インテリジェンス時代
2,846 文字
2024年9月23日
風光明媚な印象派の風景画。色とりどりの野原に囲まれた曲がりくねった道が地平線まで続いています。
これから数十年のうちに、わしらの祖父母が魔法やと思うようなことができるようになるんやで。
こういう現象は別に目新しいもんやないんやけど、これからはもっと加速していくんや。人間の能力はどんどん向上してきて、今でももう昔の人が不可能やと思うようなことができるようになってるんやからな。
ほんで、わしらの能力が上がったんは遺伝子が変わったからやのうて、社会のインフラがめっちゃ賢くなって、わしら一人一人よりずっと有能になったからなんや。言うてみれば、社会そのものが一種の高度な知能みたいなもんやな。わしらの祖父母や、もっと前の世代の人らも、すごいもんを作って成し遂げてきたんや。みんな人類の進歩を支える足場作りに貢献してきたんや。AIはこれからも難しい問題を解決するための道具を提供して、わしらだけじゃ思いつかへんような新しい支えを作るのを手伝ってくれるんやろな。進歩の物語はこれからも続いていくし、わしらの子供らはわしらにはできへんことができるようになるんや。
一気に起こるわけやないけど、すぐにAIの助けを借りて、AIなしじゃ絶対にできへんようなことをたくさんできるようになるんや。そのうち、それぞれが個人用のAIチームを持つようになって、いろんな分野の仮想専門家がチームを組んで、わしらが想像するほとんど何でも作り出せるようになるんやろな。わしらの子供らは、どんな科目でも、どんな言語でも、どんなペースでも、個人に合わせて教えてくれる仮想の家庭教師を持つことになるんや。同じような考え方で、もっと良い医療や、誰でも思い描いたようなソフトウェアを作れるようになるんやないかな。他にもいろいろあるやろな。
こういう新しい能力を手に入れたら、今じゃ想像もつかへんくらいの共通の豊かさを手に入れられるんや。将来は、みんなの暮らしが今の誰よりも良くなるんやで。まあ、豊かさだけじゃ必ずしも幸せにはならへんけどな。金持ちでも不幸な人はおるしな。でも、世界中の人々の暮らしを意味のある形で良くすることはできるんや。
人類の歴史をちょっと狭い視点で見てみるとな。何千年もの間、科学的発見と技術の進歩が積み重なって、ようやく砂を溶かして、ちょっと不純物を加えて、それを信じられへんくらい精密に、めっちゃ小さいスケールで並べて、コンピューターチップを作るところまで来たんや。そこに電気を流すと、どんどん高度になっていく人工知能を作り出せるシステムになるんや。
これが今までの歴史の中で一番重要な事実になるかもしれへんな。数千日後には超知能ができるかもしれへんのや(!)。もっと時間がかかるかもしれへんけど、絶対にそこまで行けると確信してるわ。
どうやって次の豊かさへの飛躍の入り口までたどり着いたんやろか?
三つの言葉で言うとな:ディープラーニングが機能したんや。
15個の言葉で言うとな:ディープラーニングが機能して、規模に応じて予想通り良くなって、どんどんリソースを投入したんや。
それだけなんや。人類は、どんなデータの分布でも(っていうか、どんなデータの分布を生み出す「ルール」でも)本当に学習できるアルゴリズムを発見したんや。驚くほど正確に、コンピューティングパワーとデータが増えれば増えるほど、難しい問題を解決するのに役立つようになるんや。どれだけ考えても、これがどれだけ重要なことかって本当に理解できへんわ。
まだ解決せなあかん細かいことはたくさんあるけど、特定の課題に気を取られすぎるのはあかんな。ディープラーニングは機能するし、残りの問題も解決できるんや。これからどんなことが起こるか、いろいろ言えるけど、一番大事なのは、AIが規模に応じて良くなっていって、世界中の人々の暮らしを意味のある形で改善していくってことや。
AIモデルはすぐに、自律的な個人アシスタントとして、医療の調整なんかの特定のタスクをわしらに代わって実行してくれるようになるんや。もうちょっと先には、AIシステムがめっちゃ優秀になって、次世代のシステムを作るのを手伝ったり、あらゆる分野で科学の進歩を助けてくれるようになるんや。
技術によって、わしらは石器時代から農業時代、そして産業時代へと進んできたんや。ここからインテリジェンス時代への道は、コンピューティングパワーとエネルギー、そして人間の意志で舗装されてるんや。
AIをできるだけ多くの人の手に届けたいなら、コンピューティングのコストを下げて、豊富に使えるようにせなあかんのや(そのためには、たくさんのエネルギーとチップが必要やけどな)。十分なインフラを作らんかったら、AIはめっちゃ限られた資源になって、戦争の原因になったり、主に金持ちのための道具になってまうんや。
賢明に、でも確信を持って行動せなあかんな。インテリジェンス時代の到来は、めっちゃ複雑で、極めて重要な課題を含む重大な出来事なんや。完全にええ話ばっかりやないかもしれへんけど、メリットがあまりにも大きいから、目の前にあるリスクをどう乗り越えていくか、わしらも未来のためにも考えなあかんのや。
将来はめっちゃ明るくなるから、今の時点で誰も正当に評価できへんくらいやと思うわ。インテリジェンス時代の特徴は、とてつもない豊かさになるんやろな。
少しずつ起こっていくけど、気候問題の解決、宇宙コロニーの設立、物理学の全解明なんかの驚くべき成果が、そのうち当たり前になっていくんや。ほぼ無限の知性と豊富なエネルギー、つまり素晴らしいアイデアを生み出す能力と、それを実現する能力があれば、かなりのことができるんやからな。
他の技術でも見てきたように、デメリットもあるから、AIのメリットを最大限に活かしながら、害を最小限に抑えるための取り組みを今から始めなあかんのや。例えば、この技術は今後数年で労働市場に大きな変化をもたらす(良い面も悪い面も)と予想されるけど、ほとんどの仕事は多くの人が思うよりもゆっくり変わっていくし、することがなくなるなんて心配はまったくしてへんわ(今のわしらから見たら「ちゃんとした仕事」に見えへんかもしれへんけどな)。人間には生まれながらにして何かを作り出したり、お互いの役に立ちたいって欲求があるんや。AIはこれまでにないレベルでわしら自身の能力を増幅してくれるんやで。社会として、わしらはまた拡大する世界に戻って、プラスサムのゲームに集中できるようになるんや。
今わしらがやってる仕事の多くは、数百年前の人から見たら、くだらん時間の無駄に見えたかもしれへんけど、誰も過去を振り返って、街灯係になりたいなんて思ってへんやろ?街灯係が今の世界を見たら、周りの豊かさは想像もつかへんもんやと思うやろな。そして、わしらが100年後の世界を見たら、周りの豊かさはちょうど同じくらい想像もつかへんもんに感じるやろな。
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