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最短で絵が上手くなる「毎日らくがき」【最強のイラスト上達法を考えてみたvol.3】

この記事は以下の記事の続きですが、この記事からでも十分楽しむことができます。

【前回までのあらすじ】

僕は絵が下手な大学生。
様々なイラスト上達法を試しては三日坊主、、、

ある日ふと、こんな考えが頭をよぎります。
自分にぴったりなイラスト上達法を見つけるよりも、僕にあったイラスト上達法を自分で作った方が早いのでは?

というわけで、新しく自分で作ることにしました。
前回と前々回は、巷に溢れるイラスト上達法たちの不満を整理しました。
今回はいよいよ新しいイラスト上達法の内容に入っていきます。

ポストイット上達法

新しいイラスト上達法の名前は、「ポストイット上達法」。
この上達法を実践すると絵だけでなく、あらゆる作品作りが確実に上手になります。

この上達法では、よくある人物のイラストに限らず、あらゆる絵に対応しています。その代わり絵の描き方や具体的な練習方法は何を目指すかによってケースバイケースであるため、ほとんど触れないようにしました。

ポストイット上達法は、10ステップに分かれていて、1ステップごとに内容がまるっきり変わります。
早く上達したいがばっかりに、ステップを飛ばしたくなる気持ちを抑えて、1ステップずつ丁寧に実行していかなければ、効果が出ないか、効果が出る前に挫折してしまいます。

では1ステップずつ見ていきましょう。

ステップ1:毎日らくがきする

ステップ1の段階では、何を描いてもいいので、毎日落書きをしてください。
落書きは毎日描くことが苦にならなくなるまで続けます。普段絵を全く描かない人であれば最低1ヶ月以上、元から2・3日に1回は絵を描く人であれば最低2週間以上続けてください。

世の中に溢れるイラスト上達法を挫折する原因の90%以上が、そもそも毎日絵を描かないことではないでしょうか。
「絵を描くこと」と「絵の練習をする」ことを同時に始めようとすると、多くの人は挫折してしまいます。なので、とりあえず毎日落書きすることだけを目標にしてください。

道具はデジタルでもアナログでも、鉛筆でもボールペンでもノートの切れ端でもスケッチブックでもなんでも構いません。何かを見ながら描いても、何も見なくても、気楽に描いてください。
その代わり、上手く描いてやろうと思わないでください。どうしても上手に描きたい気持ちを抑えて、「上手くなってからもう一度描き直せばいいや」と気楽に考えましょう。

自分自身で実践してみて

僕はこの記事の前作である「最強のイラスト上達法を考えてみたvol.2」の記事を書いている途中あたりから、ざっくりと新しいイラスト上達方が頭の中で出来上がっていたので、既に毎日落書きすることを始めています。


僕の場合は、背景や線の色を変えるのが楽しくて好きなので、デジタル(iPad)で落書きしています。余白を埋めていく感じが好きなので、画面ぎゅうぎゅうのイラストが多いですね。

改めて並べてみると、子供の落書きみたいで恥ずかしいのですが、これから上達すると考えれば、伸び代が大きくていいことなのかも知れません。
絵を描くときの参考画像はほとんど見ずに、その時描きたいものを描いています。とりあえず描き出してみて、気持ちのいいほうに手を動かしている感じです。

まだ数日間しか取り組んでいませんが、落書きをすることで他人からの評価に縛られない絵を描くことができました。
「いつも描いている絵」
「描いていてワクワクする絵」
「上手く描けるんだけど描いていてワクワクしない絵」
「昔よく描いていたけど最近描かなくなった絵」
「好きなんだけど描くのが苦手で避けてきた絵」
自分の今までのお絵かきの歴史がザーッと振り返ることができて、楽しいです。就活でいうところの自己分析をしている気分に近いです。

あと何も見ないでずーっと落書きしていると、何回も同じようなイラストが登場してきて、自分の持っているバリエーションがいかに少ないか気付かされます。

ここから先は全て妄想

僕は現在ステップ1を実践中です(…とは言っても、ただ単に毎日お絵描きをしているだけなんですが)。
ステップ2以降は、誰にも実践されていません。ということは、ここから先書いていくことは、全て僕が「こうすれば絵が上手くなるはずだ」という予想、というより妄想でしかありません。

