地味に焦った瞬間
スタバのあの石窯パン美味しかったなぁ
とぼんやり考えながらスタバに入る。
と同時に左耳のBluetoothイヤホンを外す。
左指に感じるはずのぷにぷにした
あいつ。
イヤーチップがない。
あ、入口で落としたかな。
会計を済ませた。
『すみません、耳落としちゃったんで入口あたり探してもいいですか?』
なんて耳なし芳一みたいな時代錯誤なことを
口走ったのち、探し始めた。
タイル面を睨みつける。
さながらパットインを狙うゴルファーのように
しゃがんで地面を見る。
JKの生脚が目に入ったが、
決して私はそれを眺めるためにしゃがんでいるのではない。
鑑識の地当たりスタイルに変更する。
りんごマークのノートパソコンを開いた
なんの作業をしているのかわからない
銀髪の兄ちゃんと
初老のマダムが怪訝そうなまなざしで私を
眺める。
無かった。
しかし、スタバから歩いて300m程の地点で
気付いた。
左耳穴にぴったりはまっていた。
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