記者会見「国連ビジネスと人権作業部会による訪日調査最終報告書の発表を受けて」(2024年5月30日) 個人的まとめ



(平本氏)
 現在、元代表という立場になります。協力関係にあり、また新旧メンバーとの関係性も良好に務めながら、ジャニーズ問題を休むことなく継続しながら活動しております。
 一時期、心臓疾患によって動けない時もありましたが、この国連については、ファーストインパクトを取ったのが自分だったので、そこからの付き合いの中で、「ヒューマンライツ」さんとの協力をいただきながら、待ちに待った報告が開けられたということで記者会見、久しぶりに皆さんの前に登場させていただきました。


(石丸氏)
 ジャニーズ問題当事者の会副代表石丸です。よろしくお願いいたします。
今回、昨年の「国連人権理事会作業部会」のレポートがHP上で公開されたことを受けまして、それについての所見を、本日は述べさせていただきたいと思っております。

(川井氏、上田氏、奥村氏の挨拶)

(伊藤氏)
 昨年7月8月と「国連作業部会」が訪日し、当事者の皆さまとお会いになったということが、一つ重要な問題として日本社会でも取り沙汰され、社会問題として取り上げられてきた。
 数百人と言われる性虐待ということが、初めて国連によって質疑され、それを受けて事務所の方でも認めるという経緯があります。
しかしながら、その後の状況というのは、こちらの報告の中では非常に問題があるということで、「パラグラフ73から76」に記載されているが、かなり深刻な内容になっているのではないかという風に思っている。
 ここでは、エンターテインメント業界における、性暴力性加害性虐待の不処罰の文化があり、これが全く、なかなか無くなっていないということを、大きく問題視しております。
 そして、ジャニーズ事務所の関係について、こちらで被害補償が行われているということですが、「パラグラフ76」で書かれている通り、補償のプロセスが被害者の気持ちに寄り添ったものとなっていない
特にカウンセリングが行われていない、それから弁護士費用などについても援助がないため、弁護士が同席しない場でヒアリングが行われているということがあり、補償について非常に問題があるのではないかということが指摘されております。
 それから最後の勧告、「パラグラフ86」において業界全体として、しっかりとした苦情処理機関も持たなければならない。そして、その内容というのは、「ビジネスと人権指導原則」、特に「31」で、公平性透明性ということが謳われているが、そういったことが必要なのではないか。
 そして現在、配慮した形でそういった苦情処理の機関が手立てされ、有されなければならないということが、要請されております 。
 はたして、これが実現されているのかということを、この一年間私も見てきましたが、女性の権利や性暴力の問題を取り扱っている私の立場から見ても、非常に遺憾だという風に思っております。
 今回の最終報告での勧告を踏まえて、もう一度、事務所には再考していただきたい、というのが私の率直な考えです。
 また、この報告書の中では周辺企業の責任ということも書かれています。
被害救済そして被害防止がなされるように、そういった取り組みを企業がしているのか、ということも引き続き問われていくと思いますので、今後とも、この問題がしっかりと日本社会の中で問われていく、そして、被害者の方々の人権が回復されるように、私たちみんなで実現していかなければならない。

