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カモンダーリン 企画書

キャッチコピー:
その女は、夜のまちを走る…。
町を守るために…。友との約束のために…。そして、婚約者を探すために…。

あらすじ:
大都市ドデッカシティ…の隣にある町フラットタウン。この町には夜の名があった。犯罪も立ち寄る町 ブラッドタウン。そんな町に一人、町の誰にもその正体を知られず、ウェディングドレスを身にまとい、町に危害を加える犯罪者達を片っ端から退治する。そんな夜の町を駆け回る女がいた。彼女は人々からフラットタウンの夜の番人、もしくは【夜の花嫁】と呼ばれていた。そして、最後に一言彼女は呟くという…。
「カモン…ダーリン…。」と。
この町の若者ウェンはその正体に興味を惹かれ、昼の町を駆け回る。自分と彼女には簡単に切れない因縁があることを知らずに…。

第一話ストーリー:
舞台は大都市 ドデッカシティ…の隣の小さな町 フラットタウン。その町に住む青年 ウェンはこの町の夜の姿 ブラッドタウンに興味があった。そのなかでも、夜な夜な犯罪者達を一掃し、この町の夜の平和を守る番人…いや、夜な夜な婚約者を探しにウェディングドレスをまとい、徘徊している女性 【夜の花嫁】に興味があった。そこで、彼は彼女を探してみることにした。近くの八百屋、魚屋、雑貨屋、そして、肉屋。町の知り合い達に聞いても誰も知らなかった。肉屋が彼に聞く。
「ウェン。お前はどうして、そんなに【夜の花嫁】に興味がある?…ハッもしかして、花婿に立候補する気じゃないだろうな。やめとけ。やめとけ。」
と。ウェンは少し違和感を感じたが、質問に答える。
「立候補するつもりはないよ。ただ、僕は単純に気になるんだ。なぜ、彼女はそんなにも必死に婚約者を探すのか?結婚適齢期でも近いのか?なぜわざわざウェディングドレスを着て徘徊するのか?そして、なぜ夜にしか現れないのか?ただそれだけ、それだけが気になるんだ。」
肉屋は笑いながら聞く。
「じゃあ。もし、その答えが単純で、昼はさすがに恥ずかしいだけの29歳独身女性だったらどうする?」
彼は答える。
「それでも十分に僕の疑問は解ける答えさ。」と。肉屋はその答えに納得し、ウェンが見えなくなるまで見送る。そして、一人の女性に声をかける
「だってさ。そろそろ正体を明かしたらどうだい?純子さん。」
すると、その女性は少し笑い首を降る。
「いや、タイミングがきてからにするわ。」
そう言いウェンを追うように去っていった。そう、彼女こそウェンの育ての親であり、ウェンの会いたがっていた女性…【夜の花嫁】なのだ。そして、この肉屋の店主。名前は ニックという。彼の夜の顔…裏の顔は牛、鶏、豚などのメジャーな肉だけではなく、希望する者のためにマイナーな肉…例えば人とか…まで扱う怪しい肉屋なのだ。そして、彼はその怪しいつながりを上手く活用し、彼女に次にブラッドタウンにフラッと来る犯罪者達の情報を夜な夜な与えていたのだ。これは慈善活動ではない。お互いの利害が一致してるからこそ作用している関係であり、フラットタウンの平和はその不安定な関係のおかげで守られているのだ。そんなことを知らずに、ウェンは今日も【夜の花嫁】の正体を知るために昼の町を走るのだった。