これから数ヶ月から半年かけて、自分で実践していく中で、微妙に上達法も変化していくと思います。そのため、これから説明していく上達法は完璧なものとは言えません。
ですが、前回、前々回と既存のイラスト上達法への不満を整理し、その不備を自分なりに改善しているので、「よくあるイラスト上達法」とは似ているようで、全く違うものが出来上がったと思いますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

ステップ2:ポストイットにアイデアスケッチを描く

ステップ2では、ポストイットに「将来絵が上手くなったら描きたいイラスト」のアイデアを描きます。

デザインの初期段階のアイデア出しのときに描いたスケッチのことである「アイデアスケッチ」みたいなイメージです。

アイデアスケッチ 英語 idea sketch

デザイナーが発想したイメージ(像)を2次元表現したもの。デザインの初期段階において、デザイナーの頭に浮かぶ発想を描きとめたスケッチで短時間に描かれる。スケッチパット(用紙)に鉛筆、ボールペン、マーカー、パステルなどで描かれる。

Weblio国語辞典(weblio.jp)

ですが、ポストイットという狭い面積に描くという違いがあります。
大きな白紙のスケッチに、自由に描こうとすると手が止まってしまいます。ですが、スマホよりも小さいポストイットなら、一枚描き切るのが大きな負担になりません。
何より面積が小さいと細かいところまで描けないので、ポストイットにイラストを「上手く描けているか」どうかよりも、「自分がこういうのを作りたいということを表現できてるか」という方に意識がいくようになります。

説明のために、ポストイットを3枚ほど描いてみました。

ポストイットに描くアイデアの例

【一番左のポストイット】
「将来こういうドット絵のgifアニメを作りたいなー」というつもりで描きました。

中央には一人で刺身とご飯と味噌汁を食べる少年、ベランダに続く窓に映るのは暗い海水と魚、右側には釣り道具が置いてあって、右の壁には依頼書が貼られています。
海の中にある家に住んでいる少年。彼は魚を捕まえる依頼を受けて生活しています(書いててホント恥ずかしいです)。

ドット絵で、少年が黙々とご飯を食べているのと、背景の海の中の魚が動いている部分をアニメーションにしたら、なんだか幻想的なgifアニメができる気がするんですよね。

【中央のポストイット・右のポストイット】
ネコの先生とショートヘアーの少女のコンビで、ほんわかと解説する”ゆっくり解説動画”みたいなものを作ってみたいです。

なるべく難解な学問的なものをゆるく解説したいです。進化論とかどうかな、、、

◯必要だから練習する

こんなふうに、描きたいもののアイデアをポストイットに描いていきます。

よくあるイラスト上達法には、
「自分の目指す目標となる漫画家(やイラストレーター)を決めて、その人のイラストを模写して、その人のイラストに近づけていく」
といったことが書かれています。

間違ってはいないのですが、ここでもいきなり、
「誰々さんのイラスト好きだから、この人のイラストに近づけよーっと」
と決めてしまうのは、挫折の原因になります。

冷静に考えてみてください。自分の好きな絵柄を描けるようになること自体にはあまり意味がありません。それは「絵が上手くなりたい」という気持ちが先行して、「何を描くために上手くなる」という部分が抜け落ちてしまっています。

自分が好きだと思うイラストを描けるようになるために、何ヶ月間も努力(努力というより娯楽に近いんじゃないでしょうか)できる人はそもそも既に絵が上手いんです。
「いつ使うかも分からないけど、好きだからこのイラスト練習しよう」では、僕たちのような毎回絵の練習が三日坊主になる人たちのモチベーションが保てません。
僕みたいな人たちは「こういう制作物を作りたい。だから、そのために必要な要素のイラストを描けるように練習しよう」というふうに「今すぐ役に立つ」から練習するというモチベーションの保ち方をする方が続けられる可能性がグッと上がります。

◯ポストイットのルール

ポストイットは綺麗に描こうとしなくていいです。
そして1日5枚以上描いてください。ステップ2は最低2ヶ月以上取り組んでください。5枚といっても、先ほど出した例のように、1枚1枚丁寧に「将来こういうイラストを描くぞ!」とキャラクターの設定や表現する媒体を考えなくても、「こういうイラストを描いてみたいんだよなー」と思いを馳せながら、できればニヤニヤしながら描いてください。