(平本氏)
 個人的なお話というか、経緯を。
昨年の6月14日、自分の誕生日に、何かできないかと。
その1ヶ月近く前、ジュリーさんが初めてビデオで謝罪をしたタイミングで、メディア・マスコミの皆さんは、報道はして下さったのですが、波がちょっと消えつつあるところで、自分でこの波を取り戻せないかなと、なんとか手はないか、そう模索していたところ、自分自身あるいは他の被害者の声を聞いている中で、これは、もしかしたら人権を侵害されてるのではないかと、初めて自分の、気持ち、心、頭の中で人権という言葉が浮かんだ。
 その人権に対して、どういったものが、この世にあるのか、インターネットで検索を色々してる中で、まさかの国連HPに行き着いた。
そのHPから初めてメッセージを送ったのが6月14日でした。
それがどうということではないんですが、自分の中では、まだ1人で活動をしていた中で、できることの一つとして、連絡を取っていました。
 その1ヶ月半後、7月に「ビジネスと人権作業部会」が来日されて、この調査を行うと。
 もちろん、前半でも、おっしゃっているように、このジャニーズの問題だけではなく、日本にある人権問題に対して、あらゆる中の一部で、ジャニーズ事務所、そして被害者である僕たちも参加して、ヒアリングを東京大阪で各メンバーほぼ全員出ました。その時の内容は、当時記者会見をさせていただいたんですが_
 お会いした時に、自分が最初に送った手紙が、しっかり届いてますということ、そしてそれを作業部の皆で共有してますということをおしゃっていた。
そしてなおかつ、あなたは救われるべき被害者だということを、直接言葉で面と向って伝えられた。
それがすごく印象的で、今は忘れられません。この国連という組織の中で作業部会という方々が来日して、調査を行い、個人個人、被害者の人たちと向き合いながら、この問題を解決に導くというよりも、問題提起を日本に改めて申し立ててくれるような、そういった印象で、自分たちにとっては、本当にものすごいバックアップ、自分たちではできない、発信力ですよね、そういう力。
 頼るところもなかったし、そもそも話を聞いてくれるところも、人も無かった中の35年間の告発から、一人でやってきたところ、ある意味初めて、こんなに真摯に話を聞いてくれる。
面と向かって救われるべき被害者だと言われて、生まれて初めてだったので、すごく感動したヒアリングの時間。
 その後、記者会見も行い調査が継続され、今年の1月2月ぐらいですかね、ヒアリングに参加させていただきました。
僕は去年から今年にかけて5回の報告書を送りました。
被害者代表として送っております。そこには、あらゆることの、事実、真実、ねじ曲げることなく、あるいは被害者が決して有利となるようなものではなく、事実として日本で行われた、あるいは行われている、起こってしまった惨劇について、自分たち被害者が置かれている立場といったものを、本当に直接、文章で1万2万字程度は書いてると思います。
 最終的に書いたのが4月でした。そこには、被害者の気持ちもそうなんですけど、報告書にもある、ジャニーズ事務所だけではなく、その関連企業、そして、今新しく活動を始めた、スタートエンターテイメント社。
 こういった関連会社、組織構成の中で、どのように問題が扱われているか、意識としてあるか。
そして、関連会社、メディアの皆さん、また、スポンサーの皆さんもそうですし、今この調査から一年経った上で、この人権意識っていうことが、今、課題として残されているものなのか。
各HP、スマイルアップもそうですけど、人権意識はコメントとして、総括されて、残されていますけども、それは、果たして行動に伴ったものなのか、事実として確かめる術がないまま、外見的なものを見て判断するしかないんですけど。
 今、私たちが置かれている立場、被害者目線で言えば、ここに寄り添った確定的なものではないという意識が、まだあります。
そういった意味では今回の国連の発表を受けてということであれば、まだこの問題は、解決には程遠い、憂慮すべき問題、課題が残されている。
 そこはある意味、これで解決だ、終わりだと言われるよりも、はるかに、安心というわけではないが、解決できない問題というものが、現状としてあるので、まだまだ考えるべきこと、あるいはやるべきこと、また被害者たちもね、自分たちに課せられた使命、宿命、とは言いませんが、その思いで行動、あるいは発言の1つで意識も変わってくるのではないかと、そういった意味では、活動も辞めるに辞められない。
 そういった所に苛まれる部分もあるんですが、国連にしても、まだこれが、どのような形で、本部に発表され、会議にかけられ、改めて6月の発表という形になるか。
 その短い間に、スマイルアップに課せられた課題が、解決するということではないにしても、全体意識の中で、これだけ大きな騒ぎ、そして集まってくださったメディアの皆さんの力も当然必要ですし、やっぱり先生もおっしゃったように、国連報告の中の、本当に一部にしか過ぎないジャニーズ性加害問題、だけど、大きく取り上げられるということは、願い気持ちとしては人権意識が高まること。
 必ず加害があるから被害がある。そもそも加害がなければ……。そういった所、夢物語みたいなところに行き着いてしまう所もあるんですが。
 まずは企業もそうですし、その問題に際して、それぞれが見直していただける部分あるいは考え直していただける部分があれば、もっともっと世の中良くなるんではないかと、そういう思いです。

