品では、何故か、動物役が回って来る運命にあるとの事ですので、もしジョジョ2部がミュージカル化したら、犬と猫とリスとピラニア、3部がミュージカル化したらイギー役をお願いしたいです。
 

●池田遼さん

 センター付近にいらっしゃる事が多く、自然と目で追う事になりました。(特に配信回で)小柄だけども眼力が強くて(目をひん剥いている事が多い)、長髪を一つに束ねていて、何かやたらと「目を惹かれる」方でした。
 池田さんと言えば、ブラフォード役なのですが、個人的には一幕の浮浪者が素晴らしい演技だったと思います。
 相方と楽しく酔っぱらっている→ディオに絡んで殺される→ゾンビ化して復活→若返る→太陽の光を浴びて消滅→冥府へ引きずり込まれる。
 これらの一連の動作を全部、特殊効果無しで、生身でやってしまうのですよ。迫真の演技で、初めて見た時は恐怖を覚える程でした。あのディオが叫び声をあげるのも納得が行く、とんでもない演技だったと思います。人間は限界があるけれど、舞台の上でならゾンビになれる・・・。
 その後、警官役で復活(?)し、そしてまたまたゾンビになってしまう、劇中一ゾンビ登板率が高そうな池田さんでした。
 ダンサー系の方で、ミュージカル初出演とのことですが、ちょくちょく聴かせて頂けた歌声も良かったです。はい、もう、ファンです。

●江上万絢さん

 開幕すぐに生贄役で登場し、客席の視線を全部持って行く人。
 1回顔を覚えると、長身美人なので、舞台中でもすぐに見つけられる様になりました。この方は何か、凄いダンサーさんらしく、素人の私でも分かる、とんでもない身体能力を発揮されていました。所々、男装もされていて、これまた麗しかったです。
 オウガーストリートでの、襤褸をまとっても美人なオウガーっぷりが素敵でした。
 

●今村洋一さん


 1幕のツェペリさんと絡む古物商役の演技が大好きでした。「怪しいなあ・・・」の台詞の言い方が、もう、ツボ。
 それにしても、古物商って、あの1回しか出ていないのに、出番は少ないのに、不思議と何故か印象に残るキャラでした。ジョジョっぽい人物と言うか。
 (追記)軟骨がうめぇーんだよのゾンビとか、ボクシングの実況の人とか、ダチ公の浮浪者とか、あちこち出演されてると、Xで教えて頂きました。全部声色が違う…雰囲気も全部違う…お芝居がとんでもなく上手な方なのですねえ…プロ。

●鎌田誠樹さん


仮面で隠れていますが、アステカの長役をされているんですよね。
長、良い声でしたよね。超絶美声でした。血は力なり!
 
 




最後に。『波紋』について


 ジョジョの舞台化するとき、波紋は特殊映像的なアレコレで表現されると思っていました。それが、まさかの人体表現。アナログの極致でしたが、ダンサーさん達が複雑なフォーメーションとしなやかな動きで表す波紋は、とても斬新でした。「ズームパンチ」。好きですわー。
 そして、全身スーツみたいな波紋衣装ですが、この手の衣装にありがちな「目のやり場に困る」事は無くて助かりました。スタイルが良いダンサーさん達を、爽やかに気持ち良く堪能する事が出来ました。

 波紋部隊の活躍を今後も応援したいので、再演と、2部ミュージカル化を強く希望します!

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