ステップ2のポストイットで、自分の描きたいイラストを出していって、ステップ3でその中で、どのイラストを描けるようになるために練習するか選んでいきます。
だからといって、「ポストイットに本当に作りたいものだけを描かないといけない」と考える必要あありません。
1日1アイデアでもビビッとくるものがあれば、ラッキーくらいに考えて、気楽に描いていってください。
というのもステップ2は、最低2ヶ月以上続けて300枚以上のポストイットが完成します。それだけあれば、勝手に渾身の一枚が現れます。それに、なんとなく自分の描きたいもの・作りたいものの傾向が見えてくるはずです。

実際に描いてみるとわかるのですが、ステップ2で一番重要なのが、いろんなコンテンツに触れることです。
アイデアは何も見ずにゼロから生み出そうとしても、自分が思っている以上に何も出てきません。
今まで大して創作に打ち込めなかったせいで(だから絵も下手)、引き出しのない僕らにできることは小説・漫画・アニメ・映画・ゲームなどのコンテンツに触れて、その中で「自分が作るならこんなふうに作りたい」とコンテンツの一部をずらして模倣することしかありません。

ずらして模倣するとは、恋愛映画で駅で男女が向かい合っているシーンがあれば、場所を自分の好きな場所に置き換えてみたり、男女の見た目を変えたりして、自分ならこうするということをポストイットに描くということです。

ステップ2は実践していない以上、どうしても抽象的な話になってしまいます。
ステップ3以降は、さらっと紹介する程度に抑えておいて、次回以降の記事で、今後僕が実践していく経過とともに具体的な内容を説明できればと思います。

ステップ3:自分の練習する絵を絞る

ステップ2で制作したポストイットが300枚以上になってくると、いよいよステップ3へ進めます。

なお、ステップ3以降もポストイットを描き続けてください。ですが、ステップ2のように毎日描かなくても、描きたい絵のアイデアが出たときにときに描くようにして下さい。

◯これから練習する絵を絞る

ステップ3では、自分がこれから練習して上手に描けるようになる絵を絞るという工程です。
自分のポストイットを机や床に並べて、一望できるようにします。
その中で、ある程度の自分の描きたい絵によって作られる制作物のジャンルを分けていきます。
ここで大事なのは、絵のジャンルを分けるというよりも、その描いた絵によって、何を作ろうとしているのかという部分に注目してください。

好きな漫画のファンアートを描くのが好きであれば、一旦好きな漫画のキャラクターを描けるように練習してもいいかもしれません。

オリジナルの漫画が描くのが好きなのであれば、下手でもいいから漫画を最初から最後まで描き切れるようになりたいですよね。ということで人物の顔を練習するというよりは、漫画の中に登場する小物や人の全身をざっくりと描けるようになったり、ポーズを取らせられるようになったりと、デッサンやクロッキーに重きを置いてもいいかもしれません。

学校で使うノートの端にキャラクターと吹き出しを描いて、授業のポイントをキャラクターに喋らせるのが好きなのであれば、キャラクターの数種類のポーズを取らせられるようにした上で、科学の授業なら白衣、数学なら博士帽を被らせたりと数パターンの服装が描けるように練習してもいいかもしれません。

いずれにせよ、自分の目的に合わせて、これから練習する絵を絞ってください。そして、その中で大事なのは、全部をやろうとしないことです。あれもこれも練習するぞと練習するイラストのジャンルを増やしたり、このプロの漫画家さんみたいな絵を描きたいと高すぎる目標を抱えてしまっては、挫折の原因になります。

まずは、「別に特別練習しなくても、毎日落書きしていたら5年後に描けるようになっているレベル」を目標にしてください。
人によって到達できるレベルにバランスがありますが、挫折せずに最後までできるレベルは意外と低いものです。
だから最初はこの低いレベルに到達するためだけに頑張ります。プロみたいな絵になるのは10年後でも問題ないはずです。無理にハードルを上げて、失敗して無駄な罪悪感を味わうのは避けましょう。

◯最小単位まで分ける

描きたい絵、つまりこれから練習していく絵がいくつか決まったら、それを最小単位の要素になるまで分けていきます。

例として、僕がこれから作りたい制作物は、ステップ2のポストイットで描いたネコと少女のコンビで解説する動画ということにします。(ステップ2をやっていないので、今後変わるでしょうが、説明のためにこれで進めていきます)
そして、以下のように整理してみました。

