kiko kostadinov×asics

JAPANFASHIONBEAUTYCELEBRITYLIFESTYLECOLLECTIONHOROSCOPEVIDEOVOGUE SHOPFASHION / TREND&STORYスニーカーは即完売。気鋭デザイナー、キコ・コスタディノフの実力。今、ロンドンを拠点にする若手デザイナーたちが頭角を現している。その中の1人が、キコ・コスタディノフだ。2月初旬にドーバー・ストリート・マーケット・ギンザで発売されたアシックスとのコラボスニーカーは即日完売した。彼は一体、何者なのか? コラボの制作秘話や少数精鋭のチーム編成の理由など彼の頭の中を覗いてみたら、そこには服に対する真摯な姿勢が見えた。VOGUE JAPAN2018年3月6日コラボレーションにおいて最も守ろうとしたものとは。キコ・コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)1989年、ブルガリア出身。現在、ロンドンを拠点にし、セントラル・セント・マーチンズを卒業後、自身の名を冠したブランドをスタート。マッキントッシュのプレミアムライン「MACKINTOSH 0001」のディレクターも務めている。キコ・コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)即日完売したコラボレーション・スニーカー「GEL-BURZ 1」は、アシックスのランニングシューズの「GEL-NIMBUS20」とトレイルウォーキングシューズ「GEL-VENTURE6」を掛け合わせて完成。3色のラインナップは、2018年春夏シーズンのキコ・コスタディノフのコレクションと連動している。ーー今回はアシックスとのコラボレーション・シューズ「GEL-BURZ 1」のローンチインスタレーションの為に来日されましたが、これまでも東京には何度も訪れているのですか?東京に来るのは、これで6回目になるよ。前回もマッキントッシュのカプセルコレクションの為のインスタレーションをドーバー ストリート マーケット・ギンザ(以下DSMG)のエレファントスペースで行ったんだ。今回は神戸にあるアシックスの本社にも行ってきて、打ち合わせや企画会議、そして社屋でのファッション撮影などもしたよ。その後、東京に戻って来て、今回のインスタレーションのためのモデルキャスティングや打ち合わせを行ったりしていたんだ。とても忙しくしているよ。ーーアシックスとのコラボレーションを行うことになった経緯と、今回のインスタレーションのコンセプトを教えてください。元々、アシックスはずっと愛用していたくらい大好きなブランドだったんだ。そんな彼らから2年前くらいにコラボレーションのオファーをもらえたことはとても光栄だったよ。アシックスが持ち合わせる素晴らしい技術力を維持しながら、ビジュアル的な付加価値を付けていくというシンプルな作業だった。ファッションに寄せすぎた、奇抜な手法ではなく、あくまでアシックスというブランドのアイデンティティにプライオリティを置いたコラボレーションだと考えている。結果的にとても納得のいくシューズを作れたと思っているよ。今回のインスタレーションに関しては、半年前に東京に来たときに、DSMGからオファーをもらったんだ。メイン展示スペースであるエレファントスペースを使って、マネキンではなく、実際のモデルを起用したプレゼンテーションをやろうという話で。この場所で、実際にモデルを起用した試みというのは今までやったことがなかったらしく、とてもエキサイティングな企画だったよ。そこから、半年かけてアイデアを練っていく過程で、ヘアメイク・アーティストの加茂克也さんにも参加してもらうことになったんだ。コンセプトは1月にロンドンで発表した自分のブランドの2018-19秋冬コレクションがベースになっている。このスペースをモデルたちが実際に暮らす場所として見せるアイデアだったんだ。上下に可動するベッドや、手すりなどの家具に見立てた器具を用意して、そこでインタラクティブにモデルが過ごしていくという。キコ・コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)キコ・コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)2月初旬、日本人モデルを起用したインスタレーションをDSMGで開催。加茂克也インスタレーションで使用したヘッドピースは、絶大な信頼を寄せるヘアメイク・アーティストの加茂克也さんによるもの。ーー使用された器具は医療用のものだと思うのですが、その理由は?シンプルに色や形がとても特別で変わっていたから、僕らのコレクションにピッタリだと思ったんだ。完全に視覚的な理由で、逆に病院のようなシチュエーションにしたいのではなく、あくまでモデルたちが住んでいるリビングルームの家具のようなイメージで選んだんだ。だから、医療というキーワードは一切無い。インテリアとしてあのスペースにフィットする家具というか器具をリサーチした上で、あの医療器具を使うことにしたんだ。ーー加茂さんとのコラボレーションはどうでしたか?加茂さんとの共同作業はいつだって楽しいよ。とてもスムーズに物事が決まっていくし、最低限の会話だけでお互い理解しあえるからね。