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お菓子の物語⑰プリン┃松下友香さん


妻が独身時代の高校生の頃の話です。

妻の家庭はとても貧乏で、プリンなど買ってもらえなかったようです。

でも、思いきりプリンが食べたいと言うことで、思いつきました。

「そうだわ、プリンを買ってもらえないなら、私のお小遣いでプリンの材料を買ってきて、手作りすればよいわ。これなら安上りね。」

ご承知のように、プリンはとても小さいものです。
小さな容器で作ると、腹一杯になるには、たくさんの容器がいります。

そこで、妻は考えたそうです。

「そうだわ、料理用ボウルを容器にすれば、ものすごく大きなプリンができるわ。」

そして、どデカいプリンを作りました。

半分食べたところで、飽きがきたそうです。
しかし、食べ物は残してはならないとしつけられているので、無理して平らげてしまいました。
それ以降、プリンを見かけると、嫌になったそうです。

「ああ〜、もう、プリンの顔も見たくないわ。」


時がたち、結婚すると、またまた
プリン食べたい派に戻りました。
しかし、さすがに手作りプリンは辞めて、スーパーでミニパックプリンを買ってきて、おやつに食べたようです。

今では、プリンは大好物派となり、スーパーで買ってくるのですが、ミニプリンパックを一日1個ですね。





           おしまい




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