(石丸氏)
 私からは3点申し上げさせていただきます。
まず、レポートの第75項の書き出しの冒頭の部分です。
「リメインズプロファウンドアラーテッド」という風に表現されています。
これを見て、すでに報道等で拝見しておりますが、日本語訳として「深く憂慮する」とか「懸念をする」というような訳がなされておりました。
しかし、私の認識としては、ここで「憂慮する」とか「懸念する」という温度感の表現を使うのであれば 、「コンサーン」という言葉があるので「コンサーンド」という言葉を書けば、そのまま深い憂慮ということになります。
 しかし、ここで使われてるのは「アラーテッド」です。
これは「警告する」「警戒する」という意味を多分に含んでいる言葉です。
もちろん「プロファウンド」という副詞が「深く」という意味ですので、それを日本語訳すると、おかしな日本語になってしまうので、「深い憂慮」という言葉になったのかもしれませんが、その記事を書くにあたり、報道するにあたり、警告を受けているんだということを、是非報道各社の皆様方には加味して、記事を構成されることを望みます。
 もう1点 、今回の報告ではメディアが数十年にわたり、ジャニーズの性加害隠蔽に関与してきたことが指摘されています。
これは特に各テレビ局が自社で検証委員会を設置して特別番組をやりました。
しかし、私がずっとぶれずに言っているのは、第3者委員会を立ち上げてやらないと、全容解明には至らないのではないかということです。
 ここで今回国連から改めて報道各社の関与がわざわざ記述されているということを、報道各社の皆様には深く心に刻んでいただいて、改めてこの問題はまだ終わっていない、全く救済の手が及んでいない人が、まだ数百人もいるということを、肝に命じてしっかりと報道していただきたいと、これが2点目でございます。
 そして3点目はスマイルアップに対すること。
実は昨日、東山社長と私は面会してきました。
そこでスマイルアップがやっていることは100%ではない。
まだまだこれから改善の余地があるということを聞きました。
 国連の作業部会の記述でも一定の評価ができるものの、例えば伊藤先生から概略的にご説明がありましたが 、
弁護士費用を負担しないとか、心のケアの相談窓口に不備があるとかありましたが 、それ以外にも例えば補償のあげ方とか、そもそも補償金額の設定の仕方がどうなのかとか、
改善していかなければならない点は、大変大きくあると考えております 。
 どこかの取材にスマイルアップが答えていて、指摘を真摯に受け止め、改善すべきところは改善する、という趣旨の回答をしたという風に見受けおりますが、スマイルアップ社には、是非真摯に国連の指摘を受け止め、被害者から上がってくる声に真摯に向き合い、全ての被害者を補償救済するということに、一途邁進してもらいたいと切に願っております。以上です。
ありがとうございます。

(川井氏)
 私からはまず国連の発表を受けてということと、経緯ですね。
私の経緯と、現在の気持ち、旧ジャニーズ事務所に対して求めたいということをお話ししていきたいと思います。よろしくお願いします。
 今月28日に「国連人権理事会作業部会」の公表を受けて、被害者の気持ちを汲み取ってくださる内容に感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 私は昨年9月に、旧ジャニーズ事務所に被害者であることを告白しました。
対象外とされた方の気持ちでもあるんですけど、同じく、昨年10月に被害者救済委員会から、あなたは在籍確認が取れないという趣旨の連絡がメールで来ました。
そこで平本元代表が旧ジャニーズに対して、所属外の被害者もいることなど、掛け合ってくださり、ようやく今年の3月13日に、認めていただけることとなりました。
 被害者の1人として現実に思うことは、当時未成年者の子供の頃に、性加害をジャニー喜多川から受けた、心と体の傷は深いものであり、今でも癒えることはありません。
約60年間もの間、子供に対して性加害を繰り返していたと、考えるだけで今でも震えます。
 そんな被害にあった方々を救い助ける、そういった方法も是非考えていただきたい。
 事務的な作業だけでは救われないのです。誹謗中傷対策も含めて今後さらに心ある対応を望みます
そういったこともお願いしながら私の話は終ります。

(平本氏)
 堀田さんが喋りますが、まず皆様にご認識していただきたいのは、堀田さんは、企業で高い地位にあり、現職でありながら、今回顔出し、実名告発をされるご決意を固めてくださいました。
この事実を是非報道の皆様方には重く受け止めていただき、温かい目で彼の話をお聞きくださればと思います。

(堀田氏)(電波が不安定なためか、一部しか聞き取れず)
 今回国連の人権作業部にて最終報告で頂いた言葉は被害者として強く心に響くものだった 。
私は被害者として申告させていただいて__
被害確認もなくメールで連絡__

