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あなたはYAMAHA SB-200を知っていますか

こんにちは南仙台の父です。
今回はエフェクターネタですが、かなり懐かしいアイテムの登場です。
先日某中古販売店で見つけたのが「YAMAHA SB-200」でした。
表題の写真のシステムボードです。
1980年代にYAMAHAから発売されていたもので、写真のSB-200以外にSB-100
、SB-40といったものもありました。
今はこんなものは使わないと思いますが、多くのYAMAHAとエンドースメン
ト契約をしたギタリスト・ベーシストに使われていました。
私が中古販売店で見たのは写真と違って、素のSB-200の状態でした。
つまり中身のエフェクターがなく、使わない部分の目隠しプレートもない状
態だったので、中に組み込むエフェクターを持っていない限り使い道のない
ものでした。
値札はついてはいるものの、よほどのモノ好きか、今も使っていて調子が悪
いから新しいもの(中古ですが)にしようと思う人くらいしか買わないとは
思います。
そんなSB-200について今回は話をしようと思います。

上述の通り、SB-200が使われていたのは1980年代のことでした。
当時は日本のギターにも勢いがあった時代で、このSB-200も多くの国内外の
ギタリスト・ベーシストに使われていました。
SB-200だけでは使えないので、これに組み込むエフェクターを購入しなけれ
ばならず、それも電源供給や信号送受信が専用のコネクターで行われている
ために、他社のエフェクターは使えないという代物でした。
総額でかなりの額になることは間違いありませんが、電源が組み込まれてお
り、足元を照らすライトが付属していること、フライトケースに入った状態
なので、フタをすればハードケース状態になること、使わない場所は目隠し
プレートで塞ぐこともでき、上面のパッチ端子でエフェクターの接続順を自
由に変えられるという機能もあって、割合に多くのギタリストに使われてい
た感じがあります。
当時はエフェクターといえば、MXRやボスやマクソン(アイバニーズ)が多
く使われており、その頃からコンパクトエフェクターをバラして中の基板を
取り出して専用で組み込んだボード、更には簡易のボードを購入して自分の
好きなエフェクターを入れるというものもありました。
まだ、この当時はスタジオ用のラックタイプのエフェクターもありましたが
、高価な上に場所を取るのでプロくらいしか使っていませんでした。
私も当時はボスのエフェクターを繋いで使っていました。
そんな時代にYAMAHAがコンパクトタイプのエフェクターと専用のボードを
市場に投入させました。
私もいくつか単体は使ったことがありますが、あまり音的に好みではなかっ
たので、後から発売されたオーバードライブくらいしか使っていませんでし
た。(ディストーションの代わりに使って、それにボスのスーパーオーバー
ドライブを繋ぐといった使い方をしてました。)
とにかく高価だということやアマチュアが手を出すようなものでもないので
、名古屋に住んでいた頃は現物をなかなか見る機会がありませんでした。
確か、伏見にあったYAMAHAにも置いてなかったように記憶しています。
始めてSB-200を見たのは、名古屋の天白区に当時あった某楽器店で開催され
たカシオペアによるバンドクリニックでした。
大学の先輩に連れられて見に行きましたが、小さな会場で早めに並んだこと
もあって一番前で見ることができました。
数メートルも離れていない場所で見ることができ、場所的に野呂一生の近く
だったこともあってセッティングも含めてしっかり見ることができたのを今
でも覚えています。
実際には野呂一生は更に別のシステムも使っているので、SB-200だけで音創
りを完結しているわけではありません。
あまりのデカさとエフェクターの数に圧倒されていたのだけは覚えています。
YAMAHAのコンパクトエフェクターは専用のボリュームペダルや当時は高価
だったアナログディレイなどもあって、これらを自由に組み込んで、更にパ
ッチの組み合わせで自由に配線を変えられるというのが特色でした。
野呂一生のSB-200もかなりのパッチ配線が複雑に繋がれていて、見る限りで
はどれとどれが繋がっているのかまったくわからないくらいでした。
今はDSPのおかげで同じレベルのものがプログラマブルでペダルもあって、
さらに表示も付いていてという感じでかなりリーズナブルで買えますが、当
時はこれくらいの感じにしないと今のエフェクターにも敵わないくらいの仕
様でした。
私がYAMAHAのコンパクトエフェクターを使わなかった理由の一つに足でス
イッチを踏む時の安定性がボスと比べると圧倒的に悪いこと、電池の交換が
ボスと比べて面倒なこともありました。
また、その後も改良型などが出てしばらくはYAMAHAもコンパクトエフェク
ターを販売していましたが、その後はSPXシリーズなどのラックタイプで忙
しくなったせいで撤退していきました。
当時はYAMAHAのカタログでも多くのギタリスト・ベーシストの話が載って
おり、野呂一生だけでなく和田アキラや山本恭司といった人たちもこのSBを
使っており、並べ方や使い方なども解説されていました。
今でも中古で出てくるのはこの頃にこういった人たちに憧れてSB-200を買っ
た人たちが手放しているからなのでしょう。
当時はYAMAHAといえば、LM楽器(たぶんYAMAHA用語)の商品名にはアル
ファベット二文字(場合によって三文字)が使われていました。
SG、SFといったギター、BBやJBといったベース、YDならドラム、SKやCPと
いったキーボードなど、あらゆるものがこうした品番で整理されていました。
元々はSBと整理されていたベースもありましたが、システムボードの発売に
よって品番を取られてしまい、あえなく絶版になるという不幸もありました。
最近は80年代から2000年代初めにかけての機材に人気が集まって、中古が高
値で取引されています。
ただ、SB-200は中に組み込めるエフェクターがなければ使えず、それも特殊
な改造をしないと他社のエフェクターが組み込めないなどもあって、果たし
て価値があるのかどうかもよくわかりません。
日本がまだ元気だった頃を偲ぶには相応しいかもしれませんが、いったいど
う使うんだろうなって不思議に感じました。

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