【作りたい制作物】
先生役のネコ生徒役の少女のコンビで、ゆるーく進化論について解説する動画を作る。”ゆっくり解説動画”みたいなもの。

【先生役のネコ】
デフォルメされたネコ、ささっと描けるくらい単純なものだけど、動きをつけたい。アニメーションにしなくていいけど、いろんなポーズが取らせられるようになりたい。
ポーズを取らせられるようにするには一番避けていたデッサンやクロッキーをやっても良いのかも。それよりもアニメーションを勉強した方がいいような気がする。

【生徒役の少女】
学生服を着た3〜5頭身の少女のイラスト。ネコに比べたらポーズは取れなくても良い。僕は髪や服の皺が全く描けないので、そこを重点的に練習したい。
服装は、夏服と冬服の制服に、数パターンの靴と、手袋やマフラーや帽子などのアイテムも描きたい。

【小物】
教科書・ノート・文房具のほか、スマホやフラスコや顕微鏡など細々としたアイテムを描けるようになりたい。他にも黒板や椅子やチョークもかけて方が良いかも。
アイテムは、ネコほどはデフォルメされておらず、少女が手に持っても違和感のないようにする。
その他、進化論を説明するために使いそうなキリンやハチなどの動物が描きたい。

こんなふうに、何を描けるようになりたいか細かく書き出します。ここに描いたもの以外は練習しないつもりで書いてください。

今回の例よりも、もっと描きたい絵が多くても良いと思いますが、あまり多すぎても、自分の手に負えないので、自分の状況に合わせて挫折しない程度に抑えてください。(最初はこれくらい少なくても良いかもしれません。)

これで大まかに、これから練習する絵を3つに絞れました。
この3つを要素ごとに最小単位まで分けていきます。別に今バチッと分け切らなくても、練習していく中で分けたほうが良いと思ったらその都度分けていけば良いです。

●ネコ(先生)
・いろいろなポーズを取らせる(アニメーションの本とか買って勉強すれば良いんかな?)
・頭に帽子被らせる(ベレー帽・博士帽)

●少女(生徒)
・髪(ストレートのミディアムヘア・ストレートのロングで前髪ぱっつん)
・顔
・服(制服・Tシャツ・パーカー)
・靴(ローファー・スニーカー)
・手袋
・マフラー
・つば付き帽子
・ポーズ(立ち・座り・自転車に乗っている)

●小物
・本(教科書・ノート)
・文房具(鉛筆・シャーペン・消しゴム・筆箱)
・スマホ
・実験器具(フラスコ・試験管・顕微鏡)
・教室(黒板・椅子・机)
・自転車

出揃いました。ではステップ4からイラストの練習をします。

ステップ4:要素を最短経路でつなげる

ステップ3で考えた練習する絵の中で、まずは一つ選びます。
選んだ絵を描くために最低限必要な要素をまずは練習していきます。
そして描きたい絵を構成している要素を最短経路でつなげて、とりあえず描けるようにします。
練習するものによって、ステップ4の期間は変わるでしょうが、3ヶ月以上かかりそうなら、ステップ3に戻ってもう一度、要素を分けていき、描きたい絵を小さくした方が良いでしょう。
いきなり絵を上手くしようとし過ぎて、抱えすぎてしまっています。

先ほど書いた中(ネコ・少女・小物)から、少女を選んだとします。少女を描く際に最低限必要なものだけ練習します。
例えば、髪は「ストレートのミディアムヘア」か「ストレートのロングで前髪ぱっつん」のどちらか一つさえ描くことができるようになれば、とりあえず少女を描けるわけなので、「ストレートのミディアムヘア」だけを練習します。

こんなふうに少女を描くために最低限必要な要素を、太字にしたものが以下の通りです。

●少女(生徒)
・髪(ストレートのミディアムヘア・ストレートのロングで前髪ぱっつん)

・服(制服とスカート・Tシャツと長ズボン・パーカーと長ズボン)
・靴(ローファー・スニーカー)
・手袋
・マフラー
・つば付き帽子
・ポーズ(立ち・座り・自転車に乗っている)

少女を構成する要素を最短経路でつなげて、ワンパターンでも良いから描けるようにします。

ステップ4の間は、「ストレートのミディアムヘア」「」「制服とスカート」「ローファー」「立ちのポーズ」の5つしか練習しません。

あくまで一辺に全てを練習しようとするのではなく、絵を要素ごとに分割して、一つずつ練習していこうということであって、これ以外の絵は描いてはいけないというわけではありません。
この期間であっても気分が乗れば、好きなだけ落書きやポストイットを描いてください。

