202310291621 日記

シリーズ・パラレル・クロス・マトリクス・フィードバック。これら(音響)電子回路の特性や組み合わせを、自身の思考や他者との関係性や社会システムといった人文的な分野に敷衍するアイディア。というかたぶん俺自身が日常的の思考のベースにしていること。
近いうちにまとまった記事にできそうな気がする。構想はかなりまとまっている。

「あの夏」「ここではないどこか」というようなオタク・コンテンツ・スタンダードが最近の自分の気分ではないなと気づく。
要因は特に思い当たらない。夏に起きた悲しいことだったり、稚内旅行だったり、海と山しかない町への訪問だったり、車を買ったり、あるいはいろんな他者との交流と考えを知ることだったり、そんなことがあったりはしたけど決定打はない感じ。

「ここでこうして歳をとっていこう」。最近の気分はたぶんこっち。
自身のナイーブさや繊細さをひけらかすよりも("社会不適合"アピール!)、それらの存在を認めながらうまくいなしつつ抗いつつ、いい感じにドライヴしていくことに関心が寄っている。
もちろん夏は大好きなままだし、「あの夏」「ここではないどこか」を実現するサウンドエンジニアリングの技術や感性も持ち合わせている。もういいかなの気分というだけ。

あなたが体質上どうしても飲むことのできないものがある、と想像してみてほしい。それを飲むと他の人は基本的に楽しくなるらしいし美味しいらしいが、それは異常に依存性が高くて心身の健康を害しやすく、それによって暴力沙汰や不快な出来事が引き起こされたりする。それがそこらじゅうで売られている。
ぼくにとってのお酒だ。
お酒を飲む量をコントロールできなくておもんなくなったり他者に回復不能な損害を与える人をたくさん見てきた。
地元の既存のハコ文化圏が酒を飲んで度を失ったりすることを面白がったり、飲んではいけない/自制できない人を誰も抑制しない感じであることを認識するたびに悲しくなる。
身近で暴力事件が複数回起きているし、それを運営者側が「クラブってそういう”コワい"ところだから…ネッ」と正当化していた恐怖。ちょっと違う場所では全国ニュースになるほどの事態が発生したばかりでもある。
(セルフ)ケアの概念が存在しない世界。not for meやね。

DJによる音質変化にPAとしてなんらかの介入や操作をするべきか迷うとき、めっちゃOODAループだなーと思う。
DJミキサーで赤振ってて音がグジャってるときに「トリムを基本緑でたまに黄色つくぐらいでやると音良くなりますよ」と声をかけるべきか、とか、DJのジャンルによる特性の違いをPAミキサー側のEQで吸収すべきかどうか、とか。
Orient - Decideが重要でActそのものは一瞬で終わるのもまさしくOODAループ。そしてここでもフィードバック。

そうそう、他人がDJ機材を触っているときに、出音の音量を上げようとしてメーターが赤バチ振りまくりグジャりまくりみたいな状況で、どうしてもメーターの振りを適正にしてもらいたいときは、「緑と黄色の間がいちばん音が良いですよ」と声をかけるのが効果覿面である。
「赤を振らせるな、黄色もたまに振る程度にしろ」と命じてもだいたい後で元通りになっている。

公共空間で大きい音を出すイベントをやるのなら、必ず聴覚過敏の人に配慮してほしいなと思う。できるだけ自身でも心がけている。
遠目(?)でも「なんかあそこで音を出してるな」とわかるような感じにする。できれば音が出ている近辺を回避できるような場所を設定する。どうしても回避できない場合は付近に大音量を警告する掲示物を出す。大音量を望む人にだけ浴びせられるようスピーカーの指向範囲を狭める。当然のこととして近隣住民や物件の営みを邪魔しない。
あなたがもっとも苦手とするタイプの音楽を思い浮かべてほしい。それを所構わず誰彼構わず大音量で「あなたに」浴びせることの暴力性。音は暴力だ。

「ノイズなので耳が痛いほどの爆音です!」「歪みで叫びや苦痛を表現しました!」みたいなの、信じがたいほどに安直でおもんないなあ。

なんだか60分セットのDJをやりたい欲が高まっている。新しい人たちと知り合う中で俺のDJを観てみたいという物好きも何人かいる。ちまちまとセットを組んでいる。
地元ではこういう感じのセットをやれるイベントがないな…ということで、かなり久々に自分が出演するタイプのイベントの主催企画を立てている。
こういうときに、ハコの色づけみたいなのが存在しなくて機材持ち込みタイプのイベントスペースが複数存在する地元が恵まれてるなあと思う。
なんか全般的に性善説で、にぎわいがあればOKみたいな感じで動いている自治体のゆるさ。何もない公共空間を提供するという「有」の感じ。

ポータブルバッテリーでiLoud MicroとDDJ-400を鳴らすという簡易屋外DJイベントを何回か試行させていただいている。
PCに給電しなければ6時間〜8時間稼働といったところ。Apple Silicon Macを何台か持ち込んで、一昔前のフォーミュラEみたいにPCごと取り替える方式でやっている。
楽しいのだが音質的にはやはりイマイチ。
低音が足りないなあとなれば8インチサブウーファーを出し、稼働時間が足りないなあとなればバッテリー内蔵スピーカーを出し、PCが煩わしいならDENON PRIME GOなんかを買い…というように、演る側が必要性を感じたら少しずつこちらからアップグレードを提供していくスタイル。
最初からこちらのフル装備を与えたとて、その質(を提供することの質)が理解されることはあまりない。機材提供屋さんの悲哀。リスペクトを欠いた行動を取られたり、設営に誰も来なかったりなど、持続可能性が低くなっちゃうなとここ数年で学んだのもある。

でそんな感じでiLoud Microを酷使していたらリミッターがやたらと手前の段階で点くようになった。出力が小さすぎるDDJ-400でもノミナルを出すとだいたいリミッター点灯。音質もMP3っぽさが増している気がする…なんで?


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