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なぜ「干支」を「えと」と読むのか?

「今年はうさぎ年だよ! 」「猫年だい! 」答:どちらも正しいです。

リアル干支[えと]のお話【おかげさまのお正月】

令和5=2023年1月11日

明けましておめでとうございます!
こうして、みなさんとまたお会いできて、とてもうれしいです。

では、どうして、また会うことができたのでしょうか?
それは、私たちがお互い、生きているからです。
では、どうして、生きているのでしょうか?
それは、食べ物や水があり、料理を作る人がいて、ほかにもたくさん、私たちの生活を助ける物や他の人たちのおかげがあるからなのです。

お正月も、お日さまが東から昇り、空をめぐって、西に沈みます。
今までと同じです。
そうやって、毎日同じ日が過ぎていきます。

でも、「同じ」だけだと、人はだれてしまいます。
そこで、私たちのご先祖は、「けじめ」というのを考えました。
そのため、「ここからここまでが一年」というのを決めました。
その始まりがお正月です。
お正月には、いつもない楽しいこと、親戚に会うこと、お参り、おせち料理、お年玉などを決めて、一年の始まりを分かりやすくしました。

そして、お正月を境に、その前の一年を振り返って「お世話になりました」と言い、新しい一年を迎えて「よろしくお願いします」と言います。
こういう私たちやその営み全てを包んでくださっているのが佛[ほとけ]さまです。

ご先祖たちは、更に、一年一年が違うことがわかるように、それぞれに「何々の年」というのも決めました。
それが、「十干・十二支」略して「干支[かんし、又は、えと]」です。

では、なぜ「えと」と読むのでしょうか?
ご先祖たちは、時間や方角がわかりやすいように、「十干」それぞれを、物の成分や色や動物と結びつけました。

 十干[じっかん]


「きのえ」
「きのと」
東です。お日さまが昇ります。朝です。春です。草木が伸びます。色は青、動物は青龍[せいりゅう]です。


「ひのえ」
「ひのと」
南です。昼です。夏です。暑いです。色は赤、動物は朱雀[しゅじゃく]です。


「つちのえ」
「つちのと」
まん中です。色は黄色、動物は黄龍[こうりゅう](麒麟)です。


「かねのえ(⇒ かのえ)」
「かねのと(⇒ かのと)」
西です。金属です。お日さまが沈みます。秋です。色は白、動物は白虎[びゃっこ]です。


「みずのえ」
「みずのと」
北です。夜です。冬です。色は黒、動物は玄武[げんぶ](亀と蛇)です。

こういうふうに、毎年「、、」「、、」「、、」「、、」、、と繰り返します。
それで、「えと」と言うのです。

今年2023(令和5)年、十干は「みずのと」(動物は玄武[げんぶ]=亀と蛇)です。
十二支では、「うさぎ年」、ベトナムやウクライナでは「ねこ年」です。
ですから、全部で「うさぎ」と「亀」と「蛇」と「ねこ」がいることになります。
なかなかにぎやかですね。

こういうことにはパズル的な面白さがあります。ただ、大事なのは、
「木」「火」「土」「金」「水」といったもののおかげで、私たちは生きている、
しかも、これらの成分は、身近にあるものばかりということです。

では、最後に、改めて、
昨年はありがとうございました。今年もよろしくお願いします!

社会福祉法人和光保育園 副理事長 白井千彰(しらい・ちあき)

※ 
肩書きは執筆当時のものです。
リアル干支えとのお話【おかげさまのお正月】 – 和光保育園 (wakwau.jp)
を微修正ののち、転載。
そちらでは、図版として、玄武[げんぶ]を人格化した神さま「玄天上帝」の像 (ベトナム ハノイ 「鎮武観」)を使っていました。
                     令和6年=2024年1月29日
 社会福祉法人和光保育園 理事・前園長 白井 千彰(しらい・ちあき)


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