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悪いのは私だけど(8/1)


「大学生になったら、noteに毎日日記を書こう!」という決意があった。

 いつのまにかセミが元気よく鳴き、道端でカラカラに転がっているのもちらほら見かける季節になっていた。いい加減始めよう、毎日日記。文章を書く練習もかねて、書いていきます。



 今大学はテスト期間だ。学部の傾向もあり、1年生の私にはそこまで多くの筆記試験があるわけではないので、「テストやだな」「落単怖いな」「孤独で涙が止まらない」という負の感情はあったが、時間的には普段より余裕があった。筆記試験があるのは月、木、金だから火、水は学校行かなくていいじゃん!連休じゃん!などと考えていた。

 現に、本日火曜の朝はゆっくりと起床し、少し前に買った新品のコスメの使い心地を試したりしつつ、優雅な朝を過ごしていた。
 ふと机の上にある置時計に目をやると、午前11時を少し過ぎたころ。「そろそろ木曜の試験の勉強でもしようかな~その前にゲームのログインボーナスひろっとこ」と思いながらスマホを持ち上げると、スマホの画面に「授業連絡」の文字。

 大学の情報システム(掲示板)からのお知らせだった。入学当初から「退学の情報システムはこまめにチェックするように」と言われていたので、やれやれこまめにチェックするかとサイトを開いた。そこにはこう書いてあった。


【授業連絡】
本日2限の授業は○○教室ではなく××教室となります。
直前の連絡になり申し訳ございません。




思わずスマホを胸に抱く。
全身の血の流れが止まる感覚。



え?

ちょっとまって、



今日、授業あるの?



 置時計の針と、スマホの画面に表示されている時刻を交互に見る。午前11時15分(はっきり覚えている)。2限の授業は午前10時40分がスタートで、終了時刻は午前12時10分である。

今からどんなに急いで出たとしても着くのは11時半だ。

遅刻だ。
それも結構、大掛かりな。



 しかも担当の先生は時間やルールに厳しい方だ。脳内にでっかく「詰み」という文字が浮かび上がる。

 なぜこんなことになったかと言えば、大学のテスト期間に授業はないものだと思い込んでしまっていたのが原因である。2限の授業の存在を完全に失念していた。「そんなのありかよ、イレギュラーだ!」と愕然としてしまったが、よく考えたら最終授業日の日にちについてのお知らせもあったし予習課題とかも出ていたので、テスト期間だというだけで、授業の存在を察することのできなかった私が悪い。ごめんなさい。

 その後のことは無我夢中でよく覚えていない。テレビとエアコンと延長コードの電源を切ることに神経を集中させたのち、着の身着のまま家を飛び出したことは覚えている。本当に慌てていた。息を切らして教室についてからやっと、「私、この靴履いて来たんだ……」と選んだ靴の種類を確認した程の慌てっぷりだった。

 大学と家が近かったことが不幸中の幸いで、大遅刻をかましたものの授業にはなんとか出席することができた。手痛い減点を食らうが、欠席よりはましである。



 心身ともにヘロヘロになって家に帰り、手を洗うために洗面所に向かうと、鏡には普段の数倍盛れている自分が写っていた。あ、新しく買ったコスメ試してたんだった。しかも楽しくなって、普段はあまりしないような濃いメイクしてたんだ。
 遅刻したくせにメイクはばっちりしている人間になってしまった。最悪だ。

 大遅刻してるくせに何顔面バチバチにキメて来てんだよ、と不特定多数に思われていた可能性に気が付き、何もかも嫌になった私は走ってマクドナルドに駆け込んだ。
 どんな人間に対しても、ガーリックシュリンプは平等にうまい。


 それにしても本当にヒヤッとした。正直遅刻したことは初めてではないが、授業の存在自体を失念していたのは初めての経験だった。大学生活が終了したかと思った。授業の遅刻は減点で済むがテストだったら落単だ。いくら暑いとは言えこんな肝試しは望んでいない。もっと肝を大事にしなければならない。

 先入観は身を亡ぼす。そのことを学べただけでも良かったということにしよう。そうじゃないとやってられない。反省しよう。私が悪い。もう少し授業連絡が早く来ていたら……とか、思ってはいけない。思うな。


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