ステップ5:横に広げる

ステップ4で決めた最低限必要の絵が描けるようになったら、ステップ5に入ります。描けるといってもプロのように描ける必要はありません。
自分が許容できる範囲で最低限描けるようになれば問題ありません。自分の上達具合がわかるように、ステップ4の初めの頃に書いた絵と見比べても良いかもしれませんでしょう。
目安として3ヶ月以上経てば、まだ不十分と感じていてもステップ5に移って下さい。
それでも、どうしてもまだまだ練習が足りないレベルしか書けないのであれば、最初からたくさんの絵が描けるようになるぞとハードルを上げ過ぎたからなので、一度ステップ3に戻って再度、描きたい絵を絞って、最小限の要素に分けるところからやり直して下さい。
3ヶ月練習した今なら、前よりも具体的に描きたい絵を絞ることができるようになっているでしょう。

ステップ4で最低限一通り描けるようになったので、次は横に広げます。
例えば、描きたい髪として「ストレートのミディアムヘア」と「ストレートのロングで前髪ぱっつん」の二つがある訳ですが、ステップ4では「ストレートのミディアムヘア」だけを練習して、描けるようになりました。

ステップ5では、まだ練習していない「ストレートのロングで前髪ぱっつん」を練習して、絵のバリエーションを増やしていきます。

少女のまだ練習していない要素を太字にしました。この中から、「今描けるようになりたいもの」を2〜5種類選んで練習します。

●少女(生徒)
・髪(ストレートのミディアムヘア・ストレートのロングで前髪ぱっつん
・顔
・服(制服とスカート・Tシャツと長ズボンパーカーと長ズボン
・靴(ローファー・スニーカー
手袋
マフラー
つば付き帽子
・ポーズ(立ち・座り自転車に乗っている

ここで練習する量の目安は、練習期間を最大でも3ヶ月以内に抑えることです。あまり多くを抱え込もうとすると失敗して挫折するだけです。
絵なんて最悪描けなくても困りません。だから過度にハードルを上げて、無理やり自分を追い込んで、勝手にできない自分を責めて、絵を描くこと自体から離れるようなことにならないように気をつけましょう。

何度も言いますが、プロみたいに上手くなるのは10年後でも問題ないはずです。どうしても今すぐ上手くならないといけないと感じるのであれば、それは自惚れからくるものです。

ステップ6:ステップ4とステップ5を最大で3周する

ステップ6では、ステップ4とステップ5を繰り返して、描ける絵を増やしていきます。ここでも、あまり手を広げずに、最大でも繰り返すのは2週までにしておきましょう。

そして繰り返すときには、既に練習して描けるようになった絵を、取り入れるようにして下さい。
例えば、少女が描けるようになって、次はネコの絵を練習するときには、ネコが偉そうに仁王立ちしている横で、呆れた顔をした少女を描いてあげてください。
これで、ネコを練習しつつ、ネコが描けるようになる頃には、少女の絵もこなれてきます。小物を練習しているときには、小物をネコや少女に持たせて、小物が描けるようになる頃には、ネコや少女の絵に磨きがかかっていきます。
こんなふうに後々になって、何度も書くタイミングがあるため、最初に少女を練習するときは、最低限描けるようになるだけで良いという訳です。
(ここまで長々と書いてきましたが、要は最初から少女・ネコ・小物を一気に上達しようとせず、小分けにして順番に段階的に練習していこうというだけの話です。)

◯これ以上は練習する要素を増やさない

ここまで練習を続けて描ける絵を増やしてきました。
ですが、残念ながら、ステップ4やステップ5はそれぞれ練習期間が最大3ヶ月しか設けられていないので、最初に描きたい絵として挙げた要素の半分くらいは、まだ描けるようになっていないはずです。

でも、それを練習するのは後回しにしましょう。とりあえずは、今描けるようになった絵を磨く方を優先しましょう。

20種類の絵を20点のクオリティでかけるよりも、2種類の絵を70点のクオリティで描けた方が、「絵が上手い」という評価がもらえます(他人からも自分からも)。
今、描ける絵をこれ以上増やすよりも、ここまで練習してきた今描ける絵だけに絞って練習した方が、絵が上手くなるには近道です。