絶対に被害にあっていたにも関わらず、何の理由もなく_
本当に調査したのか憤りを感じます。
この度告発させていただいているのも___

様々なリスクがある中で、この補償を求める道のりが長くなく、短くなってほしい
スマイルアップに私は再調査と対象外___

(上田氏)
 九州在住の上田と申します。この度は参加させていただいて、大変ありがとうございます。
 この度の旧ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川さんによる性加害報道を受け、私自身もかつて彼に同様の被害を受けておりましたので、同じく告発に至りました。
 私自身は、当時大学生でありましたため、就職活動の一環として、旧ジャニーズ事務所へ出入りさせていただいておりました。
 当時の具体的な状況につきましては、時間の関係もありますので割愛させていただきますけれども、昨年の勇気ある告発から、一連の報道や、旧ジャニーズ事務所への被害者救済の求めなどに関連して、テレビ局、それから新聞社など、報道機関数社による取材にも、対応をさせていたいております。
 スマイルアップ社担当弁護士によるヒアリングが、本年1月に開催されて、当方の被害状況や、それによる、当時これから就職や世間に踏み出そうとする、私自身の人生に深く関わる影響などを、当事者としてお話をいたしました。片や相手方の当事者であるジャニー喜多川さんは、すでにご存命ではありませんけれども、できる限り事実は客観的に、その当時の思いなどは、具体的にお伝えしてきました。
 しかしながら、事実関係が確認、把握できないとスマイルアップ社サイドからの一方的な理由により、本件被害者として認定できないと、連絡を受け、大変残念に思い、また、この決定には承服致しかねておる次第です。
 本件は私のみならず、数百名にも及ぶ被害者が存在しております。
彼らを含めた一連の告発によって、旧ジャニーズ事務所の実態が解明されつつあると考えております。
 スマイルアップ社におかれては、勇気を出して告発に及んだ当事者である、被害を受けた方々の声を真摯に受け止め、対応していかれることを望んでおります。
 この被害は、過去のことではありますが、その後の被害者の人生に、大きな影響を与え、その方の人生に影を落として、今なお付きまとっている事案です。
旧ジャニーズ事務所や故ジャニー喜多川が犯した罪が消えることはありません。
また被害者の負った傷や苦しみは、金銭で補えるものでもありませんし、その方にとって、この出来事が終わるはずもなく、解決したと言える状況は、永久に来ないのではないかと思われるほどです。
 今回の国連のステートメントは、我々被害者に大きな勇気を与え、それを支援し、後押ししてくれる、重要なものという風に認識をしております。
 本日は、このような機会を設けていただいて、大変ありがたく存じます。
是非、皆様方のお力添えをいただいて、旧ジャニーズ事務所、被害を受けた方々全員への、保障と救済を求めたいと考えております。
是非ご支援ください。何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

(奥村氏)
 改めまして奥村と申します。私は、ジャニーズには所属してなかったんですけれども、かつて、大きな話題となった北公次さん、告発された1990、1989年、その「北公次ファミリー」として、ジャニー喜多川からの被害を訴える活動に、参加していました。当時は、まだ被害にあって日が浅かったものです。
被害を、告白するという気持ちにはならず、告白することは、ありませんでしたけれども、同じ被害を受けた人たちと、同じ時間を、ほんの数ヶ月の間でしたが、共用できたことは、すごく大きな助けとなりました。
 しかし、当時はメディアにも対応してもらえず、とても悔しい思いをしました。
自分の力ではどうすることもできず、心に蓋をして、閉じこもった生活に苦しんできました。
 あれから、35年の月日が経ち、平本さんの活動の効果によって開けた道に、明るい未来を取り戻せると思ったものの、瞬間的にその希望も壊されてしまいました。
 それは私の事実が認められなかったことです。
 救済委員会に申告を行いましたら、ジャニーズ所属では無かったため、即座に在籍確認が取れないと、面談という名の調査に回されました。
面談の相手はスマイルアップでもなければ、西村あさひ事務所でもなく、スマイルアップの用意した、対象外専門と伝えられる弁護士事務所の面談でした。
 その後、被害が認められないとされるまで、3ヶ月ちょっと時間を用して、ようやく連絡が来たと思えば、たった一通の対象外のメール1 本。
 それで、私の36年間の苦しみが、全てなかったものというか、認めてもらえない。
 たった一本のメールだけです。
 結果的には、被害の確認すら、できないとされ、救済の対象外となりました。
そこで、平本さんに相談し、不服の申し立てを行ったのが、つい2週間前のことです。
 対象外とされてしまうと、補償は受けられないことに加えて、長年苦しんだ被害という現実を否定されてしまうことに、悔しさも悲しさもひどく、蝕まれる思いに伏しています。
 そこで、悩んだ結果、実名顔出しで告白することを、踏み切りました。
それも、つい先日のことです。
日本テレビのニュース番組において、初めて実名告白をしました。
それは私ができる最大限の覚悟です。
 本日も、隠れることなく、ここに参加させていただきましたが、私に残された道は、この覚悟という形でしか、表現できません。
リスクしか考えられない、この覚悟と共に求めるものは、被害の認定であることも、スマイルアップに伝えたい思いです。
 決して虚偽や間違いはありません。真実のみを語って、告げてきました。
それだけを伝えたい、これだけは認めてもらいたい、そういう気持ちでいっぱいです。
 そして、今回国連の発表を受け期待するのは、この問題は、まだまだ解決していないということ、そして解決には課題も多く、長い時間がかかるとされた要点が垣間見られる事に、少しばかりですが期待できるものと、自分に言い聞かせました。
私のように、対象外とされてしまっている方々は、90人を超える人数が報告されています。
 まさか、自分がこのような目に合うとは、思ってもいませんでした。
より深く傷付きながら、体はどこまで持つか、分かりません。
それでも、真実を打ち明ける私の話を聞いてくださる方がいる限り、決して、諦めることはなく、立ち向かって行きたい。そのように思う気持ちです。
 メディアの皆様にもお願いです。私のような被害者がいるという現実を見て、真実の報道をずっとこれからも続けてください。
どうかよろしくお願いします。本日はありがとうございました。