彼とは2年前に雑誌の撮影を一緒にやって以来の関係で、1月のロンドンでのショーでもヘッドピースを手がけてくれたんだ。今回も最新コレクションで使用しているファブリックやアシックスとのコラボシューズのパーツなどを幾つか用意しただけで、あとはすべて加茂さんにお任せだったよ。彼のことを100%信頼しているからね。ーー今回のアシックスとのコラボレーションではウィメンズサイズまで展開されていますね。1月のコレクションでもショーの前半はウィメンズルックから始まりましたが、ジェンダーに関してどうあるべきだとお考えですか?シューズに関しては、ウィメンズというカテゴライズではなく、あくまでユニセックスというイメージかな。サイズの幅をとても広くして制作したというだけで、メンズ/ウィメンズという区別はしていないんだ。逆に自分のコレクションに関しては、完全にウィメンズウェアとして発表した。その後に登場したメンズウェアとはファブリックやカッティングなども完全に異なるコレクションさ。ウィメンズで発表したシーズンキャラクターがメンズウェアにも影響をどう与えるかというのが大切だったんだ。実際に来シーズンにまたウィメンズをやるかどうかも分からないくらい実験的なアプローチだったよ。ーーマッキントッシュとのコラボレーションは最初からユニセックスでしたね。マッキントッシュの場合は全く異なるシチュエーションだからね。あれはマッキントッシュの為のデザインであり、自分のブランドは自分の為のデザイン。マッキントッシュには彼らのシーズンコンセプトがあり、それに沿って考えるからね。自分のブランドの場合は自分自身ですべてのコンセプトを考えられるから、シーズンによっては1ルックだけのコレクションだってあり得る。シーズンごとにクリエイションについて話し合っているから、ジェンダーについて特別に考えるということはないかな。実際に近年のファッション界においてジェンダーの考え方が大きく変わってきていることは理解しているし、現代はよりジェンダーフリーな表現が当たり前になっている。ただ、どういう表現が正しいのかは未だ分からないし、僕はまだ2年しかファッション業界にいないから、正直そこまでジェンダーについて気にすることはないかな。ジェンダーフリーという考えもある意味ではとても自然なことだしね。インドでは男女ともにスカートを履いているわけだし(笑)。キコ・コスタディノフ 2018-19秋冬コレクションのショーでは、最初の8ルックをウィメンズ向けとして発表。“服を見て、服を買って、服を着て。全ては服への敬意”ーー現在、ブランドのチーム編成はどのようになっていますか?とても幅広い世代の人が携わっているよ。15歳でロンドンに来て以来、さまざまな人たちと仕事をしてきたし、よりプロフェッショナルな人との仕事を優先するとなると、年齢や世代というのはあまり重要ではないんだ。あと、多くのファッションブランドはインターンを起用することも多いけど、僕はインターンを雇ったこともない。色々と説明する時間が取れないという理由もあるけど、よりプロフェッショナルなスタッフだけで制作をすれば、より効率的に進むしね。現在、スタジオには縫製、パターン、アシスタント、マッキントッシュデザイナー、コマーシャルなどで総勢7人のスタッフがいるかな。これでも増えたんだ。DSMGでは、すでにキコ・コスタディノフの春夏コレクションが並べられている。ーーSNSなどでストリートの一般の人たちのスナップをしてアップされていますが、日常の中にインスピレーションを見出すことも多いのですか? また多くの人は、あなたのデザインの特徴にワークスタイルというキーワードをあげますが、どういうところに影響を受けていますか?さまざまな地域のローカルな人たちの装いを見るのはとても興味深いことだよ。文化が異なれば、着る服も変わるし、プロポーションやカラー、シルエットなど多くの発見があるよ。シーズンテーマに関しても、毎回が旅のようなものだから、できる限り多くの物事を見て、経験することでストーリーを作り上げていくんだ。とても有機的なプロセスでクリエイションするから、ムードボードを作ったりもしない。シーズンごとに、とてもフラットな状態で制作しているから、発表するアイテムもその時々の気分で変わるし、過去に作ったアイテムをベースに発展させることもよくある。多くの人が僕のデザインのベースにワークウェアがあると言うけど、きっと3年前の卒業コレクションを見てのことだと思う。実際に最近のコレクションではワークスタイルというのはあまり出していないと思うし、さっき言ったように、毎シーズンで新しいストーリーを考えるわけだから。6カ月という時間で多くのことは変わっていくから、その間にたくさんの経験、対話、議論をすることで変化していくことが大切だと思っている。服を見て、服を買って、服を着て。全ては服への敬意だと考えているよ。Photo: Koutarou Washizaki(Portrait) Text & Interview: Akira Takamiya Editor: Maki Saijoキコ・コスタディノフ / KIKO KOSTADINOVVOGUE RECOMMENDSCOOKIE 設定© Condé Nast 2023
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