E231系/E233系近郊型電車を観光輸送列車として走らせる

観光列車と言っても、改装をしたり豪華なサービスを提供するのではない。いつも上野東京ライン湘南新宿ラインで活躍しているE231系/E233系近郊型電車を、首都圏郊外の行楽地へ向けてそのまま走らせるのだ。


余った車両を活用して、需要の取りこぼしを防ぐ

ゴールデンウィークやお盆など、観光客の輸送需要が大幅に高まる時期。
鉄道も、臨時の新幹線や特急列車を多数走らせて対応しているが、残念ながら取りこぼしも多い
そこで普段通勤通学客の輸送を担っている電車(この時期ならば運用にも余裕があるだろう)を、観光客の輸送に活用しようというアイディアである。

旅の快適性向上による、鉄道の利便性のアピール

行楽シーズンになると、普段地元民しか乗らない普通列車にも、大都市圏から多くの乗客が押し寄せる。そこに10両編成の近郊型電車を投入して、輸送力を強化させるのだ。
鉄道を利用した旅の利便性・快適性のアピールは、鉄道事業者にとって重要なテーマである。もしかしたら、通勤客の混雑緩和よりも、行楽客の混雑緩和のほうが鉄道事業者にとってはメリットが大きいのかもしれない。

普通列車(一部指定席)として運行

のってたのしい列車ではなく、あくまでも普通電車として運行する。事前に予約をしなくても、来た電車にそのまま乗れるというのが大事なのだ。また地元民にとっては乗車機会の向上になる点も大きい。
一方で、確実に座りたい人のために、普通列車グリーン席を、普通列車指定席として活用する。新たな設備投資をすることなく、料金収入を得られるのだ。

想定される運行エリア

まずは上越線、みなかみ方面である。年間を通して温泉需要があり、スキーや登山、アクティビティの人気も高い。特急は全て廃止され、新幹線駅は微妙に離れていることから、普通列車を利用せざる得ない旅行者も多くなっている。

続いては中央線、山梨方面。始発時間帯の運行により、特急あずさ・かいじが拾えない、早朝時間帯の登山客需要を獲得する。

最後に内房線、房総方面。東京湾アクアライン開業後と高速バス台頭により、特急が壊滅状態となったが、それでも海水浴シーズンには短い普通列車に多くの行楽客が詰め込まれている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?