(平本氏)
 私から少し補足を。奥村君は、89年の時に、北さんの元に集まった被害者の一人ということで、皆さんもご存じの通り、私と、当事者の会の林さんと共に、喜多川からの被害を訴える、メンバーの1人だった、という過去経緯があります。
 その繋がりもあって、SNSとかで僕と繋がって、やはり、今回告発、実名顔出しに至るまで、結構な時間、半年ぐらい悩んで。
自分の守るべき生活環境がある中で、自分で覚悟を決めて、日本テレビのニュース番組で初めて告白された。
 だからなぜ彼をそうさせてしまったのかっていうことが問題だと僕は思います。
先ほど、先生にもお話しさていただきましたけど、要するに、追い込まれて追い込まれて、行き場所がなくなって、結果、こうでもしないと今スマイルアップは、話を聞いてくれないのではないかと
 そもそも、何を持って、どのような理由で救済対象外となってしまったのかとか。
 その説明がないのは、もちろん当初の川井もそうです。
上田さんもそうです。もちろん堀田さんもそうです。
一通のメール文章の中で認められませんでした。
よって弊社から補償することは致しかねます。
その一通ですかね。
憤りを感じる以外何があるのか。
 まだ、僕に相談をしてくれることで、多少なりとも話相手にはなれるので、なんとかしてあげたいな、という気持ちの中で、できることは、やらさせてもらってます。
 そういった、彼らが理由もなく弾かれているという現状、事実、が目の前にあり、それを証言してくれた、今回3人の勇気ある告白、ということにおいて、しっかりこれ、傾聴していただければと思います。
 また、川井は「敗者復活」というのもおかしいですけど、なぜ当初対象外とされてしまったのか、という理由もなく、また、なぜどのような理由で救済されることに至ったのか。
 さっき彼、言葉が途中足りませんでしたけど、1月15日に、記者会見で初めて顔と名前を出したという瞬間があったんですが、その前後で少しフェーズが変わったというか、認められたのはその後だったね。(はい)
 そういったものもあるし、そういったものが果たして影響しているものなのか、どうなのかっていうのは、もちろん定かではありませんし、もちろんそれを問い立てても、明確な答えが得られるわけではないので、不明なままではありますけども。
 話を少し戻しますと、彼が置かれている今この立場こそ、ちょっとこじつけになってしまいますけど、彼らの人権というものを、大きく損なわれてるのではないかということは、僕は感じておりますし、本人たちも、なぜ自分が、どうしてこんなになってしまったのか、ただただ、正直に自分があった被害、受けた被害を告白しているだけ、告発してるだけ、お話しさせていただいただけ。
 なのに、もっともっと深い傷を受けなきゃいけないのか、なんでこんな悲しく、悔しい気持ちにならなきゃいけないのか。
そこに、過去の大きな問題、今後癒える事のないまま、このまま、じゃあ補償しますよと言われても、じゃあ何故それが補償されるってなったのか、
例え、いい風に転んだとしても、何の説明がない部分、これは石丸も口にしてますけど。
 救済委員会とスマイルアップそのものが悪いと言ってるわけじゃないです。
説明不足であるということが、一つ要因であるということ。
それを公にしろとか、してくれというものではなく、せめて、目の前にいる被害者に対して、説明があっても、いいのではないかという思い。
 自分たちもそうですし、私も石丸も、この現状の中では、まだ救済されてませんので、救済されてない立場において、説明できることも少ない。
なぜかと言ったら、聞いても答えてもらえない部分がやはり多々ある
で、もちろん彼らは、もっと、ひどい状況にある。
 要するに、対応してもらえてない。例えば、スマイルアップではなくて、僕たちが向き合ってる相手といえば、弁護士事務所の先生方なので。
僕個人的にはね、すごく丁寧に対応していただいてるっていう部分があって、そこは文句つけるところは一つもないんですが。
 彼らはスマイルアップより先の先の弁護士事務所に回されて。
それが、いけないことではないですよ。
いけないことではないし、それが、取り決められたルールが1つあるならば、それはそれで甘んじて受けたとしても、やはり、しつこいですが、そこで受けた、伝えた事実と返ってきた答え、回答のちょっと差が余りにもあるのかな。
 しつこくなりますが、今回行き場がなくなった上で、こうするしか手がない、名前も顔も出して、自分をさらけ出して、リスクばかりの、この荒波の中に自分を投げ込むしか、もう行き場がなくなったという、そういう覚悟の思いを、是非、皆様にも理解してもらいたいし、また、ちょっと余計なことかもしれませんけど、彼らも今後、自分の気持ちの上で、取材等々個別にも受けさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

