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時折最高 002:Prokofiev スキタイ組曲~アラとロリー Op.20(1914-15) Antal Dorati指揮 London Symphony Orchestra (録音:1957)

Prokofiev: Scythian Suite, Op. 20 - "Ala and Lolly" - 1. Invocation to Veles and Ala

日本では(というか世界的にも?)、一番有名な作品は「ピーターと狼」だと思われる作曲家プロコフィエフ。モダニズムの時代からロシア革命後の時代まで、フランス、アメリカ、ソビエトと活動の場を移しながら、死の間際までずっと作品を生み出し続けていた。病床でも医者/看護婦に叱られながらも楽譜を書いていたという。オペラ、バレエ、交響曲だけでなく、とにかく多彩で多作。映画音楽まで作っている。恐ろしく才能に満ちあふれた偉大な作曲家である。

ここで紹介するドラティ指揮による「スキタイ組曲」のレコードについては、次の本にも登場する。

この本の中で、あるコレクターのリスニングルームに招かれた筆者は、「これがスゲーんだ!」と言われ、Mercury Living Presenceシリーズのオリジナルアナログ盤を大音量で聴かされる、という場面がある。

実はこのDorati指揮の録音、同曲の他の演奏と較べても圧倒的に暴走している演奏なのである。ぶっちぎりである。
まずテンポが恐ろしく速い。超ハイテンション。そしてこのシリーズ、録音に気を遣っており、ワンポイントマイクで収録しているというのがウリである。だから「これが本当のステレオ録音だ!」という訳である。

そして演奏しているのは、プロコフィエフがパリで「アンファン・テリブル」と呼ばれていた、音楽的にも挑戦心に満ちていた時代の曲。

音楽に野心的で高密度のエネルギーを求めるリスナーなら、普段聴いているのがロックでもジャズでも問題ない。きっとこの演奏、曲には何かしら感じるものがあると思う。

ここでは4曲からなる組曲の冒頭、I. Invocation to Veles and Alaだけを取りあげた。全部聞いても20分くらいなので、興味を持たれた方は全曲をどうぞ。

Prokofiev: Scythian Suite, Op. 20 - "Ala and Lolly" - 1. Invocation to Veles and Ala
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ところで、EL&P(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)というプログレバンドのWorks(1977)というLP 2枚組をご存じだろうか? ここでは1~3面をメンバーそれぞれがソロで担当しているのだが、ドラマーのカール・パーマー担当の3面で、プロコフィエフのスキタイ組曲から2曲目を演奏している。ロックファンにもアピールするだろう曲だと認識されているのかも知れない。

プロコフィエフという作曲家については、別に入門記事を書きたいと思い準備中。そう遠くないうちにまとめていきたいと考えている。

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