ここから先は今描ける絵の中で、まだまだ下手で気になるところを、時間がかからずに直せそうな順番で、練習していって下さい。
練習していく中で、「まだできていないところ」「下手なところ」「描けないところ」が、数えられる程度になったらステップ7に進んでください。

ステップ7:ノートを取る

ステップ7に進む頃には、一回の練習で勉強になる部分が減ってきて、上達が思うように進んでいないような不安に駆られていることでしょう。

そこで毎回の練習によって「分かったこと・勉強になったこと」をノートに書いていきます。

他にも「次回練習すること」や「今すぐは無理だけど、いつか改善したいところ」などもメモしていきます。

ノートの書き込みの具体例を書きたいところですが、まだ実践していない以上、書いても嘘になるのでやめておきます。

別にノートに書かなくても、文字に起こして後から見返せれることができれば、どんな形で記録しても問題ありません。
アナログで絵を描く人なら、付箋にメモを書いてそれを練習でかいたイラストの上に貼っておく。デジタルで絵を描く人なら、イラストと別のレイヤーにメモをする。といった感じで問題ありません。

◯ノートを取る理由

ノートにメモを書く理由は3つです。

「少しずつ前に進んでいる」と感じられるようにするため
上達してくると練習しているにも関わらず、最初の頃に比べて進んでいる感じがしなくなります。これは物事はS字曲線を描いて上達していくから仕方のないことです。
ノートを書いていると、後から見返したときに、自分が少しずつでも上達していることを実感できます。

文字に起こすとより理解できる
気づいたことを何も書かないでいるよりも、文字に書き起こす(言語化する)ことで、より理解できます。
ということで、書かないよりも上達速度が上がるはずです。

ゴールまでの道のりが見える
何ができなくて、何の課題を克服すれば、上達できるのかということをノジにしていると、ゴールまでの道のりがイメージしやすく、モチベーションが保ちやすいです

◯ノート取るのがどうしても嫌

ノートを取るのがどうしても苦手な人もいるでしょう。考えていることを文字に起こすというのは、向き不向きがあります。
ノートを取ることが負担で、絵の練習をやめてしまっては本末転倒です。

もし、どうしても嫌というのであれば、「今回の練習はなんか学ぶことが多くてよかった!」というときにはイラストの右上に小さく二重丸を書いて、
「学ぶことは大してなかったけど、書いていて楽しかった!」という場合にはイラストの左上に小さく星を書くようにして下さい。

二重丸や星を後から見返して、そのときに進んでいる実感が得られるだけでも、おそらく大きな効果があるはずです。

ステップ8:ポストイット通りに絵を描く

ステップ7を経て、「描きたいと思っていた絵」が描けるようになったら、ステップ8に進みます。

このステップでは、ステップ2からずっと小さなポストイットに溜めてきたアイデアをついに大きなキャンパスに描きます。

描けるようになったら描きたいものを好きなだけ描いてください。
「今描きたいもの」
「前々からこれだけは描こうと決めていたもの」
「そこまで優先順位は高くないけど、今なら上手くかけるから描いてみたいもの」
なんでも良いです。

そして、僕の場合は、描けるようになったら「先生役のネコと生徒役の少女のコンビで、ゆるーく進化論について解説する動画を作る。」と決めていました。
そういう一枚絵のイラストに収まらない制作物も、このステップで自由気ままに作って下さい。

そして、今描きたいものを全て消化することができた、もしくはポストイットに従って描くことに飽きたら、ステップ9に進んでください。

ステップ9:ステップ3に戻る

ステップ3に戻ってください。

ステップ3以降もポストイットを作って貰っていました。
最初に作ったポストイットと最近作ったポストイットでは、あなたの趣向や表現したいことが微妙に変わっているはずです。

なので、ステップ3以降に作ったポストイットを足した状態で、もう一度ステップ3の「自分の練習する絵を絞る」ことで、さらにイラスト上達ができるでしょう。

ステップ4〜6で、練習しきれなかった要素を練習するのもありですし、全く違う絵を練習するのもありです。
ここまでくることが出来たら、きっと、早くステップ3に戻ってまた練習したくて仕方ないはずです。