(石丸氏)
 こういうことが起きないように、私ども当事者の会は、当事者の会から推薦する者を救済委員会に入れてほしいという事を、強く進言してまいりました。要請してまいりました。
 結果、その案は撥ね付けられましたが、その結果起こったことが、こういう、実際被害に遭われているのに対象外という方々が生まれてしまった。
 もちろん、中には虚偽で申請した人もいるでしょう。しかし、これはジャニー喜多川がもう存命でない中で、そういう虚偽の申請を、いたずらでしてくる人間がいるということは、スマイルアップも覚悟をして、きちんとヒアリングをして、判断する必要があると思っています。
しかし、その時に弁護士を相手に語らなければならない。
例えば、再発防止特別チームの時は、斎藤先生が親身になって話を聞いてくださいました。
 しかし、今回の救済委員会や、またはその別の法律事務所に行かれた方々は、そういう臨床心理士の方のサポートを受けて話をできるわけではありません。
また、そもそもが、30年前40年前20年前の出来事。
忘れたいと思って、打ち消そうとして、記憶が曖昧になっている事もあります。
 私自身、救済委員会に行った後に思い出した事実もあり 、そのことは、スマイルアップに、被害の状況で伝え漏れたことがあると、お伝えしました。
なので、私でも覚えてなかった事を、後から思い出すことが出てくるような昔のことを、いきなり、初めて会う弁護士相手に話せるでしょうか。
 そこで、正確なことを言えるでしょうか。言えない可能性の方が高いんじゃないか。
 ですので、そのヒアリングの際には、スマイルアップ側は、1人1人に毎回臨床心理士をつけることはできないと、救済委員会は言っておりました。
被害者側で、準備をする分には構わないということを言っておりました。
しかし、じゃあその費用はどうするのか、自己負担なのか。
被害者が自己負担をして、臨床心理士をを雇い現場に行くのか。
これが、補償救済なのかという事。
 そういう事実が内包されているということを、マスコミの皆さんには、今、現状そういう状態なのだという、全く進んでいないし、解決もしていない、道半ばというよりも、始まったばかりの状態であるということを、改めてご認識いただき、日々の報道活動に繋げていっていただきたいと切に願う次第であります。

(伊藤氏)
 今日初めてお会いする方も多かったんですが、非常に衝撃を私も受けました。
何十年間と被害を否定されてきたにも関わらず、今回もまた被害を否定されるということの、人生における、どれだけの衝撃だろうと、
どれだけの心理的な苦痛だろうということは、本当に計り知れないものがあるという風に思います。
 かつ、それが全く説明がないというのも、非常に問題だなっていう風に思いました。
 1枚の紙切れで、何十年間も待ってきて、そして、今回ようやく被害救済委員会が立ち上げられたにも関わらず、何ヶ月も放置されて、そして、急に1枚のメールで、十分な理由も説明されないということ、非常に問題だという風に思う。
 再発防止特別チームのところでは、独立した被害救済委員会において、やっていくんだというような話がありましたし、
その際には厳格な証明を求めないというような話があったと思いますが 、
それは一体どこへ行ってしまったんだろうと
、被害救済委員会じゃない法律事務所、今そうですよね?
(平本氏)
 所属が認められる、又は、それに近い方は救済委員会が継続して、調査します。
または、そこから対象外あるいは、在籍が認められないとなっても、西村あさひ法律事務所が対応します。が、最初の時点で、申告の時点で、所属していないと、自分自身でも理解してる人たちは、どちらでもなく、救済委員会でも、西村あさひでもなく、そこ以外の法律事務所がいくつかあるんですけども、そこに、言葉はちょっと語弊を生むかもしれませんが、ちょっと回されてしまうと。
 そこでヒアリング面接という形で、オンラインもあるんですけども。
そこから来る、これまた誤解を生むかもしれませんけど、そこからくる相談者が、いわゆる「対象外になってしまいました」「救済されませんでした」「どうしたらいいですか」、というような相談が来るケース、確率が非常に高い。
それが偶然なのか事実そうなっているのか。
 あまり余計な事を言うとあれですけども、対象者というものの大前提に、所属していたかどうか、在籍確認が取れるかどうかということの、ふるいがある。
そこの大きな別れ道に立たされ、勝手に進ませられると。
 そのやり方は、いかがなものかということについては、東山社長に会って直談判してますし、要請も去年10月に散々出して、お話もさせてもらってます。
ジャニーズ事務所に所属していたかどうかではなく、被害にあったかどうかの部分を、是非見極めてくれと。
 被害にあったならば被害者であると、被害者であるならば救済されるべきである、ということを強く訴え続けて、去年要請書を出して、その後2回面談して、東山社長にも直接。
彼は彼で「分かった」っていう、なんかそういう感じでは言ってくれて、
事実、その12月に入ってから最初、所属していない方も、在籍確認が取れない方も、被害を受けているなら対象とされて、もちろん、補償も受けるということを、公にはしてもらいましたけど。