第二話以降のストーリー:
第二話ストーリー案:
昼の町は夜の間にどんなことが起こったとしても、何事もなかったかのように平和で、のどかな町だった。フラットタウンの名前に恥じない、観光客がフラっと立ち寄りたくなるくらいに。なぜか?夜の番人がいるのなら、昼の番人もいるというわけだ。彼の名は、
ショーゴ マヒルマ。元ドデッカシティの自警団の一人だったが、相棒の死が原因で夜が恐ろしくなり、太陽が出ている間しか活動することが出来なくなってしまった。そんなときにフラットタウンのうわさ…【夜の花嫁】のうわさ耳にし、フラットタウンに引っ越すことにした。フラットタウンの人達は、引っ越してきた彼を快く迎え入れ、さらに、彼のトラウマを十分に理解してくれ、元からのことだったが夜はなるべく外にでないようにしてくれた。だから、彼はフラットタウンに来た観光客は昼しか守らないが、フラットタウンの住民とその親族たちは昼夜問わず守ることを心の中で誓っている。その事を本人から聞いたウェンは、【夜の花嫁】の正体が、彼ではないことを確信した。いつもは、【夜の花嫁】の正体が女性だと考えて行動していたが、もしかしたらそれは先入観なのではないか。もしかしたら、女装癖を持った男性なのではないかと考え、この町で一番強い人に聞いてみようと彼に話を聞いたが、どうやら自分の考えすぎだったようだと思い、ウェンはまた家に帰っていくのだった。しかし、彼は…マヒルマは知っていた。【夜の花嫁】の正体を。それは昨日の夜の事、たまたまフラットタウンの住民の親族が夜の町に出てしまった。その帰り道の護衛の際、【夜の花嫁】…いや、定食屋 朝の光の店主 純子さんが黒の…血の匂いの染み込んだウェディングドレスに身を包み、夜の町を飛び回る姿を。その標的は瞬間的にわかった。彼女に加勢すべきか?いや、今は護衛対象の安全が第一。それに、夜になると手が震えて剣をまともに握れない。ここは、彼女にまかせるしかない。そんなことがあったことを思い出しながら、立ち尽くしていると後ろから殺気を向けられていることに気づくのに数秒遅れた。
「あの子に私のことを聞かれても教えるな。自分のことは自分の口から直接言いたい。理解してくれ。」
その殺気はそんな言葉を吐き消えていった。
「聞かれることは無さそうだけどね。」
心臓が飛び出しそうな状態で飛び出たのはそんな情けない言葉だった。

最終決戦前ストーリー案:
その後も彼女は…【夜の花嫁】本名 メリー純子はブラッドタウンの夜の番人として、犯罪者を退治し続けた。
目的はただ一つ。婚約者を見つけるため。
もっと簡単に…詳しく説明すると、ウェンの実の母親であり、彼女の一番の親友だった女性 メアリーリンを殺した男。ウェンの実の父親であり、純子の元婚約者。そして、ドデッカシティの犯罪者達をまとめている男を見つけるため。誘き寄せるため。そして、殺すために。
そんなことを知らず、ウェンは【夜の花嫁】の正体を知るために昼の町を走り回っていた。そんな日々が今日も過ぎていく。そう誰もが思っていた。
「奴がここに来る。」
ニックからの連絡に、純子は喜び、怒りの感情と共に一つのことを決心した。ついに、ウェンに話す時が来たのだ。その日の夜、彼女はウェンを呼び出した。彼は明日の店の仕込みを終えて寝ようとしていた。だが、彼は彼女からの言葉を聞き、心を踊らせた。
「【夜の花嫁】の正体を教えてあげる。」
ついたところはニックの肉屋。まさか、ニックさんが!…なんて、ジョークはおいといて、純子さんについていった。肉屋の店の奥には自分の知らない部屋があった。その部屋の端にそれはあった。綺麗に飾られてはいるが、そういった服にしては珍しく使い古されている様子だった。
「なんとなく、正体がわかった?」

「まさか、純子さんだったとはね。やっぱり、結婚願望があったんですか?」

「嫌、そんなものは…今のところないかな…。その理由を今から言うからその辺に座って。」

彼女はウェンに話した…。 
【夜の花嫁】の正体、ニックの正体、そして、自分の過去とウェンの本当の両親について自分の知っていること、話しておくべきこと、生きている内に伝えないといけないことを全て話した。
彼女の話は、【夜の花嫁】のことを知りたかったウェンからしたら興味深いものばかりだった。特に、彼女がよく呟くと言われている言葉
 カモンダーリン
この言葉には二つ…いや、正確には二人の人間を求めていたというのだ。
一人は、言葉通りdarling. そして、もう一人はDear Rin. 
彼女の話によると、最初の意味は後者 Dear Rinだったようだ。結婚式当日、一番の親友が自分の婚約者を奪った。そして、自分の目の前から消えた。その時の怒りは言葉では言い表せないほどのものだったらしい。その日から死に物狂いで彼女を探した。そんな時にニックに出会ったらしい。それから、最初で最後のになるはずだったウェディングドレスを身にまとい、ニックからの依頼に答えつつ彼女を探すことになった。【夜の花嫁】の活動開始である。そういえば、なにか自分の出生について話された気がするが、そんなことはどうでもいい。あっでも、一つ気になることある。
「純子さん。僕を殺したいと思ったことはなかったんですか?…だって、今殺したいと思っている人の実の子供なのに…。」

「言いづらい事なんだけど、何度もあった。特に、あなたが夜泣きをしたときなんかは人には言えないくらいの憎悪を持ったものよ。でも、ここまで育てられたのは…。」

その答えを最後まで聞く前にニックからの声がした。

「いよいよ来るぜ。準備しな!」

ついに、婚約者に会える…。ついに、実の父親に会える…。それぞれの感情が渦巻く中、最後の戦いが始まる…。


#週刊少年マガジン原作大賞 #企画書部門


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