【N高/S高】N高等学校・S高等学校の学費を解説
N高/S高の学費について。わかりづらい通信制高校の学費を在校生の保護者目線で解説しました。
※2023年2月時点の情報です。最新情報は公式サイトで確認してください。
1.N高等学校/S高等学校の仕組み
N高等学校（S高等学校）は学校教育法第一条に定められた高等学校です。全日制高校と同じ「高校卒業資格」を取得することができます。
N高/S高にはネットコース、通学コース、オンライン通学コースの３つのコースがありますが、高校卒業の資格を取得するための「単位制・通信制課程」＝ネットコースが本体であり、通学コース、オンライン通学コースはそれにつけるオプションのようなコースとなります。
また、N高/S高は「単位制」の高校であることも大きな特徴です。学年制である全日制高校と違い、1単位あたりで学費が設定されています。
①単位制・通信制課程＝ネットコースは全員が履修
②学費は1単位当たりで設定される
この2点が理解のポイントとなります。
2.N高等学校/S高等学校の学費の仕組み
次に学費の仕組みです。一番わかりにくいのがここですね。
例1：通学コースに入学したいのだけれど、学費はいくら？
例2：通学コースなのになぜネットコースの学費を払うの？
N高/S高の学費を図解すると、こんな感じになります。
つまり、通学コースやオンライン通学コースは
ネットコースの学費＋通学コースの学費 となります。
説明会では、ネットコース＝高校、通学コースは塾のようなもの、と説明されていました。
高校卒業のためのネットコースは全員が通い、塾のような通学コースは別料金と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
3.ネットコースの学費
それではそれぞれの学費を見ていきましょう。
ネットコースにはさらに2種類の学費があります。
①普通科
②普通科ベーシック
違いは提供される授業映像の部分になります。
①普通科はMeta Quest2を利用した最先端のVR授業、②普通科ベーシックは通常の映像授業です。
普通科のVRについての詳しい説明はこちら
ちなみに①②どちらであっても、高校卒業のための単位取得には全く関係ありません。
１単位当たりの学費は下記の通りです。
①12,000円（1単位）
②7,200円（1単位）
3年間の履修単位合計は75単位です。
3.就学支援金とは
さらに話をややこしくするのが「就学支援金」の存在です。
国の制度である就学支援金ですが、もちろん通信制高校も対象です。ただし、全日制と違い、1単位あたりの金額で支給されます。
また就学支援金は、世帯収入により金額が変動します。
そして就学支援金は高校の単位制の部分＝ネットコースの学費だけが対象です。
世帯収入別の1単位あたりの就学支援金は下の表のとおりです。
簡単に説明すると、
①590万円未満：就学支援金により学費負担ほぼなし
②590～910万円未満：一部負担
③910万円以上：全学負担
となります。
※就学支援金は74単位までのため、1単位は全員全額負担
※そのほかに入学金10,000円、施設設備費など毎年63,000円が必要
就学支援金を差し引いて、ネットコース3年間の実質負担金額はこのようになります。
こうやってみると、世帯年収590万円以上ではVRかそうでないかで学費がかなり違ってくることがわかります。
通学コースの場合、これにさらに通学の学費がプラスになります。事前に各家庭でVRが必要かどうかよく相談してみましょう。
4.就学支援金の先引き制度
N高/S高には就学支援金の先引き制度があります。
世帯年収590万円未満の場合、事前に所定の手続きをすれば、就学支援金を差し引いた分の学費（約7万円程度）の支払いとなります。
世帯年収590万円～910万円の場合には先引き制度は適用されず、最初に全額を支払い、年度末に就学支援金分が口座に払い戻しされます。
5.通学コースの学費
次に通学コースの学費です。
おさらいすると
・通学コース生はネットコース＋通学コースの学費
・就学支援金は通学コース部分は対象外
通学コースの1年間の学費目安は下の通りです。
※就学支援金差し引き後の学費で計算
※入学金110,000円別途
最新情報は必ず公式サイトで確認してください。
6.オンライン通学コースの学費
オンライン通学コースも通学コースと同様です
・オンライン通学コース生はネットコース＋通学コースの学費
・就学支援金は通学コース部分は対象外
オンライン通学コースの1年間の学費目安は下の通りです。
※就学支援金差し引き後の学費で計算
※入学金22,000円別途
最新情報は必ず公式サイトで確認してください。
7.最後に
通信制高校の学費体系は独特で、特に全日制高校から転入する場合、違いに戸惑うかと思います。
何度か書きましたが
・単位制であること
・ネットコースと通学コースの学費は別
この2点がポイントです。
また一見「就学支援金があれば、VRでも普通映像でも学費はほぼ同じ」のようにみえるのですが、実は世帯年収で大きく異なるので注意が必要です。
VRという最先端技術で授業を受け、色々なイベントに参加できる一方で、授業はノートが取れない、VRで見るのが面倒という意見もあります。学費の差とメリットデメリットを考慮して検討をおすすめします。（年度の変わり目に、普通科と普通科ベーシックのコース変更は可能です）
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