(伊藤弁護士)
それで川井さんは、在籍確認が取れないと言われたが、今はヒアリングを受けていると。
(平本氏)
本当に偶然的かはともかく、名前を出して、顔も出して訴えたところ、ちょっとフェーズが変わった。
そういう事実があるないは別ですよ、でも完全に認められたのが3月13日。
だからといって、まだ解決完結はしてないですよ。まだ抗ってる最中。
(石丸氏)
本当に被害に合っているのに対象外にされてしまったという事実は、これこそ人権侵害だと思うんですね。
100%確実に、こいつは嘘を言っている、という風にスマイルアップが言いきれるのであれば、それはそうなのかもしれませんが、そうでないのであれば、最後1%まで一緒に、共同作業で掘り起こしていくということが、スマイルアップ側に求められることではないでしょうか。
私はそう思います。

(伊藤氏)
 臨床心理士の方も再発防止特別チームの時は認められてたけれども、今回認められていない。
 それを、何回も何回もいろんな人が言ってます。そうすべきだっていうことを何度となく、私たちも問題提起したりとか、いろんな方が問題提起していても、それに対する説明もない。
 だから被害者の方が、突然弁護士事務所に行って、45分間の面接で弁護士と対峙するっていうのが、どれだけ厳しい事か、私も本当によく分かりますけれども。
国連でもその点は指摘されてましたけれども、この状況は本当に改善してもらわないと。

(石丸氏)
 特に1対1ならまだしも、1対3とかのケースが多いので、3人の弁護士を前に、そもそも、その話をすること自体が恥ずかしい。
私たちみたいに、もう顔と名前を出して、いい意味で慣れが出てきてしまえばいいんですけど、
 ほとんどの方々は、勇気を振り絞って行ってみたら、そこに弁護士が3人いたという状況下に置かれるので、その精神的ストレスを考えると、これはもう十分その段階で、人権DDに反しているという風に言わざるを得ないと、私は考えています。
(伊藤氏)
「ビジネス人権指導原則31」という所で、今回の勧告でもありましたけれども、そこで、しっかりとした被害救済窓口がなければならないという風になってまして。
 そこでは公平であることとか、透明であることとか、非常に色々な要件が課されて、アクセスがし易い事とか、被害者に寄り添ったものでなければならないということは書いているんですけれども。
 その要件を非常に満たしてないような形になってるのではないか、ということを、私も危惧しております。
 今回、報告書の中で書かれたのも、その部分であったのではないかという風に思っています。
今回本当に堀田さん、わざわざいらしていただきましたけれど、お仕事もあって実名で顔出しもされるっていうのは、本当に大変な覚悟。

(平本氏)
気持ちを伝えてくれる力を持っているのはメディアの皆さま。本当にお力を借りなければならない。
彼らが救われる道筋の一旦でも担っていただけると、ありがたいです。
(石丸氏)
きちんと報道してください。こういう事実がまだあって、非常に問題点が深く多くあるということ報道してください。
でなければ、このまま何もなかったかのように過ぎ去ってしまうことが、私は大変恐ろしい。
この問題は現在進行系であるということを強く申し上げておきたいと思います。ありがとうございます。

(伊藤氏)
 補償は終わったように言われてますけれど、大体補償はすごくちゃんとやっていて、この問題解決に向かってるんじゃないかという風に思われてますけれども、今のお話を聞いていても、全くそういうことではないと
 そして、救済外とされた方々というのは、もしかしたら虚偽のことを言ってる方々なんじゃないかという風に、そういったミスリーディングな、受け止めをされてる方がいらっしゃるのかもしれないが、それがどれだけ被害者の方々を傷つけるのかっていうことを考えながら、報道していただきたいと思いますし、メディアの責任を果たしていただきたいなと思っております。

