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疼痛について

おはようございます!
こんにちは!こんばんは!
理学療法士3年目 ハヤオです。

本日から投稿開始します。
投稿内容は見出しにもあるように「疼痛」についてです。

この記事を見ているみなさんは疼痛というとどんなイメージがありますか。
私はこの仕事を目指す前までは痛みに対してあまり深く考えたことはありませんでした。擦り傷や打撲、骨折、もしくは手術に伴うもの。
また言葉の意味では「心が痛い」なんていう言い方もありますね。

昔の自分はこんな感じでしたが、
患者さんもこのような感じなのかもしれないです。
このままだと患者さんに説明するには物足りない気がしますよね。
なので、しっかりと理解することが大事であり、そのためのアウトプットにしようと思います。

先にあとがきですが、これを仕上げるのにとても時間がかかってしまいました。
noteを定期的に投稿されている方の凄さを感じます。
臨床のスペシャリストの方は復習に、
一般の皆様、新人の皆様は一緒に勉強という形で見ていただくと嬉しいです!

それでは始めていきます!どうぞ!


「痛み」とは

まずは大まかに「痛み」とは何なのかを復習したいと思います。
「痛み」とは、

組織損傷が実際に起こった時、あるいは起こりそうな時に付随する不快な感覚および情動体験、あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験

IASP国際疼痛学会 2020年

とされています。
意外に昔の自分が思っていたようなイメージはそのままなのかもしれないですね。
ということは意外にも患者さんもここまではイメージできていると思います。

臨床を振り返ってみても
「痛いから特定動作ができずに困っている」とか、
「痛みがあるので歩くときに変な歩き方をしてしまう。だから外へ出ることも恥ずかしい」などと情動体験までを主訴として話してくださる方もいます。

それではここからです。

痛みの分類


痛みは大きく分けて「急性疼痛」「慢性疼痛」の2つがあります。
まずは「急性疼痛」からです。

1)急性疼痛

急性疼痛の発現メカニズムとして、侵害受容性疼痛と炎症性疼痛があります。
侵害受容性疼痛とは、

組織損傷によって侵害受容器が刺激され、生体を保護するための警告信号として生じる疼痛

「物理療法による疼痛の治療戦略」徳田光紀

とされています。
けがをした時に皮膚や骨が損傷し侵害受容器が反応することで痛みが出るといったイメージですね。
ちなみに侵害受容器とは痛覚の場合、
Aδ線維、C線維の自由神経終末のことです。

Aδ線維は有髄線維であり鋭い痛み(鋭痛)を生じます。
一次痛とも呼ばれます。
C線維は無髄線維であり持続する痛み(鈍痛)を生じます。
二次痛とも呼ばれます。

タンスの角に小指をぶつけたときを想像してみてください。
最初は「痛っ!」と鋭い痛みが起きて、
その後に「ジンジン」した鈍い痛みが襲ってきます。
なので一次痛から二次痛に変化していくイメージですね。

続いて炎症性疼痛とは、

組織損傷により炎症メディエーターが放出され、侵害受容が過活動となる結果として生じる疼痛

「物理療法による疼痛の治療戦略」徳田光紀

とされています。
あれ、炎症性疼痛の前に「炎症メディエーター」とは何だとなりました。
調べました。

メディエーターとは直訳で「媒介者」「仲介者」という意味です。
炎症の媒介者となります。

炎症の媒介者というとご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
「ケミカルメディエーター」という物質があります。
訳すと「化学伝達物質」となります。

この「ケミカルメディエーター」というのは、

血管拡張、透過性亢進の作用のあるヒスタミン、セロトニン、白血球遊走作用のある補体、ロイコトリエン、急性期反応物質のインターロイキン-1(IL-1)、腫瘍壊死因子(TNF)などがある。これらの一部はサイトカインとも呼ばれ、炎症における細胞相互の複雑な情報伝達を担っている。

「標準理学療法学・作業療法学 病理学」 奈良 勲

とあります。
「サイトカイン」はよく聞きますよね。
「サイトカイン」とは主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質で、
身体を異物から守るために必要な役割を担っている物質です。
(この場合は炎症性サイトカイン)
そしてこの「サイトカイン」が放出されることにより侵害受容器に侵害受容され、
それが過剰となるため、疼痛が生じます。

ここまでが炎症性疼痛の内容となります。
長くなりましたね。

続いては慢性疼痛についてです。

2)慢性疼痛

慢性疼痛とは、

慢性疼痛は典型的には3ヶ月以上持続する、または通常の治癒期間を超えて持続する痛みである

「慢性疼痛治療ガイドライン」厚生労働省

とされています。
「3ヶ月以上持続」がキーになりますね。
病院やクリニックに来られる患者さんのほとんどは3ヶ月以上経過しての来院ではないかと思われます。実際臨床をしていてもそう感じます。
また、