最後のステップ10は、一度読んでみて今の自分に必要であれば実践して下さい。必要でないと感じたら、忘れてしまっても構いません。

よくここまでくることが出来ましたね。お疲れ様でした。
これからも更なる「お絵描きライフ」を楽しんでください。

ステップ10:必要最低限の大きさのコミュニティで馴れ合う

ステップ10ではズバリ「必要最低限の大きさのコミュティで馴れ合う」ということをして貰います。

もちろん、ステップ3〜9を繰り返しながらイラスト上達は続けることは続けるんですが、やっぱり誰かに見せたいじゃないですか。
そこで、SNSで安易に自分の描いた絵を投稿したくなるんですが、プロと同じ土俵で戦ってもメンタルが削れるだけです。
そのため、あえて家族・友人、部活・サークル(ネット上の社会人サークルも含む)といったように、なるべく小さいコミュティで、自分の絵を見てもらおうという提案です。

詳しくは前々回の「◯だけど上達することは意味あるよ😙」という章で詳しく書いてあります。

ポストイット上達法の特徴

ここまで、ポストイット上達法の全体を説明した上で、「ポストイット上達法の3つの特徴」について説明します(最初に書くべきでした)。
この特徴を取り入れて自分にピッタリのイラスト上達法を各々が作っても良いかもしれません。

①落書きをさせる事にこだわる

他のイラスト上達法と1番の違いは「落書きをしてもらう」ところです。
僕は基本的に、「お絵描きを続けてさえいれば絵は上手くなる」と考えています。やり方次第で、練習の効率が良くなったりするんでしょうが、基本的に絵を継続して描かなければ上達しません。
なので、「絵の練習してやるぜ」と意気込まずに、「毎日目的もなくお絵描きする」こと自体を目的にして取り組んでもらい、絵を描く習慣を作ってもらうことがイラスト上達にとって最重要事項です。

②「描きたい絵がない」を防ぐ

「描きたい絵がない」という状態に陥って、絵の練習をやめてしまう人は少なくありません。
僕は「描きたい絵がない」とは、「下手な俺が描く意味がないと思い詰めてしまう」か「イラスト上達が目的になっているため、上達したからといって描きたい絵がない」のどちらか一方、もしくは両方が原因だと考えています。

下手な俺が描く意味がないと思い詰めてしまう」というのは、
「上手くなったら描きたい絵」を大雑把にポストイットに描くことで、「俺が今絵を描くのは、このポストイットに描いた絵を描くまでの途中経過なんだ」と感じることができ、防ぐことができると思います。

また「イラスト上達が目的になっているため、上達したからといって描きたい絵がない」というのも、ポストイットに描きたい絵というよりも絵を通して何を表現したいのかという目的を設定するため、防ぐことができると思います。

ということで、ほかの上達法よりも挫折する確率を低く抑えることができます。
ただし、「自分は何が好きで、何を作りたい(表現したい)のかということを表現するのが」苦手な人にとっては、普通のイラスト上達法よりも辛いかもしれません。

③AIが攻めてきても”しばらく”大丈夫

今までのデッサン力や画力といったような職人技の価値をAIが下げてしまうでしょう。
これからは、クリエーターというよりもディレクター・プロデューサーのような作品制作のプロジェクト全体を進めていける能力が持てはやされるでしょう。

ポストイットに描いているアイデアスケッチは、説明のわかりやすさを優先するために、「描きたい絵」と言い換えてきました。
ですが、ポストイットに描いてもらうのは「描きたい絵」というよりも「作りたい作品」です。

こういう作品を作りたい→今作品作りに足りないものは何か→足りない能力を鍛える→今できる力で作品を作る→その上で新しい作品を考える

という作品全体の計画をして、その作品を完成させる。それを何度も続ける。
といったように、あらゆる創作に通用するディレクター・プロデューサー寄りの能力を鍛えることができるので、AIが創作の世界にやってきたら、他の人よりも有利なポジションを取ることができるようになります。

終わりに

やっと新しいイラスト上達法の原型が完成しました。
これから僕が実践して、今よりも具体的で実用的なものになっていくでしょう。

僕は初め「既存のイラスト上達法はどれも熱血すぎて万人向けではないから、僕が誰でもできる最強のイラスト上達法を作ってやる」と考えていました。
ですが、ここまで書いてきて、正直「僕の考えたイラスト上達法も万人向けじゃねーな」と思っています。

どれが正しい上達法とかではなく、向き不向きでしかないんだなぁ、、、と身をもって感じることが出来ました。

とりあえず、次回はステップ1の落書きを乗り越えて、ステップ2に入ったあたりで、途中経過を記事にしようと思います。

ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。


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