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誰かに言いたくなる恐怖体験


Mr.ランジェリー。さんの企画
「誰かに言いたくなる恐怖体験」に
参加させていただきます。

なお、細部に再現すると
個人情報に触れますので
多少端折ったり、多少のアレンジを加えています。

場所も特定しません。




ある日、ある場所の午前中の
通勤ラッシュ時に
私は自転車でメール便の配達をしていました。

道路のコーナーを左に曲った50m先の左側が、最終配達場所でした。

自転車は左側通行なので
そのまま、ポストに荷物を
投函すると、そのまま折り返しました。

当然、右側通行になるのですね。

左側通行にするには、車通りが激しい道を横断しなければなりません。
そんな危険な事は出来ないので、右側通行で折り返しました。

道路コーナーに近づくと、いきなり乗用車が猛スピードで曲ってきて、私の正面まで
突っ込んできました。

若い女の顔が、眼前に飛び込んできました。

「アッ、死ぬ!。この顔が見納めか!」

若い女の顔が引きつっていました。

その時、女は急ハンドルを切り、自転車の左ハンドルと左ペダルを擦って通過しました。

かなり乗用車は後でとまり、女が駆け寄ってきて、

「今、飛び出したでしょ!」

私は驚き、口も聞けませんでした。

警察が来て、現場検証が始まったのですが、警官は女の肩をもち、

「自転車は右側通行してはならん。」

と怒られました。

私は左手を怪我していたので
自力で病院に行き、治療して貰いました。

こんな女は許せない、と思い
示談は拒否し、警察に被害届けを提出しました。

生命保険会社から連絡があり、私も右側通行の違反をしていたので、被害者側にも責任があり、保険金は1回の通院費のみ。

「何でやねんっ!」


死ぬ目にあったメール便の配達を辞めたのは、言うまでもありません。


月に2万円の収入は途絶えましたが、命は助かりました。




           完


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