慢性痛は、急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な期間を超えて長期に持続する痛み、あるいは長期間にわたり侵害刺激が加わり続ける侵害受容性疼痛であるとされる

「運動療法学 障害別アプローチの理論と実際 第2版」 市橋則明

とあり、継続して侵害受容性疼痛が加わると慢性痛になり得ることがわかります。となると、臨床では疼痛誘発姿勢や動作をさせないように、疼痛回避姿勢などを生活指導することも大事だとわかりますね。

これから紹介する「痛みの種類」で「侵害受容性疼痛」の他に
「神経障害性疼痛」「痛覚変調性疼痛」がありますが、
慢性疼痛になると、これらは1種類だけが生じるわけではなく、
混合して生じることが多くなります。
そのため臨床では、疼痛の種類を問診等で細かく知ることが大事になります。

痛みの種類

次に「痛みの種類」になります。
先ほど紹介したものも含まれるので重複しますが復習のつもりで読んでください。

侵害受容性疼痛

侵害受容性疼痛は先ほど紹介しましたので、
ここでは自由神経終末を少し深掘りしようと思います。

痛覚を起こす侵害受容器は、
Aδ線維(有髄線維、鋭痛)とC線維(無髄線維、鈍痛)があります。
皮膚には機械受容器、温度受容器、侵害受容器があります。
自由神経終末は機械受容器の中ではAδ線維が「変形刺激」を受容しています。
感覚としては粗い触覚です。
温度受容器では「15〜42℃の刺激」です。Aδ線維は15〜30℃、C線維は15〜42℃を感じ、Aδ線維は冷覚、C線維は温覚です。
侵害受容器では、
Aδ線維は「刺すような痛み」、C線維は「燃えるような痛み」を感じます。
さらに痒み受容器も自由神経終末らしいです。神経線維はC線維とのことです。

神経障害性疼痛

次に神経障害性疼痛を紹介します。
神経障害性疼痛とは、

体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛

「国際疼痛学会(IASP)」 2011年

とありました。

体性感覚といえば先ほど紹介した皮膚の受容器や自由神経終末が含まれます。
その神経系の病変や疾患によって疼痛が誘発されるということですね。
例として、アロディニア(異痛症)、複合局所疼痛症候群(CRPS)があります。アロディニアとは、

通常では疼痛を伴わないような微小な刺激(触れるだけなど)で疼痛を生じる状態

「病気がみえるvol.11 運動器・整形外科 第1版」

とあります。
CRPSとは、

骨折、打撲症などの外傷や心筋梗塞、脳卒中などの内科疾患に続発する、原疾患に見合わない多彩な症状(持続する疼痛、浮腫、皮膚温の異常、発汗異常など)を伴う慢性疼痛症候群である。

「病気がみえるvol.11 運動器・整形外科 第1版」

とあります。
どちらも感覚過敏であったり、自覚症状や他覚症状を判定基準とするそうです。
私もCRPSの症状が当てはまる患者さんは見たことがあります。

痛覚変調性疼痛

痛覚変調性疼痛とは、もともと心因性疼痛と呼ばれており、教科書ではそちらの方で勉強された方もいらっしゃるかと思います。
この痛覚変調性疼痛とは、

侵害受容器を異常に興奮させるような神経の損傷やその周囲の組織へのダメージ、神経伝導路の異常がないにもかかわらず、痛みの知覚異常・機能の変化によって生じる痛みである。
つまり、侵害受容性疼痛を惹起する組織の損傷も、神経障害性疼痛を引き起こすような末梢や中枢の神経の損傷もない場合に生じる疼痛である。

「慢性疼痛のメカニズムとアセスメント」特集 猪狩裕紀 他

とあります。
また、心因性疼痛と呼ばれていた時の記載も載せておきますと、

器質的病変が認められず痛みの原因のすべてを心理的な要因が占めるもの、あるいは痛みの原因として器質的病変は存在するものの痛みの訴えの説明には不十分な場合を指す。

「運動療法学 障害別アプローチの理論と実際」第2版 市橋則明

とありますので、
痛覚変調性疼痛に変わったのは、心理的な部分だけでなく、
痛みの知覚異常や機能の変化も加わったからでしょうか。

おわりに

ここまで一読いただきありがとうございました。
初めてということもあり、仕上げるのにとても時間がかかってしまいました。
noteを継続している方がとてもすごいと改めて思いました。

また、毎回ここまでアウトプットするのに自分の頭ではパンクしてしまうので、毎回小出ししながらやっていこうと思います。

もしここまで読んでくれた方の中で訂正などがあればすぐ意見をください。

ありがとうございました。
少しでも助けになれば幸いです。

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