(石丸氏)
 今回の国連の発表の中では、国に対する言及がありませんでした。
これは、一点残念なことです。
本来、国が主体的にこの問題を含めて、日本版DBSは先般通りましたけれども、まずは被害者、ジャニーズの被害者の声を聞くということを、政府が行わないと、構造的な問題が改善することは、非常に難しいと考えております。
 DBSが設置されたからと言って、じゃそれで性加害がなくなるのかと言ったら、そんなことは全くないと考えております。
であるからこそ、この声を上げている当事者がたくさんいる現状において、改めて私は、加藤こども政策担当大臣には面会を希望したいと思っております。

(上田氏)
 なかなか難しい問題なんだろうなという風には、感じております。
ただ我々が、こうやってお話をしていることについて、疑義があると、どうしてそういうことになったのか、どういう経緯だったのかという、突っ込んだ質問もなく単に信じられない、ということで否決されたという状況ですので、何らかそこら辺のですね、詳しいヒアリングでありますとか、我々が、じゃあなぜ、こういうことに至ったのかという風な、当時の経緯でありますとか、思い出す限りのことは、申し上げていきたいという風にも考えておりますので、このままではなく、もう少し、真摯な対応を求めたいという風に考えております。

(奥村氏)
 スマイルアップ側がよく口にしている、被害者に寄り添った対応ですとか、丁寧な対応、こういうものを、私は被害を申請してから、1度も感じたことがありません。
昨年10月ですか、当事者の会の男性が亡くなりましたが、今、その方が亡くなった時の気持ちが、自分はすごく分かります。
自分もいつまでこの気持ちが持つか、ある日突然気持ちの糸が切れてしまうか、とても不安で仕方がないんです。
 スマイルアップがこのような対応をし続ける限り、また同じように、犠牲になる人が、自分を含め出るのではないかと、とても危惧しています。
スマイルアップの関係の方が、これを見ているか分かりませんけれども、是非とも、もうそういう悲しいことは起こらないためにも、真摯な対応を切にに願います。

(伊藤氏)
 今後の予定としては、6月25日か26日に「国連人権理事会」で、今回の作業部会の議長をされてる先生が、このレポートを報告して、そこで各国人権理事国との間での、質疑というものがあります。
 その際に私も、ジュネーブの方に行く予定にしております。またできれば、サイドイベントを開催したいということで、今調整をしております。
26日の現地時間の遅い午後の時間 、4時過ぎぐらいにサイドイベントを開催したいという風に思っております。
 今回、東京からの費用の問題もありまして、欧州にいらっしゃる二本樹さんに1日だけですが、26日来ていただいて、参加をいただくということになっております。
そちらの本会合の方にも、二本樹さんにも参加をいただくいうことで考えております。
 またそのサイドイベントは、ジャニーズ問題のみならず、福島原発事故や、全体のビジネスと人権に関する問題について、ピチャモン先生それから_先生もご参加されるということを聞いております。
 それが、一つのまた関心を集めるきっかけになればという風に、願っていますし、スマイルアップ社は声明を出したようなお話もありますが、会見をして、しっかりとこの問題に対応すべきなのではないか、という風に私は個人としては思います。

(平本氏)
その後にまた機会があれば、タイミングを見てまたこのような機会を、予定ではないですけど、気持ちの上で心づもりしてる所です。

(石丸氏)
 総括ができるような状況になれば、総括の会見というものは考えられると思うんですが、なにぶん、今現状はこうなので、とてもではないですが総括できる現状にはありません。
 ですので特にスマイルアップ社には、この今回の配信動画、見てると思うので、是非物事を先に進めていただいて、まだ人権侵害を行っている状態に置かれているんだということを、国連から指摘されているんだということを、改めて認識してもらいたいと思います。
(伊藤氏)
 本当に勇気を出して声をあげた方々が、かくも傷つけられて、未だに苦しい思いをされているというのは、これが、ビジネスと人権が保障されてる国とは、とても思えませんので、こういった事態を変えるために、私たちも人権団体として、微力ながら力を尽していきたいと思います。
 メディアの方々、多くの力を持っていらっしゃると思います ので、是非報道をしていただければと思っていますし、スマイルアップ社には、皆さんの報道を通じてきちんとした、説明責任を果たしていただきたいということで、この二部を締めさせていただきたいと思います。


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